“渋谷すばる”にアイドルの概念を覆された話


2018年12月。
仕事に就いて2年目。まだまだ慣れないことばかりで上手くいかず落ち込んでいました。退勤時の車の中や職場の隅っこの倉庫で、1人で泣いてたこともしばしば。

落ち込んだときはいつも音楽に慰めてもらっていたのですが、好きなアーティストの曲(Mr.Childrenやthe pillows、米津玄師など)を聴いてもそのときは何だか気分が晴れなくて…。何か別のジャンルのものを求めるようになりました。
巧みな表現の歌詞やお洒落なサウンドの音楽ではなくて、もっとシンプルに、思いっきり笑いたい!誰かに励ましてほしい! 応援してほしい!
そんな気持ちが「関ジャニ∞ってなんか明るそうで楽しそう。CDレンタルしてみよっかなー」という思いつきに繋がったのかなと思います。

2019年1月頃、家の近くのGEOでアルバムをレンタルし始めます。
事前に知ってたのは「無責任ヒーロー」「オモイダマ」くらいだったのですが、初めて聴くものもみんな良曲で、あれ?これは期待してた以上にいいぞ、と。特にシングル曲の「がむしゃら行進曲」「罪と夏」「あおっぱな」など、明るくてノリのよいサウンドと真っ直ぐで前向きな気持ちになれる歌詞、関ジャニ∞の元気な歌声にすごく励まされました。
色々と聴いてるうちに、じゃあライブだとどんな感じなんだろ、と少し興味が沸いてきたのです。
でも、この時はまだハマってるわけでなく、ちょっと気になるかも、くらいの感じだったと思います。
そして何より、メンバー一人ひとりのことをよく知らないし、意識もしていませんでした。

だから、まさかこれから全力で推すことになるメンバーがこの時既に脱退してるとは、知るよしもなかったです。

2019年2月の初め。その頃にはネットで調べて、脱退の件は軽く知ってたと思います。
今じゃあり得ませんが、当時のまだハマっていない私は「まあジャニーズも人間なんやしそんなこともあるわなー」くらいの印象だったかと…。今文字打ってるだけでもめちゃくちゃ腹が立ったので、ちょっとタイムマシンに乗って自分をしばきに行ってきますね。
そんな無関心クソ野郎の私にも、ジャニーズのライブって見たことないけどどんなのだろう?という興味はあり、「関ジャニ∞ ライブDVD オススメ」と検索して引っかかったのが2013-14年のライブ「JUKEBOX」でした。

 

映像特典やらなんやら色々付くらしいが、なんだかよく分からなかったのでとりあえずBlu-rayの通常盤をAmazonでポチっと。お家に届いたのでリビングで鑑賞。
…とまあここまでが、渋谷すばるくんも関ジャニ∞も推してなかった私の最期の記憶ですね。無関心クソ野郎の私はこの時点で死滅しました。

JUKEBOXはバンドセットを組んだ7人が本来はダンス曲だった「ブリュレ」を演奏するところから始まります。最初の1曲だけかと思ったらそこから4曲連続でバンド演奏。関ジャニ∞がバンドをするのはなんとなく情報としてあったけど、ここまでがっつりやってるなんて聞いてなかった。
演奏面だと特に安田くん、シンプルにギター上手すぎてびびりました。いつも余裕がある感じで、手元をほとんど見てない時もあるし。村上くんがキーボードなのもなかなかびっくりしました。

…という中で特に度肝を抜かれたのが「宇宙に行ったライオン」という曲。ロックバンド「藍坊主」のベーシスト藤森真一さんからの提供で、「FIGHT」に収録されているアルバム曲です。関ジャニ∞の曲の中でもすばるくんが歌っているパートが特に多い曲です。Aメロとサビのメインを歌っています。

この曲の歌い出しの瞬間、私はすばるくんに惹きつけられて目が離せなくなってしまいました。全身全霊で、叫ぶように、瞳をギラつかせて歌う姿。突き抜けるようにまっすぐで、でも荒さもあって、とにかくパワフルでソウルフルな歌声。そのどれもが私が今まで勝手に思い描いていたジャニーズ像と全く違って、固定概念を全てひっくり返されました。ただただ圧倒されて、画面の前で立ち尽くす私。

ただシンプルに歌が上手いだけじゃない、この人は音楽に、歌に命を懸けてる人だと直感で伝わってきた。
あまりにも行き過ぎて、曲に入り込みすぎて、呼吸すら忘れてこのまま京セラドームの真ん中で死んでしまうんじゃないか、とすら思えた。

親が寝静まった後の深夜のリビングで1人「マジか……」と呟いた記憶があります。これは私がめちゃくちゃ好きなやつかもしれん、という予感が既にありました。

その日は、ライブの続きを見る前に巻き戻して何度も何度も「宇宙に行ったライオン」ばっかり見てしまい、入浴後にもう一度見てました。あまりに衝撃で、自分の目を疑いたくなったのかなと思います。その次の日も、そのまた次も、何度も見返して再生していました。

この頃は、退所後のすばるくんがどこで何をしているのか、所謂「生存確認」ができていない時期でした。いつ表舞台に戻ってくるのかもはっきりとしていません。そんな人を推すなんて茨の道すぎるやろ、と絶望する一方で、新しい宝物を見つけたような高揚感がありました。

そのあと、すばるくんの歌以外のところ、綺麗なビジュアルとか、独特なワードセンスとか、初老の伝説とか、さらっと出る下ネタとか、エイトメンバーとの関係性など、色んなことを知りました。どれも歌ってるときの感じとは物凄くギャップがあって、この人ずるいなあと思いつつも、そこも含めて好きになっていきました。
でも好きになればなるほど、彼が今関ジャニ∞に居ないという事実がめちゃくちゃ辛くて、あまりに遅すぎるロスに苦しんでる自分がいました。曲を聴くと泣けてきちゃうことも多々。6人の姿をテレビで観てもどこか目を逸らしてしまっていました。
その心の隙間を埋めるようにどんどん7人時代のライブ映像を集めていったわけです。その狂気じみた過程は前回書いてます。↓

その後、ソロデビューをしたすばるくん。もう関ジャニ∞のメンバーでない彼を推すことに躊躇いが無かったわけではないですが、2020年2月に「二歳」のツアーの静岡公演で初めて生歌を聴くことができました。ソロになった直後で、すばるくんも私たちファンも、今よりもどこか硬くてぎこちないところもあったと思う。だけど、関ジャニ∞に居たときと同じ、いや、それ以上の力強い熱量を込めて歌う姿に、本当に来て良かったと思いました。滞在先のホテルに帰った瞬間、原因はよく分からないのですが涙が溢れて止まりませんでした。
「二歳」のツアーの時のことはまた詳しく書けたらなあと思います。とても良い思い出です。

それからもう2年半が経ちます。
先日、2022年8月20日のサマーソニック。WOWOWオンデマンドで生配信を観ていたのですが、すばるくんのパフォーマンス本当に凄まじかったですね。ファン以外の方も盛り上がってくれていたみたいで嬉しかったです。アイドルに全く興味がなかった私がここまで好きになったんだから、すばるくんの歌は絶対音楽好きの人に刺さるはず!と思います。
7人の関ジャニ∞や「アイドル 渋谷すばる」を生で一度も見られなかった悔しさはこれからずっとあるんだろうなと思います。でも、すばるくんがどんどん進化して、いいパフォーマンスが出来てきているのを感じるし、ご本人もそれを自負しているようなので、これからが楽しみでもあります。
そして、5人の関ジャニ∞も相変わらず楽しくて面白くて心地良い雰囲気のグループなので、見守っていきたいと思っています。

あー、思ったより長くなりました。推しのことを語ると歯止めが効きません。
今回は主にすばるくんを好きになったきっかけについて書きました。JUKEBOXや二歳のことなどなどまだ書き足りないので、また書き殴りたいです。
こんな長文にお付き合いして下さった方がいましたら、ありがとうございました。また。

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