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ハード系パン屋の理由


カンパーニュの内層について努力中のThreebread店主です。
さて、今回はなぜ当店がハード系ばかり焼いているのかというお話。その理由を説明したいと思います。


ハード系とは

前にもお話ししましたが、ハード系ってそもそもなに?という疑問。
ハード系とは、砂糖、油脂を使っていないパンのことを言います。リーン(材料が質素)なパンともいいます。
バゲットやカンパーニュ、リュスティックなどおうちでも作られている方は多いですよね。

では、砂糖と油脂を使っていないとどうなのか…答えは、素材の味や香りをダイレクトに感じます。一番は小麦のそれです。

小麦って香り豊かです。銘柄によっても全然違います。作り手になると、さらによく分かるようになるんですよ。



おいしいパン


カンパーニュを初めて作った時、とても美味しいと感じました。それは、今思えば小麦の香り、味だったのだと思います。

パン教室での修業中も、ハード系パンのおいしさを改めて感じた私。そして、それらのパンの作り方の難しさ、奥深さも感じました。

ダイレクトに小麦を感じる分、作業工程の繊細さを求められます。そこに魅力を感じました。

よりおいしいパン、おいしい生地を作りたい。
その思いから、自分の作りたいパンはハード系なのだと思うようになりました。


パン屋としてのハード系


ではハード系のパン屋は経営的にはどうなのか、ということです。

一番のメリットは、惣菜系、甘い系と比べて材料はかなり少なくてすみます。
材料の在庫が少ないことで、保存スペースも最小限で済みます。材料の把握も比較的容易なので、調達作業も楽です。
1人でお店をやっている私には好都合です。

デメリットは、技術にコストがかかるとことです。
もちろんどんなパンでも技術のアップデートは必要なのですが、ハード系のパンは水分が多く柔らかいので、扱いが難しいです。すぐに傷んで膨らまなくなります。

そして、ハード系のパンは大きいことが多いです。生地が大きいということは、大きく膨らむということ。少しの手元の差が、出来上がりに影響します。

いつもアンテナを高くして技術を高めること、そして、それは急には高まらないこと。そこが経営的にはコストがかかる、デメリットといえると思います。



結果として

Threebreadの生地は数種類の粉をブレンドして作っています。
粉の香りををそのままパンをして焼き上げる。そこに職人としての楽しさ、パン屋としての意気込みがあります。

職人としての面白さ、経営的なメリット、双方から考えても、ハード系パン屋はいつも追求、変化していけるものだと思います。
そこがハード系パン屋を選択した理由です。

思いだけではパンはできないのですが、少しでも伝わるようなものを焼いていきたいです。
もうしばらくThreebreadがお届けするパンにお付き合いくだされば幸いです。
まだまだ探求続けてパン焼きますよ!


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