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君が恋をしたなら vol.5「合コン」

ふ『ねぇ、車でヤってたでしょ』

私『え?なにを?』

なにを?なにを?なにを?って、答えながらわかった。

私『し、し、し、してないよ!』

ふ『ふうん。ならいいけどさ。』

私『なんで急にそんなこと!?』

ふ『ならいいんだけどさ。車が揺れてたから。』

あー、と思い出す。

そういや、ユキトがジャンプしたりして車が揺れてたっけ。

ふ『尻の軽い女にはなるなよ』

ボソッとふみが言う。


私だって尻軽女にはなりたくない。

キスも『それ』に入るのかな…。

もしかしたらユキトにそう思われたかも?


私『尻軽と思われたかも〜〜ぉぉ(泣)』

ふ『キスくらいなら、まあ、セーフじゃない?』

落ち込む私にそう答えた。




次の週末は合コンの予定だ。

彼氏のいないふみ・弥生が彼氏を作るべく企画したもの。

弥生の職場の人たちとご飯食べて…。の予定だ。二人ともやけに念入りにメイクしている。

私は普通のまま行こうとしたら、呼び止められた。

や『あんたそのまま行く気じゃないよね?』

私『えっ?』

ふ『このまま行ったら私ら二人だけが気合い充分に見えて恥ずかしいだろっ!』

というわけでフルメイクすることに。

洋服は、もうどうしようもないので、私一人ジーンズという、なんとも格好がつかないものになった。



予定時間より少し早めの合流。

男1『三人とも可愛い!』

男2『うんうん、超ヒットだよ!』

男1『三人とも可愛いなんてなかなかないよー!』

男3『お前らがっつきすぎ!』

三人とも好青年だ。

男1なんて、顔が私のドンピシャタイプだった。


でも、今日の私は違った。

これがユキトだったらよかったのに!

しゃべっていても、このツッコミ、ユキトならこうなのに…。


ユキトのことを考えてしまう。


男2『まゆりちゃんはおとなしいんだねー』

いいえ、そんなこたーありません。

男1『俺、まゆりちゃんストライクゾーン!』

そんな会話もあまり耳に入らず、へらへらと相づちをうっていた。


全員酔いが回ってきて恋愛談義に。


男3『俺って女運ないんだよね…。』

いよいよ盛り上がってきたそのとき。


♪明日今日より素直にな〜れる〜♪

ハッとした。

『今なにしてるの?』

汗がぶわっと吹き出す。

『今友達と飲み会してる』

いそいそと返事を送る。

すぐに返事がきた。

『今日何時ごろくるの?』

ええーっ!くること前提に話が勝手に進んでいる。

いくらなんでも、今日は断らなきゃ…。第一、飲んでるし。

『今日は無理。ごめん、飲んでるし』

これでいっとき返事はこな…。


♪明日今日より素直にな〜れる〜♪

『電車でくればいいやん』


その手があったかーー!!!


『何時までかかる?待ってるよ!』



このメールが来てから、私はそわそわしだした。

トイレに意味もなく何回も行ったり、携帯をいじったり。

この異変にふみが気づかないはずがなかった。


ふ『どうしたの?』

私『ユキトが会いに来いって…。』

ふ『断ったんだよね?』

私『それが、何時でもいいから待つって…。』

ふ『今日は前から約束してたでしょ?だいたい、飲んでるし行けっこないじゃん』

私『そそそ、そうでした…。って、電車で来いって…。』

ふみはギロリと私を見ると、

ふ『まゆは私たちとユキト、どっちが大切なん?』

私『そんなこと…。比べられないよ』

ふ『この後カラオケがあるから、行くこと。』

とにらまれた。


私は

『やっぱり抜けれないよー(泣)』

とメールしたが

『来ないと今度から遊んでやんない』

とメールが来たきり、シカトされ始めた。



居酒屋をでて、カラオケに…行くところを、

私『すみません、どうしてもな急用が入っちゃったので!』

と言い切ると、駅へと走った。

走ったら酔いがまわって気持ち悪くなったが、一件のメールに気づいた。

ふみからだった。

『まゆりのバーカ。うまくやってこいよ』

こんなことくらいで泣きそうになった。


電車がきて、乗り込む。

ユキトにメールを送る。

『今電車に乗ったから!』




やっぱりシカト。




そうこうしてるうちに駅に着いた。

『駅に着いたよー』

しかし、15分たってもメールが来ない。


30分経ったがメールが来ない。

『ユキト、お願い、返事して〜』

だんだん焦りだす。


一時間が経過し、終電になった。

これを逃すと帰れない。

どうしよう!



『待ったぁ?』

聞き覚えのある声。

ユキトだ。


『待ったぁ?じゃないよ、一時間も待ったよ』

勝手に涙があふれる。


ユキトは頭をぽふぽふなでてくれる。

それだけで幸せだった。


マルオの車で移動する。

『カラオケいこうぜ』


どうして毎回毎回カラオケになるのかわからないが、とりあえずカラオケへ。


酔ってる勢いもあって、珍しくユキトに甘える私。

膝枕をされたまま、髪をなでられていると、いつの間にかうたた寝していた。

ユ『いつもこんななら可愛いのになぁ』

マ『それはお前のわがままだろ』

ケ『でも、まあ、可愛いんじゃない?ユウタ的には』

え?ユウタって、誰?

起き上がろうと思ったけれど、ここはしばし寝たふりをすることにした。

ケ『だいたい年齢まで嘘つく必要あんの?』

ひぇー、年齢うそなの?


さすがに寝たふりがきつくなってきたとき、ユキトが気づいた。

ユ『起きた?』

私『うん…。ごめんね、寝ちゃってた。』


この日は始電までみんなでわいわいと過ごし、電車で帰宅した。

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