見出し画像

失敗カイザーと希望のディンケル食パン


久しぶりの通常販売で思ったよりもへとへとになっていましたThreebread店主です。みなさんこんにちは。
今回は、私の作ったパンについての考察です。ご興味ある方はお付き合いくださいませ。


失敗カイザー

当店で販売しているカイザーゼンメルとコッペは同じ生地で作っています。ドイツ、オーストリアのパンです。なるべく隔週でお出しするようにしています。お気づきでしたか?

先週末はこの2種類もメニューに入っていました。
でも、いざ焼いてみると、カイザーの形の5本線、コッペのクープが全然開かずに、パンの側面が割れてしまいました。ほとんど全部がその症状。

金曜日の時点では乾燥のせいかと思いました。工房、かなり乾燥が激しいんですよね。
でも、土曜日に気をつけながら焼いても同じ症状でした。

原因は…

金曜土曜に共通していたのは、窯入れ時の温度の低さでした。きっとそれが原因です。
ぬるい温度で窯に入れてしまったため、本来の温度が生地に伝わる前に表面が焼けてしまって、行き場のなくなった生地の力が、側面の割れにつながったのだと思います。

この解説で皆さんに伝わるか自信がありませんが、この通りの理由だと思います。生地が膨らもうとする力って物凄いんですよ。

敗因は時間です。
このパンは、当日にこねて発酵させています。当日朝に一次発酵まで終わらせている他のパンとリズムが違うんです。
そしてドイツパンはロジックのパン。きっちり時間で発酵が上がってきます。『その時』を逃すと失敗します。

他のフランス風のパンたちの完成時間を逆算してカイザーをこね始めるのですが、フランス風たちがのんびりしていると途端にダメになってしまいます。

いずれにせよ、私の生地コントロールの敗北です。悔しいですが、次に繋げたいと思います。楽しみにしていたお客様にもご迷惑おかけしてしました。


希望のディンケル食パン

先週末の販売時に、ドイツパンの販売に向けてディンケル(スペルト小麦・古代小麦)のパンを試作していました。
スペルト小麦のパンがドイツパンかと言われると、その通り!という自信がないのですが…(個人的にこの辺の事情はどうなっているのか気になります)

参考にしたレシピは、スペルト小麦でも数種類を混ぜていたのですが、私は一種類だけで作りました。
そのせいか随分水っぽい生地になってしまってパンの膨らみが少しおかしかったのですが、(上写真です)パンらしく焼けたのでとても嬉しかったです。

味も水分が多い以外はいい感じで、サワー種の旨味が効いていて美味しかったです。
ドイツパン販売に向けていい兆しとなりました。カイザーの失敗で落ち込んでいただけに、正に希望のパンとなりました。


私のパン作りはまだまだ成功と失敗が混在しています。人生みたいだなって思います。もしかしたら、この混在はずっと続くのかもしれません。
でも、パン生地の素直さと私の管理、この二つを頭に置きながらこれからも手元の生地と向き合っていきたいと思います。

パン作りは楽しいです。また明日もこねて焼きたい。楽しみながら頑張ります!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?