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積極的な「ひとり」…。その意識と行動について:博報堂生活総合研究所「ひとり意識・行動調査 1993/2023」から


はじめに

博報堂生活総合研究所の「ひとり意識・行動調査 1993/2023」を読み、その内容から現代の「ひとり」に対する意識と行動の変化について考察します。個人が変わり、人と人との社会的な距離も変わりつつある現代において、「ひとり」のあり方がどのように変わってきたのかを見ていきます。

「ひとり」の肯定的な捉え方の増加

1993年と比較して、2023年の日本人は「ひとり」をより肯定的に捉えるようになりました。

これは、ソロ活動や一人での趣味を楽しむ人が増えたことによります。

特に若者の間では、一人で映画を観たり、カフェで過ごしたりすることが普通になっています。「ひとり」が自己成長やリフレッシュの手段として受け入れられています。


博報堂生活総合研究所「ひとり意識・行動調査 1993/2023」より

社会的距離とオンラインの影響

SNSの普及により、人と人との物理的な距離が縮まりましたが、心理的な距離感は多様化しています。
オンライン上でのつながりを重視する一方、オフラインでの深い人間関係を求める人も多くいます。

この現象は、1993年には見られなかった新しい傾向です。
例えば、友人とオンラインゲームを楽しむ反面、週末には家族と過ごす時間を大切にするなど、多様な人間関係の在り方が見られます。

「ひとり」を選ぶ理由とその背景

自己成長やストレスの軽減を求めて「ひとり」を選ぶ人が増えています。
特に、職場や学校での人間関係に疲れた若者が、自分だけの時間を過ごすことでリフレッシュし、エネルギーを補充するケースが多いです。

また、他者との距離を保つことで自己を守る意識も強まっています。
「ひとり」でいることが自分を見つめ直す大切な時間となっています。

「ひとりでいる方が好き」:博報堂生活総合研究所「ひとり意識・行動調査 1993/2023」より

孤独感と社会的孤立

もちろん、孤独感や社会的孤立を感じる人も依然として存在します。
特に高齢者層では、ひとり暮らしの増加に伴い、サポートの必要性が高まっています。
この問題に対しては、地域社会や行政による支援が求められています。


ひとりで行ける空間の変化:博報堂生活総合研究所「ひとり意識・行動調査 1993/2023」より

まとめ

1993年から2023年にかけて、「ひとり」の意識と行動は大きく変化しました。
現代において「ひとり」でいることは、単なる孤立ではなく、自分のための積極的な選択肢となっています。

サードプレイスとしての喫茶店:博報堂生活総合研究所「ひとり意識・行動調査 1993/2023」より

この変化を受け入れ、より豊かな社会を築くために、私たちは新しい人間関係の形を模索していくことが求められています。

まだ通信の時代の到来を誰もはっきりと理解していなかった1988年のKDDの広告、オノ・ヨーコさんを起用した「人の間にKDD」を現代の設定でつくりなおすとどうなるか、とても興味があります。
もし2024年の「人の間に」を表現する機会があれば、時代とともに変わる「ひとり」と「つながり」の象徴的な例となるでしょう。


参考:筆者によるサマリー: 

博報堂生活総合研究所の「ひとり意識・行動調査 1993/2023」
博報堂生活総合研究所の「ひとり意識・行動調査 1993/2023」は、30年間にわたる日本人の「ひとり」に対する意識と行動の変化を詳細に分析しています。1993年と2023年を比較することで、現代の社会的・文化的変容を浮き彫りにしています。以下はその主なポイントです。ひとりのあり方の変化: 1993年に比べ、2023年の日本人は「ひとり」をより肯定的に捉えています。ソロ活動や一人での趣味を楽しむ人が増加し、特に若年層でその傾向が顕著です。

社会的距離の変化: SNSの普及により、人と人との物理的な距離が縮まる一方で、心理的な距離感は多様化しています。オンライン上でのつながりを重視する一方、オフラインでの深い人間関係を求める人も増えています。

「ひとり」を好む理由: 自己成長やストレスの軽減を求めて「ひとり」を選ぶ人が増えています。また、他者との距離を保つことで自己を守る意識も強まっています。

「ひとり」のネガティブ面: 孤独感や社会的孤立を感じる人も依然として存在します。特に高齢者層では、ひとり暮らしの増加に伴い、サポートの必要性が高まっています。

博報堂生活総合研究所「ひとり意識・行動調査 1993/2023」より

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今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。

それでは、また。


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