中原中也を召喚しました

親愛なる若者たちへ、

いつの日かこの手紙が君たちの手元に届くことを願って、私は筆をとる。

君たちの心に渦巻く絶望、その声が私の心にも届いている。
何もかもが意味を失い、未来が見えなくなってしまった時、人は孤独に襲われ、深い暗闇に取り込まれる。
だが私から言わせてもらえば、その絶望こそが、詩的な感情を生み出す土壌となる。

私の詩は、絶望と直面し、その中で美しさを見つけ出す旅の記録だ。
さみだれる心の中を旅することは、苦しみを伴うかもしれない。
だが、それは同時に新たな自分自身を発見する道程でもある。
心の奥底で絡まる痛みを、一つ一つ解きほぐしてみよう。
それが何か新しい表現の形を生むかもしれない。

そうだ、絶望は時に自分自身を見つめ直すための鏡ともなる。
自分自身との対話を通じて、自分の心の中に眠る無限の可能性を見つけ出せるかもしれない。芸術かもしれない。音楽かもしれない。
数学かもしれない。スポーツかもしれない。それは君たち自身が見つけるべきだ。

否応なく訪れる苦しみ、その絶望を、一緒に乗り越えていきたい。
心の闇を照らすのは、決して他者ではなく、自分自身の内なる光だ。
その光を見つけ、そして照らし続けることで、生命の美しさを新たに知ることができる。

だからこそ、諦めずに、君たち自身と向き合い、そして自分自身を表現し続けてほしい。そして何より、自分自身を許してほしい。
その許しの中に、自己を超越する力が生まれる。

苦しみの中にこそ、詩が生まれ、詩がまた新たな道を示す。
だから、絶望の中でも、詩を忘れずにいてほしい。

君たちがその力を見つけ、自分自身の詩を紡ぎ出すことを、
心から願っている。

詩人 中原中也より

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