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虹色メガネの物語

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全21話、完結済み。非BLです。 #小説
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#小説

3章(3);少し昔の話

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「じゃあ、行ってきます」

「お邪魔しました。また伺います!」

揃えたように言って、若い2人は連れ立って出て行った。
ドアベルが小さな音をたてる。

「いやぁ……なんだ、青春?」

つい零してしまった言葉に、しろが笑った。

「本当にねぇ。
 あの子たち見てると、やっぱり思うわよねぇ」

年寄りみたいなことを言ってしまったな、と思ったのだけれど、
まぁいい。

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3章(2);お互い様の話

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「これ、この間のお返し」

そう言って小さな紙袋を差し出すと、
真崎さんは少し身震いして、ゆっくりとそれを受け取ってくれた。

おやつの時間の、少し前。
『カフェR』のすぐ近く、住宅地の中にぽかりとつくられた
小さな公園の小さなベンチ。
公園には私たちしかいなくて、
動物をモチーフに作られたバネの遊具が、
揺れることもなく、ぽかぽかと日に照らされている。

見た目

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3章(1);昔の話

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『カフェR』の閉店時間は遅い。
平日・土日祝日に関わらず、最寄り駅の終電が終わってからおおよそ30分後だ。
「終電で帰路につく人々にも、帰宅前にほっと一息つける静かな場所があってもよいのではないか」
という、クロさんの考えが反映されている。

けれどこの日『カフェR』のドアには
いつもよりも随分と早い時間から“closed”の看板が下げられていた。
まだ夕食の時間

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2章(3);バレンタインの後の話

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美咲が体調を崩したと、マサキの元に連絡が入ったのは、
バレンタインの3日後だった。

14日、バレンタインの当日マサキは
カフェの仕事を終えた後、初めて美咲の住む部屋を訪れた。
シロさんとクロさんにはひやかされ、ヒロキには舌打ちをされた。
そんな反応が気にならないわけではなかったけれど、それよりも
1人で暮らしている女性の家に行くということが
こんなにも緊張するこ

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2章(2);彼女の呪いの話

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あるところにすんでいたかわいらしいおんなのこは、
まるで自分は呪われたような体質だと思っていました。
おんなのこがそのことに気づいたとき、
彼女はまだ、ほんのちいさなこどもでした。

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目の前の男は、心底不思議そうな顔をした。

「そんなに驚くこと?」

「いや、そりゃそうだろ。
 だって美咲、誰かと付き合うとかしない主義つってたじ

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2章(1);彼の呪いの話

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あるところにすんでいたかわいらしいおとこのこは、
呪われたような体質をしていました。
おとこのこがそのことに気づいたとき、
かれはまだ、ほんのちいさなこどもでした。

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「あのね、もうすぐバレンタインですけれども、
 マサキさんまだ美咲と付き合ってるの? うまくいってるの?
 別れる話とかは出てないの? 別れたらどう?」

「なんで

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1章(3);翌朝の話

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あるところで出会った、かわいらしいおんなのことかわいらしいおとこのこは
いつしか仲良しになり
いっしょの時間をすごすことになりました。
夜はいっしょにねむりについて、
朝になると、いっしょにごはんをたべました。

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コーヒーのにおいがして、美咲は目を覚ました。
まぶしい。
窓から差し込んでいるらしい陽の光をさけようと枕に顔を押し付け

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1章(2);終電の後の話

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あるところに、かわいらしいおんなのこと、かわいらしいおとこのこが
それぞれの場所で、それぞれにくらしていました。
ある日、かわいらしいおとこのこに助けられたかわいらしいおんなのこは、
おとこのこのおとしものをとどけるため、
そのこのすんでいるところをめざすことにしたのです。

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ボタボタと雫のたれる音が聞こえて、マサキは目を覚ました

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1章(1);終電の話

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あるところに、
「世界中みんな呪われて人類なんて滅びてしまえばいいのに」
とかんがえている、それはかわいらしいおんなのこがいました。
おんなのこは、ほんとうは呪われているのは自分なのではないかと思っていました。
そして、いつもたくさんの人にかこまれているのに、なぜか孤独でした。

またあるところに、
「お前は呪われている」
と言われて育った、それはかわいらしいおと

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