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ほんとはちゃんといるんだよ

✩うん

お父さんは話すことはほぼありません

こっちから話しかけても
返事は「うん」
返事がないことも多い

たまに「はい」って返事します

でも会話にうまいこと
返事が返ってくることもあって
「なっ」って相槌うったり
それが絶妙な相槌で周りを笑顔にしてくれます


周りが笑うと一緒に「はははっ」
って笑うこともあります


「今日はおやついっぱいあるよー」
「ケーキ買ってきたよー」
って言ったら
「はい」って言ったり
「はははっ」って笑ったりします

意味を理解してなくても
いいこと言われてるって言うのは
わかるんだろなぁ〜って思います

「ご飯おいしいね〜」
「楽しいね〜」
「幸せだね〜」

って言うと
返事の「うん」もちょっと明るい声になります

✩そんな私も

お父さんとの時間が長すぎて
イライラして余裕がなかった10年前

認知症のことをちゃんと知らなかったし
怖くて調べようとしなかった

どうなるかなんて知りたくなかった

最期なんて考えたくなかった

不安と隣り合わせの日々

とりあえずお父さんの言葉を否定してはいけない

そんなこと言われても、そんなうまくできない
どうしても訂正してしまって
間違ってることを正さないといけないって
結局、それが否定になる

そこで真面目な性格が出てきてしまう

今ならわかることも、できることもあるけれど
その時は難しかった

そこ真面目じゃなくていいねんでって
できたら苦労しないんだよねー


✩性格だから

もともとのんびりな私は
お父さんとの時間が心地よいです

ただ介護ベッドに座って
二人でボーッとして
適度にしゃべって
うとうとする

穏やかな時間は来るんだなぁ〜って
思います

すごくせっかちな人もいれば
すぐイライラしてしまう人
きっちりしないと気が済まない人
色んな人がいて
それがそれぞれの性格だから

周りがもっとゆっくりしたら?
落ち着いたら?
少しくらい適当でもいいんじゃないの?

そう言われても
なかなか長年染み付いた性格
習慣って抜けないからね

だから人の言葉に耳を傾ける
心配してくれてるんだよ

たまに素直に聞いてみる
何だかんだ言い訳つけて
自分を正当化する


この人に言っても無駄だから…
そう思われる前に
気付けたらいいよね


私には誰もいないって
言ってしまう人って
今までのこと振り返ったら
自分がそうしてきたことだと思うんだー


私もそんな時あったなーって
思ったので書いてみました

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