見出し画像

フォカッチャができるまで

こんにちは。暑くなってきて工房の気温と闘っていますThreebread店主です。

今回はフォカッチャのお話。
フォカッチャを売っているお店、盛岡では少ないです。パン作りをしている人たちには、比較的簡単に作れるパンとして有名です。
そんなフォカッチャの商品化までのお話です。


売れるパン

今の工房ができる前のイベントでの販売をしていた頃、岩塩を乗せたシンプルなフォカッチャは人気商品でした。
大きくて安かった、という理由もあったと思いますが…

ただ、シンプルなパンがいいというお客さんも多くいて、食事パンで商売をしていけると確信を持ったパンでもありました。

そのころのフォカッチャは教室で習った通りのふわふわな食感。
私の中でイメージが固まっていなかったのは事実でした。



フォカッチャって何?

工房を持つにあたって、人気だったフォカッチャもレギュラー商品にするつもりでした。

しかし、それまで作っていたものに納得していなかった私。そもそもフォカッチャのことをよく知らなかったんです。

フォカッチャは、食事の前に食べられるおつまみなんだそうです。お酒好きなイタリアらしい食べ物ですよね。

そして、様々検索する中でフォカッチャ専門店を発見。オーナーさんはイタリアで修行をしたとか。これは行ってみるしかない!ということで、早速東京行きのチケットを手配したのでした。



ふわふわじゃない!


お店に伺って食べたフォカッチャは、新しい食感でした。
知っていたふわふわではなく、噛み締めるタイプ。小麦の香りもよくします。
まさにおつまみ!

オーナーさんからもお話を聞かせてもらい、イメージが固まった私。
早速盛岡に帰って試作を開始しました。

いただいたフォカッチャは、生地の味が濃く、黄色の色が強いと感じました。
そこで私は、セモリナ粉を配合することでうま味や食感をイメージに近づけました。
完成したものは、噛んでいくと段々と感じる強い味わいがありました。納得のいくものでした。
今もそのレシピは変えずに作っています。



ネーミング問題

最初にお話しした通り、フォカッチャはパンを作る人たちにはメジャーです。
ただ、それ以外の人にはあまり馴染みがないです。

フォカッチャは上に野菜やハム、チーズなどを乗せたものも多く作られています。

当初、野菜を全面に乗せたフォカッチャを販売予定でした。しかし、夫から、全然見たことのないパンは買わないんじゃないか、といわれ…
思いついたのは、サラダフォカッチャ、という名前にすること。
これなら野菜が乗っていても違和感なく買ってもらえる。そう結論に至りました。

今はローズマリーと塩のみものをシンプルフォカッチャ、野菜が乗っているものをサラダフォカッチャという名前で販売しています。


日本とフォカッチャ

イタリアのように食事の前にお酒を飲む習慣のない日本。食べ方が難しいのかもしれません。

どんなふうにパンを食べてほしいかは、作り手としていつも考えることです。

私は主食として食べてほしいと思っています。
シンプルなものは白米のイメージ、野菜が乗っているものはふりかけご飯のイメージ。
そんな風に食べてもらえたら、作っている私は大満足です。

日本人は自分たちの文化に合うようにパンの形を変えてきています。
フォカッチャもそれでいいと思うんです。ここではThreebreadのスタイルでしょうか。

パンは食べ方に決まりはありません。自由に食べてもらいたい、それがThreebreadの考え方でもあります。

フォカッチャ片手に煮物を食べる、そんな光景があったら素敵だなと思っている店主です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?