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医療的ケア児と小児在宅医療について

HAMTマガジンで「多職種連携」担当のすぎやんこと鍼灸マッサージ師の杉下辰雄です。いつも購読していただき誠にありがとうございます。

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小児在宅医療とは?

皆さんは、小児在宅医療と聞いてどんなイメージを持っていますか?

在宅鍼灸師であれば、2025年問題に向けて地域包括ケアシステムの概念が提唱されてきたことはご存知だと思います。

65歳以上の人口が、全人口に対して7%を超えると「高齢化社会」、14%を超えると「高齢社会」、21%を超えると「超高齢社会」と呼ばれます。

健康長寿ネット

日本はすでに2007年の時点で超高齢社会に突入し、2025年には30%を超えると言われています。

そんな超高齢社会の日本において、在宅で高齢者の介護をする家族の負担を軽減するため、介護保険制度が整備され今も多くの利用者が利用しています。

医療的ケア児を取り巻く環境はどうでしょうか?

厚生労働省「令和元年度 障害者総合福祉推進事業」の資料によると医療的ケアが必要な児童は全国に1万8千人いると言われており、その中でも多くの医療的ケア児が在宅医療を受けながら自宅での生活を送っています。

医療的ケア児の問題は、新生児集中治療室(NICU)に長期入院している患者が増加し、NICUが満床であるために緊急入院が必要な妊婦や新生児の入院ができないという問題から始まったと言われています。

そうした患者が、新生児病棟から転出、退院させる動きが促進され、人工呼吸器を装着したまま転出する児が急増し、これらの3分の2は呼吸器管理を続けながら、在宅医療へと移行したと言われています。

また、新生児以降にも外傷や虐待、脳炎、脳症や原病の進行で小児集中治療室(PICU)での治療後、医療的ケア児となる子供も増えています。

このように、在宅医療をうける医療的ケア児が増える一方で、自宅で介護をするご家族への負担も問題になっています。

医療的ケア児が地域共生社会の一員として地域で生きていくために、それを支える小児在宅医療について考えていきたいと思います。

医療的ケア児について

医療的ケア児編が始まった時の記事もご確認ください。

毎年その数は、医療の発展とともに増えており、医療的ケアが必要なお子さんを抱えてご家族は常に不安との戦いです。

実際に医療的ケア児と言っても以下のように細かく分類されており、それぞれに必要な医療的サービスの内容も公的な支援も変わってきます。

医療的ケアを必要とする障害児への支援に係る報酬の取扱いについて (児童発達支援・放課後等デイサービス)

そのため、我が子が医療的ケアが必要な状態と分かった時、その複雑さゆえに戸惑う親御さんも多いと思います。

現在、僕が担当している医療的ケア児は5名で、内訳は2歳が2名、6歳が1名、7歳が1名、10歳が1名です。それぞれ、人工呼吸器を装着しているお子さん、歩行器で歩けるお子さん、日常生活は送れるが心肺機能の先天的変性により急変のリスクがあるお子さんなど多種多様です。

厚生労働省 資料から

国も取り組みを始めています。そのための法整備がようやく一歩ずつ歩みを始めたところですが、現場にはまだ実感として、届いていないのが現状です。

そこを、在宅鍼灸師の皆さんにも知ってもらいたいのです。

前回、医療的ケア児にとってのケアマネとして「医療的ケア児等コーディネーター」のお話をしましたが、現場としては、訪問看護ステーションの看護師さんでもどこにいけば医療的ケア児等コーディネーターに会えるんだろう?という話をよく聞きます。

このように、これから地域が社会が国が動いていく時に、鍼灸師が、あん摩マッサージ指圧師が、小児在宅医療を支える役割について一緒に考えてもらいたいのです。

僕と同じように、医療的ケア児に直接関わっている人はもちろんですが、肩こり、腰痛で通院されている方も、ひょっとしたら医療的ケアが必要なお子さんを家で支えているかもしれません。そんな視点を持ち、何ができるかを共に考えて欲しいのです。


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