中禅寺湖をのぞむ別荘
日光にある中禅寺湖の周りには、多くの外国人別荘があった。明治中ごろから昭和初期にかけて、多くの外国人が日本にやってくる。ヨーロッパとは違って日本の夏は蒸し暑く過ごしづらい。東京の近くに避暑地を求めた彼らにとって、日光はオアシスだった。
イタリア大使館別荘
チェコ人建築家、アントニン・レーモンドによって建てられた、イタリア大使とその家族が使った別荘。森に包まれるようにひっそりと中禅寺湖を見つめている。市松模様になっている外壁が印象的だ。使われているのは杉の皮。
この建物は2019年の4月にリニューアル公開された。床板から家具までできる限り再利用して復元されている。そのせいか、なんだか誰かが長いあいだ愛着をもって使ってきたことが伝わってくる気がする。
中禅寺湖に面してソファが並んでいる。良く和室のホテルなんかにも窓際にイスとテーブルがあったりするけど、そこから眺める外の景色はなんだか特別な時間を感じさせたりする。
この別荘、なんと200円で入ることができるんだけど、魅力なのはソファに自由に座ることができること。旅行中にここで一休みするのも良いね。
設計者のレーモンドは先に紹介した大谷石を好んだフランク・ロイド・ライトの弟子にあたる存在。実はライトが帝国ホテルを建設する際に来日したのがレーモンドだった。
戦前から戦後にかけて東京を中心に幅広い作品を残した。モダニズム建築家の代表者だ。
中禅寺湖畔にはこの建物の近くにもう一つ見学ができるものがある。次回紹介したい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?