見出し画像

個人のチャレンジを最大化できる環境へ CTO Scottが目指す、自律と尊重を支えるエンジニア組織づくり #TimeTreeMembers

TimeTreeの開発・運営メンバーの働き方や大切にしている考え方を紹介するインタビューシリーズ。今回はTimeTreeのエンジニア組織を統括するCTO(Chief Technology Officer)の河野(Scott)の働き方を紹介します。

30名を超えるエンジニアメンバーと定期的に1on1をするScottが取り組むのはTimeTreeエンジニアの組織的課題の解決です。自律と尊重を大切にするTimeTreeの組織文化の魅力と課題、今後のエンジニア組織の向かうべき形について聴きました!

話を聴いたメンバー
河野 洋志(こうの ひろし)Chief Technology Officer / 最高技術責任者
2010年にヤフー株式会社に入社し要素技術やデータプラットフォーム事業に従事した後、株式会社アカツキでのモバイルゲーム開発経験を経て、2016年より株式会社JUBILEE WORKS(現 株式会社TimeTree)に入社。 サーバーサイドの開発やメンバーのマネジメント業務に携わる。現在はCTO(Chief Technology Officer)として、技術経営方針の策定・実行を担っている。

自律と尊重が両立するTimeTreeの働く環境

──まずは簡単な自己紹介と、これまでTimeTreeで取り組んできたことを教えてください。

2016年1月に入社してから、サーバーやインフラといったバックエンド周りの機能開発や改善を担当してきました。主な業務は、たくさんのユーザーさんにお使いいただくためにデータベースをいかに運用するかを考えて実装していくことです。

具体的なサービスでいうと、入社してしばらくはTimeTreeを担当し、その後外部サービスとTimeTreeを連携するAPIを提供する「TimeTree Developer Platform」や、日程調整サービスの「Tocaly」の立ち上げを担当しました。今はまたTimeTree本体のアプリを担当しています。

社歴が長いこともあり、CTOになる前からエンジニアメンバーと定期的に1on1を実施して日頃の状況をヒアリングしたり、メンバーの査定に評価者として入ったりしていたのですが、CTOになってからはより深く開発組織が持つ課題解決に取り組んでいます。

──開発組織が持つ課題とはどんなものでしょうか?

課題についてお話しするには、まずTimeTreeがどういう組織文化かをお話しする必要があります。

TimeTreeではコアバリューの1つに「Why」を掲げていて、エンジニアメンバーにもそのコアバリューが強く浸透しています。例えば、何かを実装をするにあたってはエンジニアも「なぜそれをやるのか」と企画の背景をしっかり考えますし、企画メンバーと同じ目線で議論もします。

また、「自律」のコアバリューのもと、それぞれが働き方を自由に決められるのも特徴です。エンジニアメンバーはプロジェクト以外に、個人が担当するプラットフォームに応じてiOS、Android、フロントエンド、バックエンド、SREの5チームどれかに所属します。情報共有やリリース作業などはチーム単位で行いますが、チームのミーティングなどの動き方は、それぞれがパフォーマンスを発揮しやすい時間や働きやすい時間を最大限考慮して設定するんです。

昼から働き始める人もいれば、ご家庭の都合で朝からガッツリ働く人もいます。私自身も元々は朝が弱かったので少し遅めの時間から仕事をしていましたが、子供が生まれてからは朝型に切り替えています。

▲TimeTreeでは育休を取得するメンバーも多く、Scott自身も2020年に育休を取得しています

働く場所についても、コロナ禍でリモートワークが世の中全体に広まりましたが、TimeTreeは創業時からリモートで働くか出社するかを個人が選べます。

──個人の働き方が尊重されるあまり、チームで動きが取りづらくはならないのでしょうか?

TimeTreeでは「自律」のコアバリュー以外に、「尊重」「誠実」のコアバリューも大切にしています。どうしてもチーム内で都合が合わない場合は妥協することも必要になりますが、それぞれが周りのチームメンバーを尊重して誠実に接しているので今のところ大きな問題は出ていないですね。各自が自分の特性や家庭の事情などをチームにオープンにできるのはTimeTreeの働く環境の特長だと思います。

最近入社したエンジニアメンバーの中には、個人の働き方を大切にしたくて、これまで色々な会社で業務委託として働いていたけれど、「TimeTreeの文化でなら一緒にやっていきたい」と、正社員として共に働くことを選んでくれた方もいらっしゃいます。

自律性を機能させる体制と評価設計

──エンジニアにとっては働きやすい環境ですよね。

はい。個人が自律的にパフォーマンスを発揮できる素晴らしい環境なのですが、その組織文化ゆえに生まれる課題もあります。CTOとしての私の役割はその課題解決に取り組むことです。

例えば、CTOになってまず取り組んだのは開発プロセスの改善です。
CTOになる前、色々なプロジェクトでリリースが計画から遅れることが増えた時期がありました。スケジュールを守らなければならないプレッシャーの中、開発メンバーの負荷が問題になったため、組織的に原因を探ったところ、やるべきこととこれまでできたことをコントロールする存在がいなかったことが大きな要因であると見えてきました。

この改善のため、スクラム開発をチームに導入することにしました。そして、私自身がスクラムマスターとしてプロダクト開発に深く入ってスクラムを回していたんです。

スクラムマスターはスクラム開発において開発プロセスを回すことに責任を持つ役割です

──自律的に動くメンバーをサポートして調整する役割を導入したんですね。

はい。チームメンバーの努力もあって少し前からスクラム開発がチーム内で回せるようになってきたので、今は別の課題解決に取り組んでいます。

例えば、これまで担当チームや担当者が明確に決まっていない問題が出た際、誰かの自律性や裁量に頼るあまり、個人に負担が偏ってしまう課題がありました。特に事業の成果との繋がりが見えづらい技術的負債に関しては組織的にリソースを割きづらく、なかなか解消されづらいのが現状です。

そういった個人の裁量で自律的に対応していた業務についても、組織として対応する役割やチームをつくり、継続的に改善していける体制を築かないといけないと考えています。

──自律性だけでは成り立たない部分を組織的に解決する方法を模索していると。

そうですね。あとは組織文化に関連した課題以外にも解決しなければならない課題はあって、具体的な話でいうと、これまで特定のメンバーにコードレビューの作業が偏る課題がありました。

これには原因が2つあって、1つは依頼側のコストの課題です。コードレビューを依頼するにあたっては、実装したコードが何の機能のためのコードで、どういう背景があるのかといったことまでレビュアーが理解する必要があります。プロジェクトの実情に詳しくないメンバーに依頼するのはコミュニケーションコストが高い作業といえます。

もう1つはレビューする側の人員の問題です。現状、iOS・Androidなどプラットフォームごとにチームが分かれていて、コードレビューもチームの中で行われていますが、同じプラットフォーム内のメンバー間のみでレビューを行う形だと、どうしてもレビュワーが限定されてしまいます。

依頼側のコストの問題に関しては、機能の設計を誰が見ても分かる詳細なレベルまで全員で行うことで解決しているチームがあるので、そのノウハウを全体に展開していきたいと思っています。

また、人員の問題に対しては、チームを横断して動けるフルスタック・クロスファンクショナルなメンバーを増やしていくことで改善していきたいと思っています。

──フルスタック・クロスファンクショナルなメンバーを増やすためにどんなことをしていくのでしょう?

1つのやり方として、組織の評価の在り方を変えることで対応できるのではと考えています。

今の評価の仕組みでは、例えばバックエンドエンジニアならバックエンドエンジニアとしての動きが評価される形になっていて、例えばOKRの管理・運用を行うOKRマスターの仕事など、職種以外の業務をやっても評価されないのでは?という不安があるのではないかと思っています。

そこで、自分の職種以外の業務に関しても評価することを明文化し、エンジニアメンバーが動きやすいように会社としてしっかりと後押ししていく予定です。

また、先にお話しした「技術的負債の解消」などの業務領域に関する課題も評価設計をしっかりすれば解決に繋がると考えています。

世界中のユーザーの声に応えチャレンジし続けるやりがい

──エンジニア目線でTimeTreeの開発に携わるやりがいはどんなところだと思いますか?

一番は、世界中に自分達のプロダクトを使ってくれているユーザーさんがたくさんいらっしゃって、ユーザーさんとの距離も近いことですね。

TimeTreeのSlackには、ユーザーさんの声を拾い上げて紹介するチャンネルがあって、開発メンバーはいつもそれを見てモチベーションを高めています。

社内のSlackチャンネルでは、SNSやアプリストアなどに寄せられる声が毎日数多く共有されます

ユーザーのみなさまから「生活になくてはならないサービスだ」と喜んでもらえればもちろん嬉しいですが、ネガティブなフィードバックに対して真摯に向き合って改善していくのもプロダクト開発ではやりがいを感じる部分です。

ユーザー数が多いプロダクトの開発には技術的なチャレンジもたくさんあり、やりがいに繋がっています。

例えばTimeTreeのSREは3人の少数精鋭チームですが、世界で4500万を超えるユーザーが登録する膨大な量のデータを捌いています。予定数でいうと70億件近いデータがあり、それをいかに高速に安定してユーザーのみなさまにお届けするかに日々挑戦しています。

TimeTreeはもう8年近く続いているサービスなので、運営する中で新しい技術も出てきていますが、どのエンジニアチームでも、なるべく最新の技術を扱えるようにライブラリやフレームワークのアップデートなどは随時行っています。

運営期間が長い都合上、まったく新しい技術をいきなり取り入れるとか、仕組みを一新するのはどうしても難しく時間はかかるのですが、パッと乗り換えられるものであれば、個人にやる気があれば誰も止めないので、自由・自律の文化の中でメンバーそれぞれが積極的にチャレンジしていますね。

個人の挑戦を後押しできる強固な組織へ

──組織課題を解決し、より強いエンジニアチームを作っていくためには採用も重要だと思います。Scottはどんな人と一緒に働きたいですか?

自分の仕事がたくさんの人に影響を与えていることに喜びを感じる方はTimeTreeにマッチすると思うので、ぜひ一緒に働きたいですね。

TimeTreeは今、ユーザー課題を解決することにフォーカスするプロダクトディビジョンとビジネスにフォーカスするビジネスディビジョンの大きく2つに組織が分かれていますが、それぞれで活躍できそうなタイプは異なると感じています。

プロダクトディビジョンは、TimeTreeという8年間の歴史があるプロダクトに愛着を持って、日々コツコツ改善していくことに興味がある方は向いていると思います。

一方ビジネスディビジョンの業務は、何がTimeTreeに合うビジネスモデルなのかの探索から始まるため、プロダクトをゼロイチで立ち上げて運用していくことに興味を持てる人に向いています。立ち上げフェーズではときには撤退も必要なので、目的達成のためには作ったものを躊躇なく捨てられる人も合っていると思います。

──最後にScottが今後やりたいことを教えてください。

TimeTreeはこれまで、熱意のある人であれば自分の裁量で大きなチャレンジができる文化を築いてきました。サービスがリリースされて8年が経ち、社内のメンバーがたくさん増えてきた今、これまでの文化を活かしながらも、これまで以上に個人のチャレンジを後押しできる組織づくりが必要だと思っています。

最新の技術を自ら進んで試してスキルアップをしたい人や、自分の技術力開発したプロダクトで世の中をよくしていきたい人、エンジニアメンバーの想いはそれぞれですが、全員の挑戦が叶うチーム・環境を構築していきたいですね。

──ありがとうございました!


TimeTreeの採用情報

TimeTreeのミッションに向かって一緒に挑戦してくれる仲間を探しています。くわしくは応募ページをご覧ください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?