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心理系大学院に行くまでの勉強

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2021年2月の記事一覧

心理系大学院に行くまでの勉強

エロス・タナトス

フロイトはばんね、自傷行為や無差別殺人といった快楽原則と現実原則だけでは説明のつかない行動を説明するために、タナトスという概念を導入した。すべての生物は自分が生まれる前の無機物の状態に戻ろうとする欲動があるという。このような死の欲動がタナトスである。対して、性的欲動や自己保存欲動といった、生きようとする本能的な生の欲動をエロスと読んだ。

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昇華

フロイトが最も重要視した防衛機制の1つが昇華である。昇華は抑圧されている社会的、文化的に認められない欲動を、認められる行動を置き換えることで満足させる心の動きを指す。つまり、置き換えの健全なバージョンである。性的欲動を芸術に向けたり、攻撃的欲動をスポーツに向けるといった行動が代表例と言える。

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つづき

逃避…空想、仕事、ギャンブル、病気などによって、現実と向き合うことから逃げようとする心の動き

退行…現在の自我の状態ではうまく問題解決ができなくなり、子供の頃の自我の状態にさか戻りして問題を解決しようとする心の動き

投射…自分の中にある受け入れがたい欲動と同じ欲動を相手が持っていると考え、それを非難することで不安を解消しようとする心の動き

置き換え…抑圧された感情を別の対象に置き換

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防衛機制

自我は、常にエスから浮上してくる欲動に晒されている。そのため自我は自らの崩壊を防ぐため、色々な心理的防衛策をとっているとフロイトは考えた。
この心の働きを自我防衛機制という。防衛機制における自我の働きは、意識的に、またしばしば無意識的に行われる。防衛機制には、抑圧、反動形成、同一化、合理化、退行、昇華といった様々な種類がある。

抑圧…不愉快な体験や記憶を無意識の領域に押し込み、忘れよ

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エレクトラコンプレックス

女の子のエディプスコンプレックスはのちにユングによってエレクトラコンプレックスと呼ばれた。

3〜6歳の女の子は自分にペニスがないことに気がつくがそのうち生えてくると信じる

母親に愛情を抱くが母親にもペニスがないことに気がつく

ペニスを渇望し不完全な形に産んだ母親を憎む

かわりに父親を愛す

女の子の場合父親を長く愛し強力な超自我は生まれにくいとフロイトは

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エディプスコンプレックス

人間行動の主な原動力は、性的な欲望だとフロイトは考えた。フロイトによれば、男の子の場合3〜6歳(男根期)くらいになると、母親と結ばれたいと無意識に考えるようになる。そして、母親の愛情を独り占めしたいという気持ちから父親を疎ましく感じ始める。しかし父親は強く太刀打ち出来ない。もし自分の気持ちを父親に知られたら大変である。子供は心の葛藤を経て、やがて母親を諦めて潜伏期にはい

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リビドー

本能的なエネルギーである性的欲動をフロイトはリビドーと呼び、リビドーが人間の主な原動力だと考えた。フロイトによれば、生まれたばかりの乳児にもリビドーは存在し、発達とともにリビドーは口唇期、肛門期、男根期、潜伏期、性器期と変化していく。各時期に見合った性的欲動がうまく満たされると、リビドーはスムーズに変化していく。

リビドー(性的欲動、性的快楽)が変化する過程

口唇期…0〜1歳…口唇

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つづき

自我は生まれた時から存在するわけではなく、人間の本能的な欲動を含むエスとそれを抑圧するために後天的にうまれる。自我つまり私は、確固たるものではなく、常にエスに突き上げられている不安定なものである。

エス…乳幼児にあるのは本能的なリビドーを蓄えた無意識の領域であるエスのみ

自我の誕生…女の子に父親への愛情が芽生え、男の子に母親への愛情が芽生える

エレクトラコンプレックス…女の子は

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エス 自我 超自我

フロイトは心を意識、前意識、無意識の3層に分けて考えていたが、のちにエス(イド)、自我(エゴ)、超自我(スーパーエゴ)、の3層に分けて考えるようになった。

理想原則{超自我…道徳的、社会的な自我で、しばしば自我と対立する
↓←自我を抑制
現実原則{自我…エスと超自我を調整する主体
欲動↑↓←エスの欲動を抑圧
快楽原則{エス…本能的(性的)な欲動

エスは本能的な欲動であるリ

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つづき

他にも、動機が不明な行動や思いつき、些細な言い間違い、夢などは、全て無意識が原因だとフロイトは言う。

ex)無意識に忘れたい記憶を避けてしまう、無意識に過去に親にされたことと同じことをしてしまう、幼い頃に出来なかったことを夢見る、むやみに何かを怖がる

フロイトは心を意識・前意識・無意識という3つの層に分けて理解した(局所論)。そして、普段は無意識の中に抑圧されている記憶が、何かの拍子

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無意識

永らく、自分の行動は自分で理性的に決めていると考えられてきた。ところがフロイトは、人の行動の大部分は理性でコントロールできない無意識に支配されていると主張した。

精神科医であったフロイトは、神経症状のひとつである健忘症を研究する過程で、無意識の存在に気がついた。個人の忘れたい記憶は無意識の中に仕舞い込まれ、普段は意識出来ないようにされている。ところが時に、神経症状となって現れることがあ

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洞察学習

ゲシュタルト心理学は、構成主義にだけでなく、外部からの刺激に対する反応だけで人間を理解する行動主義にも疑問を投げかけた。ケーラーが行った実験で、チンパンジーは試行錯誤の結果ではなく、状況を全体(ゲシュタルト)的に見通し、瞬間的な洞察(アハ体験)により問題を解決したからである(洞察学習)

洞察学習…チンパンジーは、試行錯誤せずに状況を全体的に洞察して、瞬時に問題を解決した。

つまりチ

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図と地

ゲシュタルト心理学の形成に大きな影響を与えたルビンは、手前に浮き出て見えるまとまりとしての形を図、背景に広がって見える部分を地と呼んだ。有名なルビンの壺の絵の場合、2つの顔を図と見たらその他の部分(壺)が地、壺を図と見たらその他の部分(2つの顔)が地となる。人は図と地の分化(分離)によって形を認識している。

図と認識されやすい条件の例
・小さい方の形が図となりやすい
・閉じた空間を持つ

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経験の要因

知覚から得る情報にノイズが多かったり、逆に情報自体が少なかった場合、経験が認識に大きな影響を与えることがある。これを経験の要因という。例えば、崩れた文字のかたちから本来の文字を予測出来るのは、読む人の経験によるものである。また、騙し絵の内容が人によって違って見える要因も、個人の経験が影響している。

今日短い。でもきりがいいのがここやねん。