航海 3

それは無限の血縁関係を示す・・・。
和らげられたお前の主題において光は
大海原から撤退し そこで空が放り出す乳房は
波が立つたび 王たる資格を与えられる。
引き裂かれた水の道はわたしが巻き上げ
洗われて 軽々と
お前の側から離れた場所に撒き散らされる。
このとき 海はここへ向かって
手の遺跡を持ち上げる。

そして 膨張した黒い門から入ることを
許されて
(別な方法では全ての距離が差し押さえられてしまうのだ)
渦を巻く柱としなやかなペディメントを過ぎた先では
光と光は絶えず取っ組み合い
星と星は接吻し 波を波が飲み込んで
武者震いするお前の体を襲う。
ここでは
死は たとえこぼれ落ちることがあっても
いかなる大量虐殺も含意しない。
ただこの
唯一の変化のみが・・・。
夜明けから夜明けへと 投げ渡される険しい坂で
艶やかに 巧みに 歌は横断的な所属をする。

わたしに航海をさせてくれないか 愛する人よ
お前の手の中へ・・・。

ハート・クレイン

#詩 #海外詩 #翻訳 #文学 #海外文学

よろしくお願いします。頂いたサポートは詩集の出版に役立てたいと思います。