アスファルトの上で乾涸らびているミミズを見た。
突然の酷暑になった。
土の中から這い出たミミズがアスファルトの上でカラッカラのパサッパサになってしまっているのを目にするのは都会でアレ田舎でアレよくあることではないだろうか?
いや、むしろ田舎の方が少ないのかな? わからないけど。
正直、そこかしこで語られているお題ではあるが、ちょっと気になったので記しておくことにする。
さてミミズの方にピントを戻そう。
彼はこんなに熱くなる、炎天下のアスファルトの上を、たかだか数㎝の身で数メートルを渡るというのはなかなかの冒険なのではないだろうか?
人間で喩えるなら、渡ろうと思えば渡れるけど、途中でなにがあるかわからないけど、なんとか向こう岸に行きたい。
そんな冒険のような、探究心のような好奇心に駆られて思い切って川を渡る。
少なくともそれくらいの覚悟なり決意なりがあったのではないか?
さて。
それはそれとして。
彼(ミミズ)はなぜそんな危険な、あるいは命懸けの行為に出たのか?
元居た土地にすっかりエサがなくなって新天地を求めて旅立ったのか?
その道行きの半ばで太陽の熱によって水分を奪われ、その命が尽きたのか?
逆に元居た土地のなわばり争いに負けたか、もしかしたら天敵に遭遇して命からがら逃げるところだったのかもしれない。
もしも前者ならば、彼は強者であり挑戦者であり冒険者だ。
しかし後者ならば、彼は敗者であり逃亡者であり亡命者だ。
一寸の虫にも五分の魂とは言うが、3寸のミミズに十五分の魂と見るべきなのか?
彼の魂が高潔であることを、ふと願ってしまう夏の始まりだった。
なお、ミミズは水を掛けたら元に戻るとかいろいろあるだろうが、そういうのはここでは一旦なかったことにして欲しい。
以上。
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