(物語)クリスマスの朝

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上記の作品等をお読み頂くと、どんな二人の話か分かると思いますが読まなくても特に支障はありません。
本を販売させて頂いた際の書き下ろし掌編その6です。


クリスマスの朝

 目を覚ますと、日の出を少し過ぎたくらいの時間のようだった。
 起き上がろうと動くと、隣の君の手が僕の腕を掴む。
 朝に弱い君は、ほとんど目を閉じたまま、朝?と囁く。
「まだ寝てて大丈夫だよ」
「んー、うん、陸も」
 小さな声で君がそう言って、掴んだ僕の腕を引き込むように引っ張った。
 体を再び布団に収めると、満足そうに笑った君が、何やら意味を成さないような言葉をむにゃむにゃ呟いて、ぐりぐりと頭を押し付けてくる。
 僕の体にすっぽり収まる君の体を抱きしめて、僕もまた目を閉じた。
 あと少し、幸せな気分で微睡んでいよう。


(蛇足的な裏話)
花ちゃんはとにかく朝が苦手なので、いつまでも微睡んでいるようなタイプです。その代わりちょっと宵っ張りの気があります。
陸くんはさっと寝てさっと起きるタイプ。
二人の時間は少しだけずれていて、その少しだけずれた時間を二人は大事にしています。

書き下ろしその7はいつ掲載しようかなとまだ考えています。秋の話ですが、それより前には掲載します。
それが最後の書き下ろしになります。最後までお付き合い頂ければ幸いです。