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葛藤する彼らをヨシヨシしてあげたい。

#20 海がきこえる

前置き

ジブリ作品は基本なんでも好きなんですが、
おもひでぽろぽろ・魔女の宅急便が特に大好きなのでその制作チームが手掛ける”海がきこえる”未視聴でしたので今回のリバイバル上映はブチ上がりニュースでした。

リカコという人物

リカコは自分の感情に素直で、常に人を巻き込み、そんなリカコに何故かみんな魅了されてしまう。
後にこの作品をみた大好きな先輩と、この話をした時、その先輩が
「リカコおもしれー女すぎじゃん?」
と言っていていたんだけど、まさにそう。
自分の感情のままに動き、すぐ怒るし、一見強そうに見えるが、実は繊細で、なぜか放って置けない。
一緒にいて飽きないし、リカコ沼に誰しもがハマってしまうそんな女なんです。

彼らにとっては大きな問題であって。

リカコの家庭の事情を省けば劇中で起こる問題って、実はそんな大した問題ではなくて、僻みとか、嫉妬とか、ヤキモチとか。
思春期に起こりうる感情によるもので、
でも本人たちにはすごい大きな問題で。
大人になってこの映画を観ていると、「そんなことで」と、言いたくなる。
でも、よくよく考えれば、学生にとっての、学校は非常に重要な社会の一部なのだから、そこで起こる問題はそりゃ大きな問題だろう。
しかも、まだ人間的に未完成な者たちが一つの箱に集まっているのだから
些細なことで悩むなんて当たり前だ。

あの時は視野が狭かったと言えるあいつはすごい。

学生の時一軍のリーダー的女子が最後の同窓会のシーンで、
「あの時の私たちは視野が狭かった。もっと他の趣味や勉強にに没頭しだすと、そんなこと忘れて、懐かしいという感情が勝つ」
(ごめんなさい。暗記していないのでかなり省略、間接的に書いてます。)
その台詞の破壊力が凄かった。
まさにその通りだ。
”それが大学生で気づいているあいつすげー”と圧巻され、
彼女が当時一軍のリーダーだったわけだ。

自分を俯瞰して見る頃が大切

「視野が狭かった」ということを本人が気付くことが重要なのである。
当時リカコと揉めた本人が、”何故自分はあの時、自分がリカコにムカついたのか”と自分を俯瞰して考えることが大切なのだと思う。
”自分はあの時は視野が狭った”と”あなたは視野が狭い”というのでは大きく違いがあると思っており、
視野が狭いというのは、本人が決めることであり、他人が決めることではないのだ。


彼らをヨシヨシしてあげたい。

視野が狭いが故に、
言いすぎることはある。
過ちだってある。
後悔もする。
でも、本当に強い友情はそんなことで潰れやしないから大丈夫よ。
もし、この社会が合わなくてもきっと他にあなたに合う場所は見つかる。
そう言って登場人物を抱きしめたくなる映画だった。

自分の未来に向かって歩きだし、挑戦している姿はいつだって眩しく尊い。


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