見出し画像

広告しよう!エージェントとしてブランドを創ろう!

改めて”Marketing”ってなんだろう?そして"広告"の果たす役割はなんだろう?と考えました。


きっかけはこのツイート/Xです


改めて”Marketing”ってなんだろう?と考えました。
きっかけはこのツイート/Xです。

ここに改めて内容を書き出します。

"Bad marketing values promotions. Good marketing promotes values."
Simon Sinek


日本市場の「失われた30年」で広告代理店に期待されていた成果のひとつが「荷を動かす(配荷を増やす)」ことでした。
マーケティング活動の一部である広告活動に与えられていた役割が「いかに流通を活性化するか」、つまり流通対策でした。
デフレ環境において広告費が販売促進費用として使われていたという理解ができるかと思います。
ご存知の通りですが、日本の広告費(メディア費)の全体を見渡すことはできます。

日本の年間の広告費用は7兆円強(電通調べ)


複雑な流通業の性格もあり日本の年間販売促進費用を把握することが難しいと言われています。そこで以下の資料からその傾向を掴むことにしました。
日本国内では税制上は広告費と販促関連費用は区別されます。
時間がある時にこちらの観点で資料を作り分析をしてもよいかもしれません(どなたかお願いします笑)
少し古いものですが以下をご覧ください。

販促会議:グラフでたどるプロモーションの20年 2017年7月


この資料から日本の販促関連費用は日本の広告費と同じくらいの規模まで成長していると推察します。


広告の役割を考えよう


Marketingの4Pにおいては広告はPromotionの領域を担うものです。
デフレ経済環境であっても、広告は「Promotion」領域を担います。
しかし、日本の過去30年においては「販売手段を告知する」ということに優先順位がおかれていました。つまり手段が目的となってしまっています。

最初の問いに戻ります。

Marketingにおいて広告がPromoteすべきValueとは何か?


それは「Brand(固有の価値)」ではないか?というのが僕の結論です。
ところで、日本のブランド界隈で「パーパス」という言葉が好まれて使われていますが、個人的には使われ方に違和感を感じます。
企業の存在意義と昨今のブランド活動で言われるパーパスは異なる気がします。パーパスは企業にとっての北極星であり、ずっと追い続けるものです。言語的には「人を幸せにする」みたいに抽象化されてしまいます。大事なことは具体的にどんな商品やサービスを顧客に届けるかということ、届けるだけではなくそこでエンゲージ面すること、その届ける価値でエンゲージするための価値の一部に広告があります。

この辺りは上述のSimon Sinekさんが提唱している「ゴールデンサークル」理論を見てもらえるとよいかなぁと思います。https://www.ted.com/talks/simon_sinek_how_great_leaders_inspire_action/transcript?language=ja

話題がそれました。話を本題に戻します

伝える、理解してもらう、共感して使ってもらう、そして、発信してもらう


企業や製品の持つ固有の価値を顧客に「伝えていくこと」そして「理解してもらうこと」、最後は「習慣的に使ってもらうこと」がMarketingにおける広告の役割です。だからInsight(洞察)が重要なのです。
どんなに素晴らしい機能をもった製品でも、その価値はお客さんの心の中で決まります。だからミドルファネルにおけるエンゲージメントが問われます。SNSが発達した現代においては、顧客は情報発信者です。強いエンゲージメントは彼らの情報発信力を通じて世の中に広く拡散され、新しい共感を産んでいきます。

日常の生活をよくしていく上で、企業が果たす役割は大きなものです。
企業が提供するサービスは「Brand」として市場で認識されて消費されたり、文化の一部になります。

企業が行うべき活動は「将来的に世の中をよくしていく」ことであり、その活動を広報的・広告的にメッセージを出し続けることで顧客との情報接点を増やしていきます。それは一緒に世の中をよくする「仲間」を増やしていく活動です。

未来をつくる


端折った言い方になりますが「未来をつくる」ことが企業活動に期待されていることです。ありていな表現ですが、今年度のカンヌ広告祭で高い評価を受けたAppleに象徴されるような現状を変えてくれるという期待感に溢れるグッとくる広告が日本市場では減っているのではないでしょうか?

未来をつくろう!と考えた時に企業の将来にわたる活動で重要になるものは「研究開発」です。
日本では「研究開発」費用が「横ばい」の状態です。
「日本の研究開発費用は約13兆円」(総務省による)

企業の研究開発費用は将来への投資ではないかと僕は考えています。
その費用の年間の費用は広告費と販促費の合計とほぼ同じくらいと想定できるかもしれません。その研究開発費が横ばいで、販促費が増加傾向にあり、広告費が販促の一部として使われているのが最近のトレンドと理解しています。

マーケティングへの投資


いわゆるグローバル企業はマーケティングにかかるお金をマーケティング投資費用的に扱ってマーケティングROIを測っています。日系の企業は引き続きマーケティングコストとして位置付けているケースが多いです。
日本の1990年代以降の不況のパターンを「バランスシート不況(RIchard Koo)」と分析してモデル化されています。

僕は経済学は専門ではありませんのでこのモデルについてはここでは言及しません。
CEO/経営者としての経験上PL管理が厳しい外資系企業においてもマーケティングを投資的な要素として位置付けている=将来への投資(つまり成長への糧)として役割を与えているように思います。翻って、日系企業は上述の広告の販促的な活用など、短期的なものとして扱ってきました。デフレ下のマインドセットを象徴するものかと思います。

ブランドパワー


世界のブランドランキングで日系企業のブランドパワーが落ちていることがしばしば言われています。

ブランド力はそのブランドを象徴するプロダクトやサービスが必要です。
日本からの世界的な先進性を伴うヒット商品の少なさを考えると「将来デザイン力」に課題があるように思います。日系企業のブランド力が苦戦する中で日本の広告業界から世界をリードするクリエティブが減ってきていることも認識しておく必要があります。

未来を創るための費用の一部は消費者が負担することになります。企業とそのブランドが持つValueに対して適正な費用を払う・適切な価格で買うことがインフレに転換する日本市場で起きることを期待しています。
インフレーションは値上げの時代ですので、値上げに値する価値をもった企業とそのブランドが生き残ります。
大袈裟な言い方をすれば顧客の期待に応え、一緒に世の中をよくしていく企業とブランドが選ばれることになります。

「喜んでお金を払ってもらえる」ブランドとそのためのブランドづくりを目指しましょう。

Be ambitious 野心を持って


世の中を活性化する=成長に貪欲な企業とそのブランドをエージェントとして顧客の心の中に価値を創る仕事、広告業の本質が改めて問われる時代がやってきました。広告はお得意先の企業活動・マーケティング活動の一部として商品・サービスを世に広く知らしめるだけではなく仲間を創っていく仕事です。広告が文化を創るという言われているのは企業のブランド活動の一部を担っているからです。

さあ、ブランドを創っていきましょう。


よろしければサポートをよろしくお願いいたします! みなさまのお役に立てるようにこれからも活動を続けます! 今後ともどうぞご贔屓に!