「飲むヨーグルト」終売ピンチで考える:「広告」をやめると起こる2つの問題と対策
Yahoo!ニュースの記事によれば「飲むヨーグルト」が終売のリスクに直面しているそうです。
「明治ブルガリアのむヨーグルト 900g」の製造・販売を終了
原因の一つとして、広告投資が行われていないことが指摘されています。
以下記事からの引用です。
この事例は広告の機能について考える良い機会です。
「広告」をやめると起こることについて考えてみましょう。
「広告」をやめると起こる2つの問題と対策
広告をやめることで起こる問題
1:ターゲット顧客へのリーセンシー効果やエンゲージメントの問題
コモディティ化したカテゴリーでは、ダラダラとマスメディアに出稿を続けることで認知を稼ぐ手法が使われます。
アッパーファネルを維持する方法として、アメリカのFMCG企業はこの手法を好んでいます。
2:流通での棚落ち問題
広告活動=企業のやる気と考える流通の人も多く、定番商品でも広告は重要です。
流通対策としての広告は、店頭動員力を持ったマス広告が好まれます。
広告しない製品は「やる気(売る気)のない製品」と見なされることがあります。
関わる「意味」の喪失
「広告」をやめたことで、買う人も売る人もその製品・サービスについて関わる「意味」を失ってしまいます。
どんなに優れた便益を持っていたとしても、その製品と関わる意味がなくなってしまえば、存在すら必要としなくなります。
「定番商品」であるからこそマーケティングが重要で、顧客との情報接点としてどうプロモーションを維持するかの設計が問われます。
プロモーション領域の設計を実施するためには費用(マーケティング投資)が問題になります。
広告投資費用の確保が課題であれば対策は販管費の見直しから
テレビに代表される広告投資の金額は確かに大きいですが、販促に関わる領域の効率化が進んでいないことが意外と知られていません。
企業によってはマーケティング部門とセールス部門がそれぞれ独立した組織になっており、統括した費用管理ができていないことが多いです。
原価高→広告費の確保ができないということではなく、ビジネスモデルに戻り、組織を横断して製品・サービスにおけるPL上の販管費での確認と改善が必要です。
これがマーケティングマネージャーの仕事とも言えますが、必ずしも組織的に機能が備わっているわけではないので、むしろ外部機関が関与する方が目的に対して中立的な見解と適切なアクションが導き出せます。
販管費全体の見直しを
原価高で販管費の中で広告費用を確保できないのは短絡的です。
「広告が機能する」製品であれば、どうやってその費用を捻出するかが課題となります。
マーケティング投資費用を適切に確保するためには、販管費のアロケーションを見直す必要があります。
プロモーション・広告関連領域の洗い出し
意外かもしれませんが、細かく費用を見直していくと、企業全体のカタログなどを含む印刷費が問題となることが多くあります。印刷費をしっかり見直しましょう。
印刷会社を変えなくてもプロセスマネージメントの導入で効率化は可能です。
印刷単価のコストカットではなく目的達成にいたる効果の最大化を追求すると、印刷プロセスと保管方法を見ていくだけでも効率化ができます。
解決の仮説
経験上、飲むヨーグルトのような大きなカテゴリーでは、販管費のチェックで20%程度の効率化が見込めるのではと仮定しています。
この効率化された20%を広告投資に充てることで、上記の「意味の喪失」問題を解決できると想定できます。
まとめ
印刷費の効率化
販管費の中で広告費を確保するために、まずは印刷費を見直してみましょう。印刷プロセスや保管方法の効率化を図ることで、コストを削減する方法があります。例えば、印刷会社を変えなくても、プロセスの改善や在庫管理の最適化を行うことで、コストを削減できます。
販管費のリ・アロケーション
販管費のアロケーションを見直し、広告費を捻出することが重要です。具体的には、非効率な費用を削減し、効率的に資金を再分配することが必要です。例えば、飲むヨーグルトのような大型カテゴリーでは、販管費のチェックを行うことで、20%程度の効率化の余地があるかもしれません。この20%を広告費に充てることで、上述の1と2の問題を解決することができます。
広告を停止すると、ターゲット顧客へのリーセンシー効果やエンゲージメントの低下、流通での棚落ちという2つの問題が発生する可能性があります。
しかし、アッパーファネルを維持する戦略や流通対策としての広告戦略を取り入れ、販管費の見直しから広告費を捻出することで、これらの問題を効果的に解決することができます。
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今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。
それでは、また。
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