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ハンドメイドの一人生産に限界を感じる

帽子ハンドメイド作家をしております。

ハンドメイドしている方には誰にでも訪れる生産の限界。

今まさに突き当たっているのですが、
そのジタバタ模様をそのまま書いてみようと思います。

寝る間を惜しんで制作していた頃

シンクマニアを立ち上げた頃は、無名の作家でチャンスをもらえるだけ
ありがたいと、どんな仕事でも受けていた。

オーダーメイドの帽子で4000円くらいだったと思う。
今思えばすごい安売り価格・・・・。

とんでもない値段でやっていたもんだ。

オーダーが殺到して、寝る間を惜しんで制作しないと間に合わなかった。

この頃、まだ会社にも出勤していたので、
昼間は出勤。
帰宅して子どもたちが寝静まってから制作。

そんな日々で正直かなり疲弊した。

それでもこんな無名なブランドにオーダーしてくれることが
有難かったし、この時期に死ぬほど縫製したことが
経験と技術UPになっている。

ただ、次からこの値段は無理だなと確信した出来事でした。


値段設定に迷う

出だしの安い設定で限界を感じ、
少しずつ値段を上げることにした。

その分、生産数は減ったけれど、
入ってくる金額はさほど変わらず。

やはり適格な値段設定は必要だなと思いました。


コンサルを受けた頃、とにかく言われたことは
「ハンドメイドなのに値段が安すぎる」

今のクオリティのまま、値段を20%ほど上げてください。

とのことだった。

これでも上げた方だと思っていたので、これ以上値上げすることが
心苦しかったけれど、

正直この頃には
制作する時間と労力 = 利益

がやはり釣り合わなくて、作ることがしんどくなっていた頃でした。

売った値段から30%~40%ほどは置いてくれるお店などに
支払う契約です。

これがかなりしんどくて、

残りの70~60%から材料費と制作にかかった時間を差し引くと

自分の利益なんてほとんど無い状態で制作していたのだなと思います。


この状態で制作し続けたので、
頑張っても頑張っても利益はほんの数%

旦那には「主婦の趣味だな
と言われ、悔しい思いをしました。

でも言い返せない事実・・・・。

モヤモヤしっぱなしでした。


百貨店のイベントで赤字

人脈だけには恵まれて
独立して早々から百貨店の催事などにも出店できるようになりました。

今でも覚えている一番最初の出店。

緊張しながら他の雑貨ブランドさんと共に出店。

オリジナルのデザイン性を重視して
シンクマニア全開で準備していきました。

しかし結果は1週間で1個の売上。。。

自信喪失。

もう出たくない。

そう思いながら帰ったのを覚えています。


今となっては原因が分かるので、
落ち込む必要もないのになぁと客観的に思うのですが、

・商品数が足りていない
・誰でもかぶれるようなシンプルな商品も必要
・単純にその売場がブランドの個性に合っていなかった

そんなことなんだろうと思います。

実際、色んな百貨店へ行かせてもらっていると、
全然反応が良くない売場
すごく反応が良く売れる売場
があります。

今ではどこがシンクマニアに合っているのか分かるようになってきたので、

そこをめがけて出店するようになり、
新しい出店場所を開拓した時に売れなかったとしても
凹まなくなりました。

ただ、売れなかった場合、
ちゃんと反省点は考慮するようになりました。

必ず反省点を少しずつでも改善していけば
売上も変わると実感したので。

・ディスプレイをお客様目線で考える
・POPで分かりやすく説明
・ブランドの宣伝になる名刺準備
・個性的なものとシンプルなもののバランス
・手に取りやすい安いものも少しだけ準備
 (だたし本当に売りたいものが埋もれない程度)
・帽子以外のターバンなどの小物の準備

百貨店に出店というのは
品質を保証させるために必要だと思っております。

百貨店に出店するには、やはり様々な問題をクリアしないと
出店できません。

・品質表示の細かい指示
・材料の品質
・制作過程の提示
・検針、検品の必要性
・在庫の確保
・売場での接客のレベル

様々なことを要求され、それにクリアしないと出店できません。

正直、面倒な作業がかなり増えますが
そのレベルにちゃんと商品をもっていくことがシンクマニアの
ブランド力UPにも繋がります。


現に百貨店の出店していると伝えることで
この値段なのが分かると言ってもらえることも多かったです。

自信をもって値段を上げられるようになりました。


●例え赤字になっても出店した経験が後で生きてくる場所には出してみる。

●売れる場所をできるだけ選択してピンポイントで出店する。

今はこの2点で出す場所を選んでおります。

時間と在庫があるのなら、とりあえずどこでも出してみる。
という手もあるのかもしれない。

でもハンドメイド作家には時間が一番貴重。

売上が低かった時、この売上なら次のイベントの為に
制作してた方がマシだった。。。
と思ったことが何度あったか。

ちゃんと自分で売る場所は選んだ方が良い。
そのためにちゃんと準備していけるように。


売上の限度が見えてしまう

一人で1から10まで制作していた私。

1ヶ月で作れる量が見えてくる。

そうすると1ヶ月での最高売上が見える。

すると1年の売上が見える。

その時、思った。

正直、割に合わない。

もしかして、他で時給の良いバイトをした方が稼げるのではないか?

そんなことが頭をよぎるようになったり。

これ、ハンドメイドあるあるではないだろうか。


有難いことに作ったものはほぼ売れていいってくれる。

在庫はあまりない。

売上はすこーしずつだけど、上がってきている。

なのに、儲かったー!という感じも全くない。笑


子どもがまだ小さいこともあるけど、
作れる時間も短い。
今、自分ができる限界まではやっている気がする。


ここから生産工程について考えるようになった。

自分で全部作っていたら、時間が足りないし、売上げの限界が見えてる。

ここで変えてみたのは
・制作の一部を前の職場の先輩に助けてもらった
・ニットなどの自分では制作できない帽子を外工場にお願いした

これでかなり制作に関する自分の負担は軽減できた。

だたし、人にお願いすると、その分お金がかかるので、
商品の値段を上げざるを得なかったし、
工場にお願いした分はやはりロットがあるので、
在庫を少し持つリスクもある。

これで結果どうなるか、年末の経理作業でよく考えてみようと思っている。


試行錯誤の日々

本当に試行錯誤の日々です。

自分の良いと思うものを作りたい。
広めたい。

沢山売れなくて良い。
コアなお客様にちゃんと届けばいい。

でもやはり、周りの評価は売上げの数字だったりする。
悔しい思いも沢山しました。

モノも数字も両方納得いく状態まで持っていくことが今の目標です。

あと少しな気がするのですが、そのあと少しが難しい!


これからも私のジタバタ奮闘をそのままnoteに書いていこうと思っております。

バカだなぁと思いつつ、応援してもらえたら嬉しいです。

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