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世界が広がる、とは。

留学に行った人や帰国子女は口を揃えて言う。
「世界が広がった」、と。
ただ僕は彼らがどこまでの解像度を持ってこの言葉を口にしているのか疑問に思う。
だから今回は僕なりの“世界の広がり”を言語化できたらなと。

僕も例に漏れず帰国子女だ。
現在大学院修士一年なのだが、小6から中3までの4年間をイギリスのロンドンで過ごした。
大体10年くらい前かな。
お陰で日常会話ならある程度喋れる。
まあただこの4年間は英語をめっちゃ勉強した。
英語「で」って言った方がいいのかもしれない。

僕の思う世界が広がるというのは、共同体の広さが広がる、ということだ。
普段生活していると自分の所属する共同体は2、3個しかない。
学校だったり職場だったり家族だったり。
習い事だったり趣味の場だったりするかもしれない。
この限られた共同体で生活をしていくうちに、自分の世界は全てそこで完結する。
その世界でのみ生きていかなければならない。
そういった意識が潜在的に生まれる。

ただ怖いのがこの共同体でうまくいかなかった時。
個人的にほとんどの自殺をされる方はこれが原因だと思う。
所属する共同体が学校や職場の一つになってしまい、その共同体で孤立した際。
恐らく世界に否定されたと感じると思う。

僕が中学時代をロンドンで過ごせたのは凄くいい経験だった。
それまで日本の関東しか知らなかった自分は、無意識のうちにそこから出るという選択肢はなく、何故か当たり前のように一生そこにいると思っていた。
この“無意識の足枷”というものは多くの人にあると思う。
ロンドンで4年間生活したことで、自分は何かあったらロンドンに戻ってくることができる。
なんなら他のどこの国でも生活できる。
日本国内でも東京以外でも生活できる。
そういう風に無意識の足枷から解放された。
これが世界が広がる、ということだ。 
つまりは選択肢の拡大だ。

何も海外に行くことだけじゃない。
旅行だって良い。
自分の見知らぬ土地に行く。
その場の人と話し、空気に触れ、味わう。
人間の適応力は随分と高いものだ。
無意識の足枷からの解放。
選択肢が多いことは心のゆとりにもなるんだ。

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