異分子としての感覚

高校生の頃から何となく、自分には一般的な社会生活は向いてないだろうと思っていた。週5日満員電車に揺られ、日中仕事をバリバリこなして夜は会社の人と飲みに行く、みたいな生活、考えただけで無理そうだ。

かと言って何か行動を起こすわけでもなく、普通に大学を卒業してそこそこ名のある会社に勤めて、それから何回か転職を繰り返した。

でもどうしても組織に属して雇われて働くことや、決められた時間に決められた場所で働くこと、そういったルールみたいなものに心のどこかで馴染みきれなくて、
そんなことよりも自分で何かを書いたり描いたりしたくて、
結局正社員を辞めてバイトをしながらこうして誰の役に立つのかも分からない書き物をする生活に落ち着いた。

変な話かもしれないが、「不公平だし、ずるい」と思う。
神様なのかこの世を動かす大きな原理なのか知らないが、そういうものがあるのだとしたらそれらに対して。
だって別に好きでこんな志向に生まれてきたわけじゃないし、取り立てた才能とかがない限り、正直どっちに転んでも生きづらい。サラリーマンレールに乗るのもイヤなくせに、それに乗らない人生は未知や不安だらけだ。

ときに強力な個性にもなるし、肥大なコンプレックスにもなりうるこの「異分子感」とこれから何十年も付き合っていくと思うと爆弾を抱え込んでいるみたいでほとほと嫌になる。

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