[ interview#2-26 DF 古賀太陽(柏レイソル) ]

interview#2は育成組織・柏レイソルU-18から昇格した古賀太陽選手の登場です。
小池選手と同様に、こちらのインタビューも始動日と指宿キャンプから帰柏後の2回からの構成となっています。
技術や戦術眼、フィジカルといったサッカー選手としてのポテンシャルもさることながら、豊かな感受性や向上心が現在までの古賀選手を創ったのではないかと思わされることも多々あります。そんな古賀選手の思考を堪能ください。

【1月14日:日立台にて】「『自分は新人だから』とか言いたくない」

——たくさんの同級生の中でトップ昇格は唯一となりますね。
太陽「『ありがたみ』というものをすごく感じますね、今年は自分1人だけですから余計にそれを感じています。学校の同級生たちもみんなアルバイトをしたりしている、そんな時期でもあるので、こうやってレイソルでチャンスをもらえたことはありがたいですし、幸せです」

——昨秋からの怪我の具合は?
太陽「昨年に手術をすることになり、術後は思いの外早く回復したので、しっかりとリハビリにも入れましたし、もう大丈夫です」

——大きな怪我はなく、不意の小さな怪我を繰り返した昨年でしたが、プロ一年目はまず怪我をしないことが最初の課題となるのでしょうか。走る時に膝が内側に入ってしまう傾向がある、という話を聞いたことがありますが。
太陽「そこが一番なんですよね。まずは、怪我をしない体づくりですね。自分の場合は意味不明な種類の怪我が多いタイプなので。いきなりいなくなることが…(笑)。無くしたいですね、そういった怪我は。原因も分かってきましたし、まだまだ単純に弱いというか…例えば、試合の中で体が疲れてきてしまうと、本来使うべき筋肉を使えなくなって、だんだん入っちゃいけない方向に膝が入ったりするそうなので、そこが原因みたいです。今回のリハビリで走り方や膝の使い方をかなり意識するようにして、強化していくことに取り組みました。それを続けていかないとまた膝に負担をかけてしまうので。プレーの強度が上がると負担がかかって怪我へ繋がるというのが今までのパターンだったので、まず、プロの世界でサッカーをする体を作ることが一番大事かもしれないですね」

——DFのすべてのポジションだけでなく、中盤でもプレーできる古賀選手。いったいどのポジションを任されるでしょうね。チームの人数を見てみても古賀選手は面白い存在です。
太陽「いろんなポジションでのプレーを準備しておかなきゃなって感じです。もしかしたら、ボランチもあるかもしれないですね。イメージしておきたいですね。チャンスが来た時のためにも。トップへ昇格するにあたりチームからは、『(中山)雄太がUー19日本代表で抜けた時には頼むぞ』というような話をされたんですけど…正直言うと、自分も雄太くんと一緒にUー20W杯へ行きたいんですよね(笑)。だから、がんばらないと」

——その中山選手のプロデビューも左SB起用でしたし、わからないですよね。
太陽「今の自分は昨季もトップチームの練習や年代別代表で経験している右SBの方が可能性としてはイメージはしやすいかもしれないですね。攻撃のリズムを作っていきたいです」

——目標はまずプロデビューということになりますね。出場するからには何かを掴みたいですね。韓国に行くためにも。
太陽「そうですね。レイソルで試合に出ていなければ、Uー19代表にも呼ばれないと思うので、まず試合に出てからだなって。ただ試合に出るだけで終わりたくない。何かしらの爪痕を残したいなと思います」

——仮に右SBでの起用となると、監督のサッカーを知っているというのはアドバンテージになるのでは?
太陽「シモさんの考えや『レイソルのサッカー』の理解という部分では自分のストロングなのかなっていうのはあります。フィジカルの違いのところとか、そこもある程度は慣れてきたところはあるので、それほど時間がかかることはないかなとは思いますし、今年は実質2年目という感覚なんで。『自分は新人だから』とか『1年目だから』とか言えない…言いたくないんで、2年目の気持ちで取り組んでいます。きっと、チームも自分にそういうものを求めて、自分をトップに帯同させてくれていたと感じています」

——Jリーグで対戦したい選手はいますか?
太陽「誰だろう?そういった存在の選手たちはレイソルに結構集まっちゃっているんですよね(笑)。ハモン・ロペスとかは対戦したらやりづらそうですね。あとは鹿島アントラーズの選手たちはやりづらそうな気がしています。すごく能力が高い。あとは去年の川崎フロンターレとやってみたかったですね」

——レイソルの「太陽」ですから、名前のところで愛されなきゃおかしいですし、1人の選手としてプレーでもハートを掴まなくてはいけませんね。
太陽「ただでさえ、結構ハードル高い名前なので(笑)。試合に出た時にサポーターのみなさんが『えっ?』ってならないようにしないと!」

【2月7日:日立台にて】「萎縮したり、余計な遠慮をしている時間は自分にはない」

——トップチーム昇格から1ヶ月。指宿キャンプを終えての感触を聞かせてください。
太陽「右SBを中心に、キャンプ後半は左SBでもプレーをしました。通用する部分とまだ足りていない部分が明確になったと実感した1ヶ月になりました」

——どのような部分が足りていないと感じたのか聞かせてください。
太陽「右サイドでプレーをした時に…感覚的に『前へ入っていきづらいな』と感じました。左右の景色の違いが大きな理由だと思うのですが。ボールを引き出したり、ビルドアップでは違和感無くできているのですが、前線で『どっちの足を使おう?』と考えてしまう場面がありましたね。ただ、局面局面で蹴り足を変えてプレーできるところは自信になりました。練習でも試合でももっと出していきたいです。そこは自分の特長でもありますから」

——左右どちらのSBでプレーするにしても、中村選手や中谷選手、中山選手らとボールを動かしていく。やはり「レイソルのサッカー」を学んできた者同士の感覚的な結びつきは感じるものですか?
太陽「自分にもわかりやすいプレーや判断しやすいボールを入れてくれます。自分が学んできたリズムでプレーできていますし、ボールを触れていると感じています。次のポジショニングがわかりやすいですし、アカデミー時代よりシンプルというかはっきりしたプレーができています。あとは自分の要求をしっかり伝えてプレーをしていきたいですね。それを怠って自分のプレーを出せなかったり、チームに迷惑をかけたりしたくないですから」

——実戦での連携が楽しみです。
太陽「ただ、『実戦』となると、自分はまだまだだなと感じています。試合の中で1つ1つのプレーをやり切ることだったり、走り切るという点ができていないですし、ミニゲームでできることがフルコートでてきていなかったり、遠いコースや人が見えていなかったりと、突き詰める部分がたくさんあります。練習もそうですし、TMなどをしっかりこなして、全てのプレー精度を上げていくことが大切なんだと思います」

——得点源となる前線のタレントをどう活かすかも、全てのプレー精度に含まれると思いますし、SBに問われる能力ですね。
太陽「まだ自分はシンプルに中へクロスを入れるべきタイミングでも、一度足元にボールを収めてしまう場面もあって…中の選手から強い要求をもらうことも多いです。ボールを大事にし過ぎたりせずに、積極的にクロスを上げる必要を感じます…そういうプレーや判断を養っていかないといけません…まずは日々の練習から、ですね」

——やるべきことが明確になった1ヶ月だったことが言葉の端々から伝わりました。
太陽「やらないと!萎縮したり、余計な遠慮をしている時間は自分にはありません!」

【Taiyo Koga profile】
■ポジション:DF ■背番号:26
■身長・体重:182cm・71kg
■生年月日:1998年10月28日(18歳)
■出身地:千葉県
■経歴:舞浜FCファルコンズ-柏レイソルU-12(浦安市立舞浜小)-柏レイソルU-15(浦安市立堀江中)-柏レイソルU-18-'16/5柏レイソル(第2種登録)-柏レイソル
■代表歴・タイトル等:ナショナルトレセンU-12、JFAエリートプログラムU-14、U-15・U-16・U-19日本代表

interview by 神宮克典
©Libretas de Tiki-taka_magazine

#インタビュー #スポーツ #サッカー #Jリーグ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?