夫の浮気と私の離婚その3。こんな父親はいらない
子どもたちから父親を奪いたくない。
その思いだけで、私は離婚を思い留まろうとしていました。
でも。
夫の2回目の浮気発覚の翌日。
その事件は起きました。
汚い手
翌日の夜、夫はさすがに早めに帰宅しましたが、私は話す気もしなかったので、子どもを寝かしつけて、早々にベッドに入りました。
しばらくして夫も寝室に来たのですが、自分のベッドではなくそのまま私のベッドに入ってきました。
びっくりして体を固くしていると、耳元でささやきました。
「ゆり愛しているよ」
そして私の服の中に手を入れてきました。
驚いて飛び起きると、おもむろに抱きついてきて
「ごめんね。ゆり。さみしかったよね。こうして欲しかったんでしょ?大丈夫だよ。僕もさみしかっただけだから。」
そう言って服を脱がそうとしてきたのです。
体中にざわざわと鳥肌が立ちました。
「触るな!!!」
そう叫んで夫の頬を思いきり殴りました。
ほんの二日前によその女を抱いたその手で私に触るな。
さらに夫を思い切り蹴飛ばしてベッドから突き落としました。
「汚い手でわたしに触るな!汚らわしい!」
暗闇の中で呆然としている夫の顔を見ながら思いました。
この男はなんてみっともないのだろう。
素顔と仮面
心理学の概念の中で、「人はみな仮面を被っていきている」という考え方があります。
詳しくはこちらに書きましたのでぜひ参考にしてください。
離婚回避のための心理学的考察 あなたの仮面は妻に愛されていない
人は無意識にたくさんの仮面を付け替えながら生きています。
それは決してマイナスのことではなく、社会生活に適合していく上で欠かせないことです。
例えば私なら、妻の仮面、母の仮面、仕事中なら看護師としての仮面をなんの意識もせずに付け替えています。
あなたもきっと同じように、夫の仮面、父の仮面、仕事の仮面、ゴルフ仲間との仮面など、自由に付けかえていることと思います。
でも、その仮面を重ね過ぎて本来の自分と大きくかけ離れてしまい、問題行動を起こす人がいます。
私の夫はまさにそのタイプの人間でした。
夫はもともとおおらかで優しい人間でしたが、その上に被っている仮面は、その場その場で大きく変わり、本人も無意識のうちに都合のいい嘘を積み重ねていました。
ですから、浮気がバレた後も違う仮面を被りなおして平気な顔をしていたのです。
私に蹴飛ばされて固まっている夫の顔からは、すべての仮面がはがされていました。
そこにある素顔は、目先の欲望にへらへらと食らいつく醜い顔でした。
こんな父親はいらない
夫をベッドから蹴飛ばした翌日の朝、今までのことを洗いざらい話させました。
予想はしていましたが、彼の浮気は私たちが付き合っている頃から何度も繰り返されていました。
「僕ってモテるからさ」という自慢まで挟みながら語るその姿は、もはや私とは別の生き物のようでした。
「もう絶対やらないよ。大丈夫だから。僕にはゆりだけだよ」
そう言って手を握ろうとするので、気持ち悪くてすぐに振り払いました。
やはりこの男は、反省もしなければ学習もしない。
そもそも私がおおらかだと感じていた彼の長所は、単に無神経なだけなのかもしれません。
そうでなければ浮気がバレたその翌日に、妻を抱こうなんて思わないことでしょう。
もう離婚に迷いはありませんでした。子どもには確かに父親は必要です。でも。
こんな男が父親なら、いらない。
子どもは私が一人で全力で育てる。
そう決意して家を出て実家に帰りました。
マザコン夫の土下座
前回も書きましたが、夫はマザコンです。
義母も夫を溺愛しています。
本格的な離婚の話し合いには、当然義母もやってきました。
私が欲しいのは親権だけでした。
慰謝料などは最低限で構わないけれども、とにかく子どもたちだけは渡さない。
しかし夫は長男です。
跡取りとして親権を主張してくることは充分に考えられます。
争うポイントはそこだけでした。
すると向こうの弁護士があっさりと言いました。
「親権をお譲りすればあとは金額などすべてこの条件でご了承されるということですね。こちらもその条件で了承しておりますので、では双方の条件を離婚協議書にして提出し、同時に離婚届けも提出いたしましょう。」
え?
義母がこの時とばかりに話し出しました。
「ゆりさんと別れたら息子も新しいお嫁さんもらわないといけないでしょ?その時に子どもがいない方が何かと・・・ねえ?」
なるほど。さすがです。
愛する息子の再婚にはうちの子どもたちが邪魔だと。
その時ずっと黙ってうつむいていた夫が、突然叫んで立ち上がりました。
「僕はゆりとも子どもたちとも別れたくない!」
にこにこしていた義母が、びっくりして横で固まっています。
「もう一度やり直してくれるよね?僕たちまだ大丈夫だよね?」
・・・こんな時にまで出てきた彼の「大丈夫」。
そして泣きながら土下座をしたのです。
あわてふためいて立たそうとする義母とのツーショットを冷めた目で見ながら、私は言いました。
「無理。」
いったい何が大丈夫なのか。彼は本当に何もわかっていない。
本当に彼が離婚したくないなら、彼にはたくさんのチャンスがありました。
何より、本当に自分の行いが悪いと思っているのなら、謝罪し学習し、反省するチャンスはありました。
それを手放したのは彼自身です。
土下座しても泣き叫んでも、何も戻ってきません。
すべてが手遅れでした。
あなたの未来を変えられるのはあなただけ
それからシングルマザーとしての日々が始まりました。
不安感はまったくなく、むしろ体の内側からふつふつとエネルギーが湧いてくるのを感じるくらいでした。
毎日とても忙しいですが充実しています。
私は離婚したことは全然後悔していません。
そして元夫と結婚したこと自体も後悔はしていません。
元夫との結婚は失敗でしたが、でも確かに幸せな時間はありました。
何よりこんなにかわいい子どもたちを授かることが出来ました。
すべての行動や経験には肯定的な意味があると私は思っています。
過去や他人はどうやっても変えられません。
でも未来や自分は、自分の力で変えることが出来ます。
そして未来を豊かに彩るのは過去の経験の数々です。
元夫も、過去を反省し自分が変わる努力をするべきだということに気付いてくれれば、私たちは離婚しないで済んだでしょう。
私は、この自分の体験から学んだことを、浮気がきっかけで離婚危機にあるすべての男性たちにお伝えしたくて、ブログをオープンいたしました。
現在は、多数の方々の相談にも乗らせていただいているので、その経験を踏まえてお伝えしています。
離婚危機にある人は、そんなに簡単に他人に相談しないものです。
ですからなかなかこういうアドバイスや体験談は世に出ません。
だからこそ、めったに知り得ない貴重な情報ばかりです。
離婚は、しないで済むのなら、その方がいいに決まっています。
あなたのためにも、そしてあなたの大切なパートナーのためにも。
そしてこのnoteでは、ブログとはまた違ったこと、
たとえばモラハラやDV、あるいは妻の浮気など、
様々なパターンの問題に、徹底的な女性目線でお伝えしていきます。
過去を反省することは大切ですが、
もっと大切なのは、
そこから何を学びどう自分が変化するかという未来への決意、です。
あなたがパートナーと一緒に同じ未来を歩みたいと思うなら、自分の力で新しい未来をつかみ取りましょう。
そしてもう一度パートナーに恋をしましょう。
3回に渡って私の離婚体験記をお伝えしましたが、もっと詳しい過程はこちらでお伝えしています。
心理学の知識も交えて、元夫の行動を分析しながらお伝えしているので、きっとあなたに何かのヒントをプレゼント出来ると思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
ゆり
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?