見出し画像

戦術に溺れる社長と戦略で飛躍する社長の明暗

起業したり、独立してから社長になって、最初にする仕事は専ら戦術が中心になるため年数を重ねるほど戦術に詳しい社長は多いようです。いわゆる、経験に基づく仕事の技術やノウハウが中心となります。この戦術だけが仕事と捉えている社長もたくさんいます。

しかしながら、戦略は戦術の延長線上にはありません。戦略を分かりやすく教えてくれる所や機会がないため、社長の中には、営業や販売などの戦術だけが経営活動の本質であると強く信じ込んでいる経営者が少なくありません。

このような社長に限って、業績が悪くなると「営業社員のヤル気がないからこうなった。」「きちんと仕事をしないからこうなった。」「何度言っても伝わらない。」等と愚痴をこぼしてしまうものです。

社長が起業したり、独立した時と同じように営業マンが独立して成功するとは限りません。効果的な営業地域や客層の選定、商品の見せ方、顧客へのアプローチ方法、新規顧客獲得方法、顧客維持方法、組織作りなど、経営全体の仕組み化には別の専門知識と能力が必要となります。

戦略が理解できないと、業績低迷が続いてしまい低迷の原因は何故なのかを掴むことができません。つい社員の能力が低いから業績が上がらないと考えがちです。残念ながら小さな会社には、優秀な人は集まらないのが事実です。それなのに社員に対して「経営者目線で仕事をするように。」と無茶な要望を持ってしまいます。どこまでいっても社長と社員の立場と役割と責任は全く違うのです。

会社の業績に与えるウェイトは、社長自身の役目で、願望・目的・目標・戦略・仕組みづくりまでが責任範囲で86%となり、戦術は残り僅か14%となります。従業員10人まで会社の戦術も社長がほぼ100%担当するので、業績の98%は社長の実力ということになります。

会社は人で決まります。これは社員教育に関して使われがちですが、その前に社長自身が「戦略実力を高めよ」ということです。社長の実力は、従業員一人当たりの粗利益で表されます。この指標は、社員の能力や働きぶりで変わるものではなく、社長が構築した戦略的な経営システムのレベルを示すものです。社長の戦略実力向上なしに、従業員の力だけでは会社は成長していけないのです。

社長の戦略がないほど社員の成長のためにと耳障りの良い言葉が先行し、社員教育に熱心になる皮肉な現象が起こります。これは社長自身の能力が不足しているにもかかわらず、社員の能力に頼ろうとしていると言えます。

まず社長自身が経営戦略を繰り返し繰り返し研究を続け、戦略思考が習慣化されるほどの量を積み重ね、効果的な経営対策を実行に移す強い意志を持つことが重要です。

https://1bousenri.jp

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?