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Modern Nancy Drew

いまのこどもについては知らないが,小学生や中学生になって外で遊ぶだけじゃなくて本を読むようになったら,夢中になる本というのがある.理科に興味がある人は『ファーブル昆虫記』や『シートン動物記』かもしれない.でも,物語が好きな人は江戸川乱歩とかズッコケ探偵団とか昔の子供は読んでいた.もう少し経つと,宗田理とかを読んでいたんじゃないかと思う.いまも読むのかどうかは知らない.

ぽっぺん先生というシリーズもあった.確か最初の頃はぼくも読んでいたが,確かだんだん難しくてついていけなくなったのを覚えている.『笑うカモメ号』だったか.ミステリーとしてはマガーク探偵団というアメリカの小説の翻訳もいくつかシリーズが出ていた.

でも,アメリカの子供にとってはたぶん,このマガーク探偵団ではなく,男の子ならHardy Boysで,女の子ならばNancy Drewが子供のヒーロー,ヒロインなんだと思う.そういえば,いまの英語では女性にもheroを使う時代になったから,男の子と女の子と決めつけるのもそろそろおかしいのかもしれない.時代は確実に進んだ.息苦しく感じると思うのかもしれないが,この件に関してはぼくは正しい方向に進んでいるとは思う.

話はそれたが,このNancy Drewの流れを組んだのが,いま思い返してみればVeronica Marsだったんだと思う.もうあれも随分前になってしまったが,よくできていたテレビシリーズだったと思う.ただ,どう考えても趣味で探偵やっているとしか思えなかったNancy Drewと違ってVeronica Marsも彼のお父さんも生活はカツカツさが漂っている.あれも時代だな,と思う.

あと,Nancy Drewとちょっと違うのは,これはたぶんミステリー/推理小説ものでの約束事なのだと思うが,探偵として起こった単発の事件を次々解決しながらも,より大きな自分が巻き込まれている大きな問題を解決するのがシリーズのテーマになっているのが昔のものとは違うんだろうな,と思う.これは名探偵コナン(アメリカではCase Closedという)でもそう.毎回の事件を片付けながら,元の体に戻ることとそれに関係ある黒の組織の問題をずっとひきずっているわけだから.


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