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カンヌライオンズの季節は広告の未来について考える良い時期だ。

広告代理店が広告会社を名乗るようになり、インターネットが登場するころからついにクリエイティブ産業を自負するようになった。

でも、そのクリエイティブ産業は一体誰に何を売っているのか、一向にわからない状況が続いている。クリエイティブやクリエイティビティの(日本語での)定義は人任せで、その曖昧さゆえにギリギリで産業として成立しているのかもしれない。

インターネットがもたらした速度は、伝統的な大きな広告代理店の存在とその仕事の仕組みを脅かすだけでなく、広告を生業とする独立した小さな会社を生み出した。

そして、デジタル技術によって解放されたこの小さな会社たちが広告の仕事を愛しているのかは定かではない。

得意先の企業活動支援の仕事よりも自分たちの話題作りに忙しい人たちが、大きな会社にも小さな会社にもたくさんいる。

かつて得意先の営業支援に役立った型落ちの武器を倉庫にしまいながら「効果と効果」に戸惑い、「時間と費用」について嘆く、AIの恐怖にいたずらに苛まれるおいぼれたちにとっても、カンヌライオンズの季節は広告の未来について考える良い時期だ。

SNS上で広告に携わる人たちのそれぞれの立場を見ることができる。

未来に何が待っているのか、それは誰も知らない。世の中の人が全く興味がない自称クリエイティブ産業の混乱はしばらく続くだろう。

その渦中に身を投じながらも、せめて創意工夫を力に、得意先に知恵を売ることで生計を立てることができる毎日であってほしいと思う。


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