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バゲットを調整しています


夏休みの宿題が終わるか不安を感じてきました。こんにちはThreebread店主です。
今回は今調整中のバゲットのお話。現在進行形なのでハッピーエンドになりませんが、お付き合いください。


上達したゆえ

本格的にバゲットを作り出して2年弱。このパンは、他のパンの群を抜いて成形が難しいです。
なにせ生地が柔らかくて、ちょっと刺激を加えたら気泡が潰れてしまいます。それを潰さないように、でもちゃんと留めて棒状に伸ばしたい。という矛盾だらけの成形です。

パン教室に行った時は必ずバゲットを復習してくるのですが、この2ヶ月くらいで成形が上手くなりました。先生にこれまで何度もご指導いただいた言葉の意味が分かりかけています。

手元が変わるとパンは変わります。
今度は成形が上達したために、クープ(切れ目)が安定しなくなりました。



次にやること


安定しなくなったクープ、一因は生地の力が弱いのではないかと仮説を立てました。

もともと当店のバゲットは小さめでした。これをもう少し大きくすればいいのかな、と思いついた私。生地の量が増えると単純に生地のパワーも大きくなるので、クープもよく開くようになります。

クープが裂けるのは、オーブン内での最後の膨らみの証拠です。生地が大きくなれば当然膨らみも大きくなって裂ける、という構図です。

さあ、早速レシピを計算し直して試作です。



単純ではない…


単純に量を増やしたからといって、そのまま同じようにはなりませんでした。ここまで繊細なのか…とまたバゲットのデリケートさを見せつけられました。

はっきり違ったのは、生地の硬さ。同じ水分割合では生地は硬く感じました。当然出来上がりも違ってきます。
味も少しぼやけてしまったように感じました。

が、まずは生地の水分調整が先だと思って、先日は1%水を増やしてみました。すると、今度は私の技術不足で成形に乱れが…
今度は0.5%の増量でやってみようと思います。

でもダメなことばかりではなく、水分が多かったので、香りがとてもいいバゲットにはなりました。ほんの少しの違いでここまで違いが出てしまうので、ここは職人の腕の見せ所ですよね。
私ができる最大範囲で調整しようと思っています。



イーストを変える


同時進行で違うイーストでも試作してみています。
長時間発酵に向いたイーストです。
このイーストで作るとバゲットらしい香りになります。私の好きな香りでもあります。

でもこちらのイーストで作るのは粉の配合も調整が必要だと感じているので、ゆっくり試作できたらいいなと。あまりに香りが変わるので、商品化するのは正直迷ってもいます。

私がいいと思ったパンを作って売る、というスタイルなので突然変更のお知らせをするかもしれません。そのときはあぁあれね、と思ってもらえたら幸いです。まずは完成させないとですね。



試行錯誤しながらではありますが、いいものを追求していきたいと思います。自分のアップデートもしたいので、早くパン教室にも、東京のスペシャルなパンを買いにも行きたいです。感染症のなるべく早い収束を待ち望んでいます。

目下の目標はバゲットの増量です。今月で間に合うように、感覚研ぎ澄ましてパンを感じていきたいと思います!


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