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“愉快なオトナたちのリアル講義”〜isao〜完全版✙

高校生によるオトナたちへのインタビュー第13講
29歳でタイへ移住し、自らの行き着く先を模索し続ける”バンドマン”isaoさんによるリアル講義
日本ではDSL。タイではタイ人2名・日本人2名のパンクロックバンド THE GREEDのベーシスト、isaoさんの思考を聴き解く今回のインタビューは〜isao〜。タイに在住するプロフェッショナルの思考法をここに書き留める。








1,History


1,History



こういう音楽を聴くようになってベースを弾くようになったのは、先輩たちの影響。当時、サイコ刈りっていうモヒカンの前髪だけがあるような髪型してラジカセでサイコビリーのテープ流しながら先輩たちが地元の駅で溜まってて、それにすごい影響を受けた。


洋服も髪型もとにかく見た目がスゴいカッコ良くて、どちらかと言うと音楽よりもファッションから最初は入ったと思う。それでこういうカッコするヤツはちゃんとレコード聴いてないとヤバいからって先輩たちに言われて、レコードショップにも一緒について行くようになってサイコビリーバンドとかパンクの音楽を知って、どんどん音楽自体にものめり込んでいって。

最初はDJだけのイベントとかに行きだして、そのうち実際にバンドがライブしてるのを観てみたくなって、『BILLYS WEEKENDER』っていう当時の日本のサイコビリーイベントでは一番有名なイベントだったと思うけど、『下北沢251』でやってたそのイベントに毎回ライブを見に行くようになって。

そのうち自分もバンドがやってみたくなって、18歳の時にウッドベースを手にして周りの先輩や仲間たちとバンドを組んだのが最初。ウッドベースを選んだのは、サイコビリーではとにかくウッドベースが目立ってて、とにかくカッコ良かったから。

その後、エレキベースでUKハードコアが好きな仲間たちと、カオスUKのコピーバンドなんかをやった時もあった。ちゃんとライブをし始めたのは、NYスタイルのハードコアが大好きなセンパイに連れられてそういう系の日本のハードコアバンドのライブを見に行きだすようになってから。本場でいうとAgnostic FrontとかSick Of It Allとか、ストロングスタイルとかとも言われるニューヨークがルーツのハードコア音楽。

最初のバンドではデモテープを出して、何回かライブしてすぐに解散してしまって、その後キックボクシングをやってて音楽からも離れてた時期があったんだけど、地元の仲間がハードコアバンド組んでてベースいないからベース弾いてよって誘われて、それでまた音楽に戻ることになった。

周りの環境が自分の人生を大きく左右する。今の自身を取り巻くはベストなのか、そのベストは超えられるのか。




2, タイでカルチャーショックを受ける


2, タイでカルチャーショックを受ける



そのバンドは、途中で誘ってくれた仲間本人がバンド抜けちゃって、だけど他のメンバーにバンド続けようと説得されて、じゃあ曲も新しくバンド名も新しくDSLって名前をつけて、本格的に活動を再開した。


実質4年、5年ぐらいの活動期間だったけどDSLでは機材車運転して日本の各地ツアーで回ったり相当本気でバンド活動をやってきたと思う。

DSLが解散したあと、またバンドを組んで活動はしたんけど、以前ほどの熱みたいなのが生まれなくなってて。そんな時、東京の仲間から中国かタイに旅行で行かないかって誘われて。


中国かタイってなったのは、仲間が仕事で中国とタイを行き来してて現地に詳しくて。結局タイに行くことになったんだけど、その友人が急遽都合が悪くなって行けなくなっちゃって、でも、チケット買ってるし予定も空けてたから、俺はそのまま行くことにして、初めての海外がタイに一人旅になってしまった。初めての海外。多分一人だったから余計だろうけど、すごいカルチャーショックを受けた。今まで見たことのない景色と、とにかく街に外国人が多い!東京でもこんな外国人だからけを見たことがないぐらい。バンコクの街も東京よりすごいとまでは思わなかったけど、モノレールが走ってたり、綺麗なデパートが立ち並んでて想像してたよりもずっと都会で、街も人も文化も俺にはすごい新鮮でここに住でみたいと思っちゃったの。それで日本に帰ってすぐまた1ヶ月間ぐらいタイに行って、その時に知り合ったタイで会社経営してる日本の人にタイに来たいならタイでWEBサイト制作の仕事手伝う?って誘ってもらって、それで29歳の時にタイに移住した。

タイに来てからはバンドや音楽を聴くこともしないで、グリードをやるまで音楽とは離れた生活をずっとしてたんだよね。

“本気”と書いて”死ぬ気”




3,THE GREED


3,THE GREED



グリードは日本の頃からの先輩でもあるボーカルが、ちょうど俺がタイに住み始めた時期ぐらいからちょくちょくタイに来てて。今はもうやってないんだけど、昔タイで2店舗ほど俺は小さなカフェをオープンしてた事があって、彼は彼でタイのクラブやディスコでMCの仕事をやりながらタイで暮らし始めてて、結局カフェは数年やって閉じることになって、ちょうどそのタイミングで日本に本帰国しようかなとかも考えてたんだけど、そんなタイミングで彼からタイでパンクバンドやりたいからベースやってよって誘われて、それがタイでの俺のバンド活動の始まり。


元々ボーカルの彼とは日本でも若いころ一度一緒にバンドしたことがあって、彼はこういうのやる時はかなり本気な人間だって知ってたから。俺もやるなら本気でやろうと。今も使ってるグレコのサンダーバードのベースをタイ人のバンドマンから中古で買って、最初はギターとドラムがまだいなかったから俺ら2人と、あとPCで録音してくれるタイ人の仲間との3人でデモ音源を作って、こっちのパンクとかバンド音楽に詳しそうな街や場所に行ってさ。

その時ナイトマーケットの中でライブしてるのをたまたま見て知り合いになったのがTrix ‘O’ Treatというタイ人のロカビリーバンドで、そのメンバーが知り合いのギターを紹介してくれて、そのギターが後に彼の地元仲間のドラムを連れてきてくれてという感じで本格的にグリードの活動が始まった。
メンバー変わったりコロナ自粛でライブができない期間なんかもあったけど、今でちょうど7年ぐらい活動してるかな。

THE GREEDのボーカル、COGAさんのインタビュー記事もアップしているので読んでください!




4, in THAILAND


4, in THAILAND



仕事は日本にいた頃からグラフィック関係をずっとやってて、タイでカフェをやったりコンタクトレンズを売ったりなんかしてた事もあったけど、基本はずっとグラフィックの制作の仕事をしてる。


海外って大変だって聞くこともあるけど、タイに来て、大変な思いっていうほどの大変な経験は俺はあまりないかも。カフェやってるときに同じスペースで英会話スクールやってた相手と揉めて、警察後ろに引き連れて呼び出しくらった事とかはあるけど、、タイ語も1年ぐらいタイの学校行って勉強してたこともあるけど、女の子と話してれば自然に話せるようになると思う(笑)。

日本で一度辞めたバンドもタイで今やれてるし、まぁ奥さんもタイで出会ったタイ人だから、タイに来て良かったと言えば良かったかもしれない。タイに来ないでそのまま日本にいても良かったんだろうけど、もしもを考えてもアレだしね。

今、ここで、何をするか。




5, 自分証明


5, 自分証明


俺個人はグリードってバンドを続けている理由の一つとして、バンドマンとしての自分自身の証明がしたいというのもある。


バンドとしての活動もだけど、自分のバンド人生で何をやり遂げるか?っていうそういうのもあって、多分自分自身がいい年齢になってきたのも理由の一つだと思うし、俺なんかはバンド以外で、それと言って人に見せられるというか語れるものも無い。一度は音楽から離れたこともあったけど、日本の頃からバンドだけは本気でやってきたつもりだから、やっぱりバンドマンとしての自分のゴールというか、ここまでやったぞっていう爪痕みたいなものはちゃんと残したい。


音楽って、特に俺らがやってるような音楽って、やろうと思えば死ぬまでやれるかもしれなくて。だけどそういうんじゃなくて、バンドマンとして自分がどこまでやれるのか?で、どこまでしかやれないのか?

明確な順位はつかないかも知れないし、こういう音楽の立ち位置って実は曖昧だったりもするんだけど、ちゃんと答え合わせはしたい。


グリードというバンドもかもしれないけど、ベースをやってきた自分自身のゴールもいつかちゃんと知りたい。その中で野球で言えば甲子園みたいな大舞台に出られない選手で終わってしまうなら、それはそれで仕方ない。ただ出れるかどうかの真剣勝負はちゃんとやって、ちゃんと勝ち負けの答えみたいなのは知りたい。

MAD3とも今回こうやってタイで一緒にライブをする機会があって、MAD3ってちゃんとこの世界で勝負して証明してるバンドでしょ。それはすごい事だし、同じバンドマンとしてカッコいいなって尊敬の思いもある。俺もそういう勝負ができるバンドマンでいたいと思ってる。

答え合わせを楽しめるほど、自分は真剣にやってきたのか。







文章直していただいたとこもあるんですけど、すごいアツくて臨場感ありますよね。わかりやすくてカッコいい。
タイで出会えた貴重な経験のひとつですね。

次回はTHE GREEDのボーカル、COGAさんの回です!ぜひ続けてご一読お願いします。
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