一橋大学卒業の文系から理転して人工知能研究者に!?高木優さん!

推定年齢は30代後半、まだ若いが准教授という役職にある高木優さん。人工知能と脳科学をミックスさせた研究をしている。私が彼を知ったのは、NHKのサイエンスZEROという番組だ。

彼の研究内容は、テレビ番組によるとこうだ。画像を人間に見せた時の、脳の反応部位と電気信号を正確に読み取る。その結果を人工知能が理解できるデータに変換して、人工知能でも同じような画像を生成させる。これを何度も繰り返すことで、人工知能の動作と脳の動きを比較して、脳の動きから人工知能の動作原理を推定することに成功した。

ChatGPTやGeminiを開発しているシリコンバレーの研究者は、当然、中身のロジックを知っているはずだが、私たち日本人にとっては、そのロジックはブラックボックスとなり、動作原理はわからない。そのため、AIはアメリカ一強の状態だ。それを突き崩す一つのちからになるかもしれない。脳の動きとAIの動きを比較することで推定するとは、そのアイデアは素晴らしい。

そしてもう一つ、私が驚いたことがある。それは、高木優さんが、実は学部時代は一橋大学経済学部だったことだ。理学部数学科や、バイオテクノロジーの専攻ではなかったのだ。

一橋大学はたしかに、数学に強い人が多いが、それはしょせん「文系にしては」という枕言葉がつくものだと考えていた。高木優さんは、そうではなく、おそらくトップクラスの数学スキルがあったものと考えられる。そうでないと、理転して人工知能研究者にはなれないはずだ。

このような、優秀な人材を育成しなくてはならない。そして、文系だから、などと諦めないで、チャレンジする姿勢も必要だ。

もう一つは、AIと脳科学など、複数分野の学問の融合だ。関係性がないと決めてかからず、複数の学問分野がつながることもあるということだ。

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