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上田法について「心地よい生活」のために何ができるかを考える

HAMTマガジンで「多職種連携」担当のすぎやんこと鍼灸マッサージ師の杉下辰雄です。いつも購読していただき誠にありがとうございます。

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医療的ケア児との関わり方について

読者の方の中には、医療的ケア児という呼び方や存在を初めて知ったよという方はまだ多いのではないでしょうか?
それだけ、在宅鍼灸師という仕事をしていても、同じ在宅領域とも言える医療的ケア児に関わる機会というのは、多くはないのかもしれません。

僕は、鍼灸マッサージ師になって7年が過ぎた頃、どうしても効果を出せない症例に出会いました。低酸素脳症により寝たきりになった10代のお子さんです。

マッサージやストレッチでは効果がなく、そもそも肘を伸ばそうにも伸びず、マッサージをしても緩まない。まさに打つ手なしの状況でした。そんな中、

上田法
を学ぶことで、医療的ケア児の施術に関して、少しずつ実績を上げられたことで、訪問看護ステーションからの新規依頼が増えるようになりましたが、まだまだ学ぶことも多く、正直なところ手探りの状態です。

これまで、10年以上医療的ケア児に関わってきた経験をお伝えしつつ、僕自身も学びながら、読者の皆さんからご意見や感想を頂き、一緒に在宅鍼灸師やマッサージ師も含めて「医療的ケア児との関わり方」について何ができるのかを考えていきたいと思っています。

そこで、まずは僕が医療的ケア児に関わる大きなきっかけにもなった上田法について簡単にご紹介したいと思います。

上田法について

上田法は1988年に小児整形外科の医師である上田正氏(現:愛知県立心身障害児療育センター 第二青い鳥学園名誉園長)が開発した治療法です。
上田法治療は、脳性麻痺児や成人の脳血管障害後遺症などの運動障害等に対して有効で、これまでに多くの学会等でその治療効果が報告されてきました。

脳性麻痺などにみられる筋肉の過緊張(固さ、つっぱり)は、上田法で確実に和らげることができます。
しかもその効果は長時間にわたり持続します。筋肉の固さやつっぱりがとれると、
手・足・からだのゆがみや変形が矯正され、運動機能が短期日のうちに向上します。
上田法は5つの基本手技(表)と4つの補助手技から成っています。

1989年には、上田法治療研究会が発足し、会の機関誌である上田法治療研究会会誌が発行されています。
会の事務局は愛知県三河青い鳥医療療育センター内にあります。

また、1991年には、第1回日本上田法治療研究会学術集会が東広島で開催され、その後毎年、全国各地で開催されています。

上田法治療研究会HPより

1989年に第一回上田法治療認定講習会が愛知県で開催し、その後毎年全国各地で開催されています。1992年に看護師や特別支援学校の教員、福祉施設の支援員などを対象とした上田法認定講習会(多職種)も開催されるようになり、全国に普及しています。

その後、2011年にドイツ、2016年から大韓民国で講習会が開催されるようになり、世界に普及し始めています。

また、技術向上に治療手技のサポートを目的に、アドバンストコース(上級コースに改称)が2008年から開催し、クライアントに対して、より良い治療が受けられるようサポートしています。

上田法治療研究会認定講習会テキスト理論編より

僕は2010年に上田法認定講習会(多職種)を受講し、その後2019年に鍼灸マッサージ師として初めてアシスタントインストラクターになりました。

「心地よいこと」と「努力する」ということ

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