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Write in English with the Order of Meanings

15の論理展開パターンで攻略する英文ライティング』はなぜだかライティングの本と分類されないようなのですが,Amazonの全体的な順位では割といいところにつけているようです.といってもおそらく毎日2-3冊売れているぐらいのことだと思いますが,毎日3冊売れるのが1ヶ月続けばAmazonだけで90冊売れることになるので,それが2年続けばAmazonの売れ行きだけで増刷も…ということになります.もちろん売れれば売れるだけ印税が入ってくることは元より,これから出す本の企画が通りやすくなる(註・物書きとしては正直こっちのほうが大事です)ので,もっと売れてくれれば嬉しいことに変わりはありません.

この本はかなり英語学習が好きな人を意識して書かれています.「英語をなぜ勉強するのか」ということで悩まないような.でも,世の中にはそうでない人もたくさんいるので,そういう人を必要性で脅すのではなく,役に立つとか立たないのかどうでもよくて,英語ができようとできまいと,英語を学習すること/英語に触れることが味気ない日常生活の気休めになるキッカケを与えたいとぼくは思っています.だから,そういう本もこれからどんどん出して行きたいです.

ゼロから覚醒 はじめよう英作文』も一般的な大学入試用の参考書に較べると一歩引いて,「試験に直結する英作文のスキルを身に付けたいのかもしれないけど,ちょっとひと息おいて,書くことってどういうことなのか,書けないのはどうしてなのか先に考えてみましょう」というところからライティングの基本スキルを積み上げるスタイルで書かれています.あえて云うならば,「彼を知り己を知れば百戦殆からず(英語ではIf you know the enemy and know yourself, you need not fear the result of a hundred battles.)」ではないですが,自分のいまいる場所からはじめよう(すなわちknow yourself)というアプローチです.焦っている受験生の中にはイライラしてしまう人もいるかもしれませんが,著者としてはきつい受験勉強の中で「面白いな」と思ってもらえればと思って書いています.そのための仕掛けもたくさん入れました.

ゼロから覚醒 はじめよう英作文』はChapterの最後の練習問題が入試問題を使っていることを我慢していただければ,一般の英語学習者にもお使い戴けると思います.ただ,いま小学生用の作文や読書感想文の書き方を学ぶB5版のドリルが続々と出て,それが売れているようなので,ぼくはこの英語版のようなものを出したいなと考えています.

もし,そういうドリルを出すことができるとしたら,切り口はいくつかあって,その中の1つとしてやってみたいのが,「意味順」です.「意味順」についてはすでに『「意味順」で学ぶ英会話』を共著でだいぶ前に出しました.いまでもこの本はよく作ったな,と思っています.「意味順」を使って文法力をつけるだけならば,もっと新しい『「意味順」だからできる!小学生のための小学英語総復習ドリル』や『中学英語でパッと話せる! 「意味順」式 おとなの英会話トレーニング』などがありますが,『「意味順」で学ぶ英会話』の良さはダイアローグです.たぶん,それなりに文法力のある人でもこのダイアローグの音声だけを聴いてパッと内容を掴むことは難しいと思います.でも,スクリプトを見ると英語そのものはこれ以上ないほど簡単な英語になっています.バカにしないで音声を何度も聴いて,自分でも声を出す練習をする(その際,「意味順」を意識するとよいと思います)とシンプルな英語で会話をこなす力がかなりつくようになっています.この本音声はCDなので,ダウンロードできるようにしたいと思っているので,出版社リクエストしていただけると嬉しいです(著者が頼んでも効果はないので).

実は,意味順についてはもう2冊出しました.1冊はすでに絶版になっています.内容というよりもタイトルが『「意味順」で学ぶ英会話』と似すぎてしまい何だかわからない本として世に出てしまった,というのは失敗だったな,と思います.ただ,「意味順ボックス」の各ボックス内の語順はどうなるのか,ということを説明することを試みたので,他の「意味順」では扱っていないユニークなものになっていただけに残念に思っています.改訂版を出すべく,他の版元を探した時期もありましたが,見つかっていません.データはぼくのコンピューターに眠っています(註・興味がある出版社がありましたらご一報ください).もう1冊はこの絶版本の姉妹本ワークブックとして企画された本で,これも死にかけていましたが,Clover出版というところがご協力くださり,『「意味順」英語表現トレーニングブック』として刊行されました.極めてシンプルな作りの本ですが,これも簡単な英語で会話ができるようになりたい,という人には使える本だと思います.

いずれにせよ,「意味順」自体については考案者の名古屋外国語大学の田地野彰教授をはじめとしてぼくよりもずっとできる人がたくさん本を出されています.だから,「意味順」を使ってセンテンスを生み出すスキル単独では本来ぼくの出る幕はないと思います.だから,ぼくの本の場合は,「意味順」からスタートして英会話のやり取りにつなげるという本を出すことを意識してきました.

今度は,それを会話ではなくてライティング/英作文にできないかな,と思っています.すぐに英検の難関級とかTOEFLやIELTSに進んでしまうと,一般的な英語学習者にはハードルが高すぎるし,その層だと困っていることは文法ということはあまりないはずなので,その層はあまり考えていません.すでに.『15の論理展開パターンで攻略する英文ライティング』を出しているわけですから.興味があるのは,『ゼロから覚醒 はじめよう英作文』よりもさらに下.自分の身の回りのこととか最近起きたこと,考えていることとかを複数のセンテンスを使ってまとめるスキルを意味順ボックスを援用しながらできないかな,ということを考えています.まあ,出版社を見つけて企画を通すことが難しいかもしれませんが….

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