コンタクトセンターの現況とオペレータの生産性について
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コンタクトセンターの現況とオペレータの生産性について

こんにちは。バンドルカードを発行しているカンム社で、CS/業務プロセス周りをやっている平湯(ヒラユ)です。

直近でお問い合わせ対応が逼迫してしまったことがあり、改めて現場管理の見直しを進めています…。大きく分けて、体制管理のための問い合わせ数予測/管理、プロセス効率化による処理能力向上、の2つで、安定してお客様をサポートできるよう、集中的に取り組んでいます。

そんな状況で、今回はコンタクトセンターの現場寄りの記事2つをピックアップします。

・『What Contact Centres are Doing Right Now(Call Centre Helper)』
・『Boost the Service Rep Experience(Gartner社)』

What Contact Centres are Doing Right Now』:"Call Centre Helper" の読者に対して行われたコンタクトセンターの現況調査レポート
Boost the Service Rep Experience』:オペレータの生産性に関するレポート

コンタクトセンターの現況とオペレータの生産性について触れていきたいと思います。

コンタクトセンターの現況(What Contact Centres are Doing Right Now)

● 特定の分野のスペシャリストをつくる傾向にある

コンタクトセンターの取り組みとして、マルチに対応できるオペレータ育成のシェアが減っています。セルフサービス/自動化で簡単な回答ができるようになったことから、特定分野のスペシャリスト化が進んでいるようです。

スペシャリスト化は、少人数のセンターでは問い合わせ急増や欠員が出た際のカバーが必要なためなかなか実現は難しそうだなという印象です。が、効率化の観点では、問い合わせ種別に難易度を振り分けたほうが良いと思っているので、当社(10席未満)では現場改善の一つとして挙げていて、取り組む予定です。

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Multiskilling Continues Its Decline
One trend that has not been impacted by the COVID-19 outbreak is that fewer and fewer contact centres are multiskilling agents.
Only 81.7% of contact centres now multiskilling agents, the lowest figure we’ve ever recorded and the fourth year out of five that the percentage has dropped from the previous year.
This trend could well be down to self-service and automation taking away many of the easy contacts from the contact centre, which makes the agent role increasingly difficult. In response, more contact centres seem to be making agents specialists in one specific area.
出典:『What Contact Centres are Doing Right Now』

● 平均処理時間(AHT)を重要な指標とする割合が増加

顧客満足度(Customer Satisfaction)を最も重要な指標としてる状況は変わりませんが、平均処理時間(Average Handing Time)を重要とする割合が増えているようです。(2018年は31%)

人員を十分に確保できる可能性が低くなっているため、一人あたり処理能力の向上を重要視している傾向にあると思われます。処理能力を上げるためには、裏側の"オペレーション"をどれだけ最小リソースにできるかだと思っていて、分岐(= 判断タイミング)を減らすとか、画面遷移の数を減らすとか、作業依頼を簡便にするとか、細かにプロセスを見直す必要があります。(このあたりは別途、プロセス改善の話をまとめてしたい)

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Average Handling Time (AHT) as a Metric Continues to Rise
The percentage of industry professionals believing that AHT is a “very important” metric has grown to 44.2%. This is up from 31.9% in 2018.
This is likely because of the significant role that AHT plays in staffing calculations. Yet it could also be a signal that contact centres are focusing on lowering the metric as a result of the increased contact centre demand brought on by the pandemic.
Interestingly, service level is now deemed to be of greater importance than last year too, with 72.0% of survey participants now believing it to be a “very important” metric.
出典:『What Contact Centres are Doing Right Now』

● ワークフォースマネジメント(WFM)はスプレ管理がなお主流

WFMをスプレッドシートで管理しているセンターが多いようです。ちなみに、1割は紙 / ホワイトボードとペンでやってるみたいです。予測誤差も10%以内が半数以上で、各センターは「正常にできている」という評価をしているようです。

誤差が大幅にあるとか波がある、とかでないのであれば、新しくWFMシステムを導入する必要はないかな、という判断になりそうですね。WFMにどれだけリソースをかけてやっているのかにもよりますが。
当社は少人数なので、委託先がスプレで管理してくれています。とはいえ、センターが逼迫した際には当社メンバーも稼働できるように予測とモニタリングはやっています。

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Spreadsheets Still Dominate WFM
Over two-thirds of contact centres (66.8%) are still using spreadsheets for WFM. Many will use these in combination with an Erlang calculator – a tool used by almost half of contact centre operations.
While many of these contact centres will be happy to continue using spreadsheets for WFM, it is very tricky for most to add flexibility to schedules, unlike in many modern WFM systems.
Perhaps most surprising is the old pen, paper and whiteboard combination, in use by 13.4% of contact centres. Old-fashioned methods do sometimes work remarkably well.

Over half of the industry professionals that we surveyed (53.3%) reported that their contact centre forecasts were accurate to within 10% over the past month.
Another positive finding from this poll is that only 7.9% of contact centres had a forecast accuracy that was more than 20% off.
出典:『What Contact Centres are Doing Right Now』

(今回は数点のみ抜粋してますが、上記のような調査結果が30個弱挙げられていて面白いのでぜび読んでみてください。)

オペレータの生産性について(Boost the Service Rep Experience)

● 生産性に影響を与える要因はシステム/ツールとのやり取り

スーパーバイザー(SV)のサポートや事前のトレーニングも影響はありますが、恒常的に悪影響を与えるのはそもそものオペレーション部分(今回でいうとシステム/ツール操作の部分)であるというのは、そうだなぁと思います。じわじわズレが生じてくるため気づくのが遅くなって、使いこなせているのは一部のベテランだけ、みたいな状態はとてもコストのかかる仕組みです。
また、複数のツールを使う =画面遷移が増えることは事務ミス要因にもなるので全くもって望ましくないですね。

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Of all these factors, one has the largest impact on rep productivity: Reps’ interactions with systems and tools.

n=2,024 frontline reps from 351 teams, 29 companies Source: CEB analysis; CEB 2018 Frontline Rep Productivity Survey
出典:『Boost the Service Rep Experience』


●「オペレータがユーザーに集中できる環境」をつくるべき

”サービス組織の成功はオペレータと顧客の2人にかかっており、サービスリーダーはそのどちらでもありません。サービスリーダーは、どうすればオペレータの生産性を高めることができるかを考えるのではなく、オペレータが顧客を助けることに集中するのを邪魔しているものは何かを考えるべきです。”(『Boost the Service Rep Experience』より引用)

これはとても大事な観点です。評価するときはCPH(cost per hour)で測ると思いますが、改善施策を考える際はいかにオペレーションしやすい・働きやすい環境をつくるか、という観点が重要です。変に小難しいオペレーションを新しく追加したり、無理にトークスクリプトを短縮したりするのではなく、シンプルでストレスのないプロセス構築を心がけるべきです。

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Service leaders spend considerable time thinking about the customer experience and how it translates into increased loyalty. They talk about why it’s important to feel empathy for the customer, but often fail to turn that around to think about their own reps who sit on the frontline. Reps are crucial to ensuring a high-quality customer experience.
“The success of the service organization comes down to two people, the rep and the customer, and service leaders are neither of those people,” says DeLisi.
“Instead of asking how to make reps more productive, service leaders should consider what’s standing in the way of reps’ focus on helping customers.”
Rick DeLisi, Principal Executive Advisor, Gartner
出典:『Boost the Service Rep Experience』

● オペレータが仕事をしている様子を研究し、オペレータの声を聞くべき

現場オペレータの声を聞くことはやっていたのですが、物理的に離れていることもあり、実際の対応までは見れていませんでした。ただ、本当に実際に体験してみないとオペレーションを理解しきれないので、一日でも体験することは非常に重要です。(自分もできてなくて、偶発的に経験するタイミングがあったのですが、エフォートレスとか言ってる場合でないほど現行プロセスが煩雑であることを目の当たりにしまして、各プロセスを一つずつ見直しすることにしました…。)
現場も十分な時間を取って振り返ることができているわけではないので、どうしても改善のヒントが根本から遠くなってしまう傾向にあるかなと思います。それを掘り下げるのにも時間がかかってしまうので、原体験から打ち手を練ったほうが効率的です。

また、ポイントとして、異なるオペレータの同一作業をモニタリングすることで、「何がうまく行かないのか」を把握しやすくなるとレポートで語られていました。

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Service leaders can’t possibly know what changes are needed without getting up close and personal to the rep experience. To identify near-term actions service leaders can take to help reps focus their time and attention on the customer, service leaders should consider two approaches:
1 Study reps as they work.
2 Create channels for reps’ voices to be heard.

Watch multiple reps
Many organizations observe reps, typically following a single rep through the course of a day or two. Webster Bank did something a little different. Instead of only watching one rep, Cynthia, they watched Cynthia and her co-workers Jade and Micah perform one workflow. Webster Bank is onto something here — watching multiple people do the same thing not only gives you more insight into how reps get things done, but also shows patterns across reps that help uncover true obstacles in the observed workflow and solutions for improving the rep experience. Watching different people do the same thing gives insight into what works and what doesn’t. And as a service leader, the “what doesn’t work” is the place to start.
出典:『Boost the Service Rep Experience』

冒頭に話したとおり、問い合わせ体制管理の見直しを進めています。問い合わせの予測はこれまでも当然やっていましたが、変数特定が甘かったのが要因な気がしています…。これまでの実績を参考にいくつかアタリがついてる変数を検証して整備しようと思っています。
が、管理自体のリソースは最小化していきたいので、WFM周りの情報はアンテナを張って見ていこうと思っています。

おわり

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バンドルカードのカンム社。CS/オペチーム。