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memory no.2
遊覧船は、小さな海を切り裂いて進んで行く。
200足らずの人を乗せたこの船。なんだか、どこへでも進み逃げれる気がして、清々しく顔を出して笑ってやった。
この船を遠くから見ていた頃は、大きな海に佇む遊覧船を別世界のものだと思っていて、こんな気持ちになれるのならはやくから覚悟や素性を脱ぎ捨ててなにも持たずに飛び乗れば良かったと後悔した。
その世界はたったの50分で終わってしまうのに。それは遊覧船
memory no.1
16:30の曇り空
伸びた前髪が視界にチラチラと入り込む
扇風機の風と外から入り込む風
その間に私は居る
9月はどうしていいか分からない
8月を引き連れて行くこともできない
暑くもないし寒くもないけど
微熱みたいな気温に惑わされてしまう
湿気を含む重たいブランケット
絵を描こうと思った
いくらページをめくっても
白紙のノートは埋まらない
何も起こらない今日
お昼に食べたナポリタンが
一日の中で唯一