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次は台湾が危ない~中国の強硬姿勢が止まらない(番外編)

先週まで、三週にわたって台湾問題の緊迫化について連載しました。

(1/3)において、台湾問題については、G7首脳会合(サミット)においても、必ずや宣言に盛り込まれることが予想されますと書いていましたが、13日に発出された宣言では、以下のように盛り込まれました。

「我々は、台湾海峡の平和及び安定の重要性を強調し、両岸問題の平和的な解決を促す。」

もちろん、外相会合において宣言に盛り込まれていて、首脳宣言で盛り込まれなければ、中国の行動に対し、G7が消極的に容認したかのような印象を与えます。したがって、このように盛り込まれたのは当然といえば、当然でしょう。

ひとつ注目したいのは、その「盛り込まれ方」です。

首脳宣言には、細かな項目名はつけられていないのですが、文脈として、ウィグルや香港といった中国の国内における問題についての言及とは全く別の箇所で台湾については言及しています。

いずれも、「グローバルな責任及び国際的な行動」という、とても広いアジェンダを取り上げる大項目の中には入っているのですが、台湾については、ウィグルや香港とはかなり離れて、その間にロシアやアフリカ、中東、北朝鮮やミャンマーについて言及した後に、インド太平洋への言及の中で述べています。

実は、これはG7外相会合の声明でもそうだったのですが、台湾の問題を中国の国内問題とは切り離して取り上げる姿勢が示されています。このことは、中国が主張し、これまで国際社会が受け入れてきた「一つの中国」の考え方との関係で、微妙なズレがあり、意図的なものを感じさせます。

こういった声明の案文については、細かな文言と同時に、全体の構成、順序など、各国の外交当局の間で非常に綿密な調整が行われて作成されます。ですので、「たまたま文章の流れでそうなった」というようなことは、決してありません。すべてに意図が込められています。

台湾問題についての文言以上に、この台湾問題の位置づけが、中国に対する非常に強いメッセージになっていると思います。

よろしければ、以下、ご覧ください。



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