誰かの人生の調味料になりたい
会社の食堂で、ソースをかけずにコロッケを食べた。
コロナ対策の影響で、調味料は各テーブルに置いてあるわけではなく、セルフで必要な小袋を取る形式だったのだが、それを取り忘れてしまった。
面倒だったので、調味料なしでそのままコロッケ定食を食べた。
食べてみてどうか。まあ食べられる。おいしい。でも、何かが足りない。
調味料だ。
コロッケにはソースが欲しいし、サラダにはドレッシングをつけたい。調味料があれば、もっとおいしく食べられる。食を味わえる。
でも、調味料がないから、なんだか味気ない。
「調味料がなくてもご飯は食べられる、でも、調味料があればなお良い」
そんなことを考えた。
調味料の役割とは
「なくてもいいけど、あればそれをより充実させてくれるもの」
だと思った。
その時ふと、この調味料は人生にも必要なんじゃないかとまで思った。よく「人生にはスパイスが必要」とよく言われるじゃないか。
でも、スパイスは香辛料や香味料と言われているし、ある意味で調味料の一種だ。人生のスパイスという意味のスパイスは、「刺激」ということになるだろう。
調味料は「スパイス」だけではない。例えば、和食の味付けでは「さしすせそ」がでてくる。それぞれ違った役割だ。
さ(砂糖)
し(塩)
す(酢)
せ(醤油)
そ(味噌)
このように、調味料に様々な種類があるように、人生における調味料も多種多様であるし、人それぞれだ。
例えばその調味料とは、仕事で味わう達成感や恋人とのロマンス、家族とのつながりや趣味を味わい尽くす奥深さなど、人の数だけ無数に存在する。
その無数に存在する人の人生の中で、自分が誰かの調味料的な存在になれたらいいと思う。
それは恋人や家族のように、常に関わるようなものではなくてもいい。仕事で一緒になった人、趣味で一緒になった人、はたまたこのような文章を読んでくれた人のように、一瞬だけ関わるだけでもいい。
私に会った人や私の情報に少しでも触れた人にとって、調味料的な存在になれたら嬉しいと思った。
なぜなら、誰かの人生にとって
「なくてもいいけど、あればそれをより充実させてくれるもの」
になれたことになるから。
だから、誰かの人生の調味料になりたい。
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