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Don't use questions.

話し言葉(spoken language)と書き言葉(written language)は当然のことながら違います.でも,どこが違うのかというとさっと答えられる人はまれでしょう.

どうしてもスラングとか口語表現をつかうかどうかに目が行きがちですが,もっと初歩的なことで両者の違いが明らかになる文法事項があります.疑問文です.

会話ならば,Yes/No QuestionsであれWh Questionsであれ,これらなしに会話を転がしていくことはほぼ不可能です.ルールは中学生のわりとはじめのほうで習いますが,それ以降あまり英語を使わなければ,ごくごく簡単に「何したい?」とか「何したの?」訊くだけの疑問文でも初歩的なミスをするのが普通です.少しでも英会話ができるようになりたくて,文法のやり直しをするならば,疑問文の作り方をきちんとできるかです.「関係代名詞や仮定法が会話ではあまり使われない」「いや,そんなことはない」のようなことを悩むのはもっと後にしてもよいぐらいです.

書き言葉の英語を読むときは,疑問文はあまりでてこないし,でてきても語順に注意しなくても意味が取れます.それでは自分が書くときはどうでしょうか.まあ,文脈にもよりますが,疑問文は使わなくてよいと思います.アメリカではレポートの書き方を教える先生が「自分は疑問文は嫌いだ/書くな」とはっきり云い切る人もいます.ぼくは,そこまでいうのはいいすぎだと思いますが,修辞疑問(rhetorical question)をうまく使える人はごくわずかで,「…ではないだろうか」というのは「…と思うのは当然でしょう.思わないとバカですよ.一応,疑問文にすることで,あなたに選択の余地を与えてあげるけどさ.私は大人だから」というニュアンスがでてきてしまって嫌味に感じます.まあ,hedge(言い切りを避けるぼかし表現)としてはit seems/appears thatとか助動詞とか使えば済むことです(これすら厭らしいと感じるネイティヴは結構います). 疑問文はやめたほうがいいです.特にあなたの英語の表現力(単に語彙・文法の習熟度ではない)が十分じゃないと感じている場合には.上の本の読者対象の学習者は絶対に使ってはいけません.だって,普通に「描写する」「意見を述べる」「説明する」「体験を物語として語る」ということに疑問文を使う必要がないからです.

それから,日本語の典型的なhedge表現「…したいと思います」の直訳らしい,(I) think (that) I want to…を文章の最後に自分の意思表明で使うのはやめたほうがいいです.意外にネイティヴは「これは良い表現とはいえないけれども,文法的に間違いとはいえない」と答える人が多く,どちらかというとそれなりに英語を勉強した日本人添削者をイライラさせるようです.文法的には間違えでなくても不要なことは確かなので,別の書き方ができるようにしておくことをお勧めします.

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