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働く意味と職場の価値を考える---経営者はエンゲージメントスコア向上と言わずに、職場でのやりがいの充実を追求しましょう。働く人たちは今の仕事に主体的に関与することを目指しましょう。

私たち一人ひとりにとって、「働きがい」や「やりがい」を感じられる職場環境は非常に重要です。そうした職場こそが、モチベーションを高め、能力を最大限に発揮できる場所になるからです。


「静かな退職」は役員の中にも


以前から気になっている静かな退職。

終身雇用制度が強い日本ではとても起きやすい現象ではないかと思っています。静かな退職現象は適切な評価と密接な関係がありそうですが、その評価は承認欲求でもありやりがいと自信とつながるものです。

日経の記事によると「働きがい」「やりがい」問題を背景にした静かな退職現象は役員にも広がっています。

NEC三井化学などが従業員の「エンゲージメント」(働きがい)を役員報酬に連動させる仕組みを導入した。日本の主要企業で2023年の導入数は前年の2倍の24社に増えた。役員報酬や情報開示で「人的資本経営」の観点が広がり、業績だけでなく幅広いステークホルダー(利害関係者)を重視する経営に移行しつつある。

NECなど、役員報酬を「働きがい」連動 導入企業は倍増

エンゲージメント向上と言わずに職場での働きがい・やりがいに取り組もう


まず何より、自分の価値観や適性に合った仕事内容であり、職場の仲間、会社、そして社会に対して何かしら役立っていると実感できることが大切です。

NECは23年度から業績に連動する賞与の2割をエンゲージメントスコアにひもづけた。人材コンサルティングのキンセントリック社の調査スコアを使う。同社のスコアは海外を含めて多くの企業で採用されている。NECは25年度までに上位4分の1に相当する50%に高める目標を掲げる。

NECは「誰もが主体的に考え、新しいやり方を次々に試せる企業風土へ文化を変える」としている。社長と従業員の対話集会、キャリア形成の講座や社内での人材公募などに取り組み、22年度の36%からスコアを高めていく方針だ。

三井物産は23年3月期から業績連動の2割を非財務指標と連動させた。基準の一つとして採用されたのがエンゲージメント調査での肯定的回答率の増減だ。ニッスイは21年度から30年度までにエンゲージメントスコアを20%高める目標を掲げ、達成度合いなどを役員報酬に連動させている。

NECなど、役員報酬を「働きがい」連動 導入企業は倍増

エンゲージメントというカタカナではなく職場における働きがいややりがいの定義をするべきです。
つまらない単純作業の繰り返しでは、やりがいは生まれません。しかしつまらない単純作業の中にも改善のヒントがあります。
そしてそのヒントを現実のものにうするにあたり自分の経験やスキルを活かせる仕事であれば、充実感につながるはずです。

日本でエンゲージメントという言葉を企業側が使うとどうしても企業への忠誠というニュアンスが入ってしまいます。自分の責務への主体的な関与がエンゲージメントです。
社員一人一人がやるべきことと成果への関わりをアップするということを重要視すべきです。

インターナルマーケティングの重要性


同時に、上司や同僚からの適切な評価を受けられる環境も欠かせません。一生懸命働いているのに、全く評価されなければ、やりがいはなくなってしまいます。報酬面での評価はもちろん、精神的な部分での称賛や承認があれば、さらに仕事へのモチベーションが高まるでしょう。
社員との業務を通じた企業への関与度アップでインターナルブランディングという言葉が好んで使われる傾向があります。
しかし社員という大事な人的リソースをマネージすることを考えるのであればインターナルマーケティングという視点を持つべきです。

リソースマネージメントの観点からも、キャリアアップの機会が、きちんと用意されている必要があります。
個人の働き方、キャリアに関する要望に会社が応えてくれて、成長につながる研修や配置転換などがあれば、「この職場で将来を描ける」と前向きに捉えられます。キャリア形成支援が適切に行われているかが、「やりがい」の有無に大きく影響します。

そして何より大切なのが、コミュニケーションです。上司や人事部門から、会社の現状や展望、自分に期待されている役割などをしっかりと伝えられているかどうか。一方的な押し付けではなく、意見を言える関係性があれば、より信頼できる職場になるはずです。
「対話」をするスキルを磨いていくべきです。

そして、リソースの最適化・活性化においては安全で健康的な労働環境も不可欠でしょう。
過重な残業を強いられたり、ハラスメントが横行するような職場では、決して「やりがい」は生まれません。従業員一人ひとりの人間性を尊重し、メンタルヘルスケアにも配慮が求められます。

理想を言えば、こうした様々な要素が備わった職場に、誰もが憧れを抱くはずです。それは決して企業のためだけではなく、従業員自身の人生の充実にもつながるはずです。

企業側も、働きがいのある職場環境の実現に、真剣に取り組む必要があります。定量的な指標を設定し、役員報酬などと連動させ、経営の重要課題として位置付けることがポイントです。働き方改革は、企業の収益にも好影響を与えることでしょう。


やりがいのある職場を実現するためには、会社と従業員の相互理解が何より大切です。対話を通じて、お互いのニーズを共有し、建設的な改善につなげていく必要があります。そうした努力が報われれば、一人ひとりが幸せを感じられる、誇りの持てる職場になっていくはずです。

キャリアに主体的に関わる意識と行動を


「働きがい」や「やりがい」は、企業側がだけが追求すべき目標ではありません。
働く側がキャリアに主体的な関わり、やりがいを充実させることが必要です。主体的に変わる中で今の職場で自分にとって働く意味を見出せるかどうか、重要な点です。

そして今の職場に意味が見出せれば、キャリアゴールに至る過程であり、多様な人々との出会いや学びがあり、そのことで人生そのものを豊かにしていく時系列の中にいることに気づくはずです。
つまり自分のキャリアにとって価値のある職場ということになります。


企業も従業員も、そうした視点を忘れてはなりません。
「やりがい」のある職場づくりは、人生を豊かにする最初の一歩なのです。

今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。

それでは、また。



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