Welcome to 松井研究室!【後編】
こんにちは!松井研究室へようこそ。
前回に引き続き、情報デザイン学部、学部長の松井 俊浩先生のご紹介です!
【学生時代の思い出を教えてください!】
1976年、大学2年生の時に、マイクロコンピュータを知りました。8ビットの6502マイコンボードが11万円、秋葉原で売られているメモリは1kバイトで1万円でした。どうしてもそれが欲しかったので、マイコンショップでアルバイトをしました。メモリはそんな量では足りず、ディスプレイ回路を作ったり、キーボード、テープ、プリンタ、フロッピーなどのために、ずいぶんバイトを続けねばなりませんでした。感覚的には、今(2023年)の10倍以上の値段でした。
マイコンボードには、ほとんど何もプログラムが載っていませんし、プログラムしようにもOSも、プログラム言語処理系(アセンブラ)もありません。貧乏学生が大きな投資をした以上、使えるようにしないと元がとれません。それでいろいろなプログラムを機械語で作りました。カセットテープにデータを読み書きしたり、プリンタをドライブしたり、キャラクタディスプレイをテレタイプのようにさせたり。大学3年から4年になる頃、マイクロPLANという小さな言語のコンパイラを実装しました
(https://github.com/Titanium-Mutex/Micro-Plan )。それからは、いろいろなプログラムをちょっとした高級言語で記述できるようになりました。
4年生の後期、卒業研究のテーマには、このマイクロPLANのコンパイラの改良を選びました。ここに来て、趣味で始めたマイコンが、学業に役立つことになりました。コンパイラの記述には、富士通の中型機のPascalを使わせてもらいました。すでに機械語で十分に勉強してあったので、卒研は、鼻歌交じりで楽しく進めることができました。
【入学してくる学生に一言お願いします!】
昔は、無線機を作る、模型ヒコーキを作る、マイコンを作る、プログラムを作る、ゲームを作るなど、何でも自分で作らなければなりませんでした。しかし、作ることは楽しく、また作ることで、部品の違いや入手法、組み立て方や修理の方法などたくさんを学ぶことができました。今は、何も作らずとも、完成品が安く手に入るようになりました。
これから生きて行くには、二つの道があります。今あるものよりもっとスゴイ、新しいモノを作るか、作られたモノを組み合わせたりうまく使って新しい価値を作り出すことです。新しい価値を作るには、一から何かを作らなければならないこともあるでしょう。みなさんは、世にあるさまざまな便利なモノを楽しく使うだけでなく、新しい便利なモノを作り出すことと、便利なモノをたくさん使ってもっと素敵な使い方を創造できる力を身につけて欲しいと思います。
松井先生、ありがとうございました!