ずぼらなわたしの編み出した、最強に手抜きな美術展ノート

美術展が大好きで、月に2.3回は行きます。
その時にいつも困っていたのが、展覧会で貰ったものの始末。半券、チラシ、出品目録…捨てたくはない、でも保存したくても上手に保存出来ない、とりあえずクリアファイルにひとまとめにするけど物はどんどん増える一方、気がついたらファイルはぱんぱん、端はファイルからはみ出しぐちゃぐちゃになっている…
一年前までそんな風だったわたしですが、ここ一年ほど作っている手抜き美術展ノートのおかげで最近はそんな悩みが解消されつつあります。ついでに曖昧になりがちな美術展の記憶も以前より思い出しやすくなり、いいことずくめ。そんなノートを先日少し公開したところ思いのほか反響をいただき、その中に「綺麗だけどこんなノート作れません」という声がありました。前述したようにわたしは本当にずぼらなので、記録ノートも手抜きのいい加減なものです。それがそんな風に見えるのかと驚きでした。そこでもしかしたら作り方が何かの参考になる方もいるのでは、と思いたち、ごく簡単にわたしのノートについて書かせていただくことにしました。

用意するもの
・半券
・気に入った美術品のポストカード(ミュージアムショップで購入)
・出品目録

下準備、というほどでもありませんが、鑑賞しながら目録に気にいったものについてだけ本当にちょっとしたメモを取っておくと便利です。

例えばこういった感じ。立ちながら書いているのでほとんど判読不明ですが、自分さえ読めれば良いのでこれで良いのです。ちなみにここには「遠目から気になった   VRみたい」と書いてあります。

こちらがそのメモを清書したもの。こういった一言メモさえあればしばらくノート作りを放置したとしても思い出すのに困ることがないため、忙しい時は思う存分放置することができます。わたしも忙しい時や気が向かない時は数ヶ月単位でほっぽらかしていたりします。

【作り方の手順】

1.日付を書いて半券を貼ります。その横に、展覧会全体について特に書いておきたいこと(わたしは何時頃に行ってどのくらい混んでいた、展覧会全体を通しての印象、音声ガイドを借りた時はそれについての感想等を軽く書いています)

余談ですが、貼るときにはテープのりがおすすめです。紙がよれないし、手も汚れないのでめんどくさい気持ちになり辛いです。

2.目録のメモを参考に、記憶をたどりながらよかった、気になった作品について短く書きます。高尚な感想を書こうとする必要はありません。思ったことを素直にメモしておいたほうが、あとから見返して楽しめます。気に入った作品のポストカードがミュージアムショップで売っていれば、それも貼り付けます。

<ずぼらポイント①> メモは短く!よほど気に入ったものであれば別ですが、基本的には作品のことを思い出す手がかり程度にとどめておきましょう。わたしは殆どの作品は一、二行です。展示で知ったことや作者の経歴、時代背景、画材、色んなことを記録したくなってしまう気持ちはとてもよくわかりますが、ここでターゲットにしているのはわたしのようなずぼらな人間です。最初の一、二回なら張り切って出来るかもしれませんが、それは恐らく続きません。三日坊主にならないためには、ここで労力を割きすぎないことが肝心です。

<ずぼらポイント②>
ポストカードを惜しまずに貼ってしまいましょう。気にいった作品のポストカードが必ずしも売っているわけではないので、無い場合は潔く諦めましょう。インターネットから画像をプリントして貼り付けた方が安上がりで好きなだけ絵をノートに挿入できますが、ずぼらな人間にはそんな手間暇をかけた作業を継続することはまず無理です。ポストカードを貼る、それが勿体なければ思い切って絵は抜き。個人的にはポストカードがあったほうが後で見返した時に華やかで楽しいですし、ネットから拾った画像よりずっと綺麗な色での印刷なので買う価値はあるかと思っていますが、お好みでどうぞ。

3.特に気に入ったチラシの一部分や展覧会で貰ったおまけのようなものなど、何か貼っておきたいものがあれば貼ります。

(例えばこういうもの。フィリップス・コレクション展で貰った謎のカードたち。)

4.目録を貼ります。


<ずぼらポイント③>
目録はたいていA4サイズですが、A4で美術展ノートに適した良いノートにはなかなか巡りあえません。なのでわたしはここだけ、ずぼらな人間にはかなりハードルの高いワンステップ「縮小コピー」を導入しています。これは困難で継続への道を阻むものですが、コツさえ掴めばなんとかクリアできるハードルです。
コツといっても簡単で、「今日はめんどくさいな」と思う時は目録を貼るページの枚数だけページを空けて置いておき、気が向くまでそこは空けっぱなしで次の展覧会のことを書いてしまうのです。目録はクリアファイルに入れておき、気が向いたときにまとめて縮小コピーしましょう。目録はメモ等と違って貼るのに必要なページ数が明確に決まっており、いつ貼っても大差のないものなのでこうした手段を取っても問題ありません。

これで出来上がりです。たったの4ステップ、ものすごく簡単ですが、意外と綺麗で見返すのが楽しく展覧会のこともかなり思い出せます。

先ほど既に書きましたが、続けるコツはとにかく負担を減らすことです。負担に感じる完成度を目指してしまうと記録は滞り、ノートは三日坊主に終わります。自分の力量に合ったノートを作りましょう。作業時間の目安はひとつの展覧会につき30分〜1時間です。始めてみてからもっと出来そうなら、様子を見ながら要素を増やしたり、色々なことを細かく記載したりすれば良いのです。まずはこのくらいのゆるさで、完璧を目指さず始めてみるのが継続のためのポイントです。

長々と書いてきましたが、わたしのノートは作品の感動を思い出すための手がかりとして作っているノートです。目的に合わせたアレンジは色々あるかと思いますので、一例としてご参考にしていただければ幸いです。

こんなにも手抜きなわたしの「ずぼらノート術」ですが、ノートの形になっているだけで見返しやすさが段違いですし意外と綺麗に見えるものです。わたしは旅行ノートも同じように「がんばりすぎない」を合言葉にまとめています。美術展に限らず何かの記録を付けたいすべてのずぼらさんにとって、このノートが少しでもお役に立てれば嬉しいです。

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