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質問をいただいての考察

ヘアカラーしてもらってこの所るんるんしています。こんにちは、Threebread店主です。
今回は固いってなんだろうねお話。伝える難しさに悩んでおります。興味のある方はどうぞお読みください。


パンのイメージ

ハード系パン屋の当店、お客様に「このパンは固いですか?」と聞かれることがあります。
常々難しさを感じる質問というのがありますが、これもその一つです。

作り手の私としては、

「表面は固いですが、中は瑞々しいので固いだけではありません」

と答えています。
これ、パンの様子はきちんと伝えているのですが、きっとお客様の求めている答えではないのだろうなと思っています。

『固い』パンのイメージってどんなものなのでしょうね。きっとその人その人で違うと思います。

固いパン

固いパンの一般的なイメージとして、噛みちぎったり、咀嚼が難しかったり、水分が抜けて(なくて)ボソボソしたりしている、といったものが挙げられると思います。

当店のパンは、そうではないという自負があります。きちんとハード系並みの水分を入れているし、発酵にも気を遣い、きっちり焼いています。

当店は高加水ではないのですが、ハード系と呼ばれるパンとして標準的な水分を入れています。
発酵は、させすぎでも水分が抜けたように感じます。だからそうならないように。不思議なものですよね。
きっちり焼くということは、生地の水分を閉じ込めるということです。焼きすぎても水分は抜けるんですが、そうならないように調整しています。

何より作っている私自身が、所謂固いパンが好きではないのです。

でも、でもですよ、店頭に来たお客様にここまで説明することは難しく、また自分のイメージを否定されたように感じて気分が悪くなる人もいるかもしれません。

もしも

もしも、もっと単純な、菓子パンよりも固いですか?という意味だったら、確実に固いです。間違いないです。

私もそのまま「菓子パンより固いですよ」と答えたら、それは答えになるのでしょうか…ちょっと自信がありません。

様々なお客様と接しているが故、皆さんパンへのイメージ、期待がことごとく違っていて、抽象的な質問に明確に答えることがとても難しいのです。
これは、パン屋に限らず色んな職業の方が感じていることではないでしょうか。

〇〇より固いですか?みたいな聞かれ方だと、もう少し答えやすいのかな、と思ったりもします。

ここまで書いて悩んできましたが、質問される方の意に沿うように答えようとしている事に無理があるかもしれないと気づいたような気がします。

固いけど固くないと言って興味を持つかはお客様次第だし、食べてみたら答えは分かるのですしね。

こうやって一つ一つ成長していけるように、私は店頭に立っていた方がいいのだと思います。夫にはよく言われるのですが、作り手と直接話せるパン屋ってなかなかないよって。

これからもどんな質問でも悩みながら答えていこうと思うし、もちろんどんな質問でもお受けしたいと思っています。
色んなパンを食べていただけるように。これからも沢山のパンを作っていきますね。

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