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薬草の旅 vol.1|薬草って何だろう?

こんにちは!伝統茶{tabel}の新田理恵です◎

みなさんは、薬草茶を飲んだことはありますか?

「ドクダミ茶なら、飲んだことがある」という方や、もしくは「薬草茶って、何?」「ハーブなら使っているんだけど……」という方もいるでしょう。

日本に昔から自生していた植物は、7,000種類以上あります。そのうちの5〜10%が薬草として、からだのケアや美味しいお茶として活用されてきました。
それらをもっと、日々の暮らしへ取り入れたくなるような、「薬草の旅」のシリーズを、お届けします!

「薬草の旅」のはじまり
私は大学で栄養学を学んだり、卒業後も薬膳を学んだりして、からだに良い料理や今よりもっと健康的な食事に挑戦していました。もちろん生薬や薬膳茶もたくさん試します。けれど、それらの国産のものは、2013年頃はほとんど手に入らなかったのです。

調べてみると、生薬や薬膳茶の8〜9割は中国などからの輸入という現状。
食料自給率も低いけれど、日本の生薬の自給率はもっともっと低かったんです。

どうにか国産のものは手に入らないのかな?

そう思って、作っているひとの顔が見える、日本の薬草を探し始めました。

とくに、薬草文化が習慣として残っている九州から順番にリサーチし、旅を重ねていくと、ネットでは見つからなかった素朴でおいしい薬草がいっぱい!
こんなにたくさん、薬草ってあったのか、、、!Σ(๑°⌓°๑)
続々と見つかり、道端も、山も、実は宝の山だったんだ!!!と、気が付きました。

薬草産業は高齢化、後継者不足など、他の伝統産業と同じような深刻な課題を抱えてはいましたが、 諦めることなくそうした問題に取り組み、町や自然を愛する素晴らしい方々に出逢いました。

「応援したい!」という想いと、「こういうお茶が欲しかった!」という喜びから、無農薬or天然育ちの薬草を使った伝統茶を作りはじめ、ローカルの薬草レポートを発信するポータルサイトを作りました。(なぜ薬草茶じゃなくて「伝統茶」なのかは、また今度お話しましょう◎)
 ▶伝統茶{tabel} ウェブサイト

noteでも、日本各地で出会った、おもしろい薬草のお話を、みなさんにお届けしますね。

初回は、そもそもの薬草とは?というお話からはじめましょう。


薬草とは?
「薬草」と聞いて、どんなものを思い浮かべるでしょうか?
私もtabelを始める前までは、ゲームでしか使ったことがないんじゃないかと思うくらい、全然知らない世界でした。
でも、何が薬草かがわかってくると、「なんだ、生姜くらい食べたことあるよ」「ヨモギも薬草なら、草餅に入ってるね!」と、案外身近なものだったことに気が付きます。

薬草は、正式には薬用植物とも呼ばれ、「薬用として使われる植物の総称」です。つまり「薬草」という言葉に草の文字が入っているけれど、広義では植物全体(根も、幹も、種も、実も含む)を指しています

スーパーで売られている生姜も、根っこだけれど薬草と言っても良いのです。食用とされていても、薬効がしっかりあるものも混ざっています。

ちなみに「ハーブ」も、薬用と食用の両方の植物を含みますが、「ハーブ」は葉を指すことが多く、種や実などは「スパイス」と呼ばれるケースが多いのです。ハーブは西洋の伝統医学を、薬草は中国や日本など、東洋の伝統医学をベースに用いられているのが、ふたつの一番大きな違いです。

薬草は薬にも毒にもなる

「ハーブ」と「薬草」は、からだに良さそうなイメージがありますが、中には毒性がある植物もあります。

人間の智慧はすごいもので、無毒化する加工をしたり、量と用法を調べて、毒のはたらきを薬として使えるようにしたり、危険さを利用して殺虫剤などにして活用できるのです。たとえば、猛毒で有名なトリカブトという 植物も、加工して漢方薬の材料として使われています。
(本当に危ないので、安易には使わないでくださいね💦)

どんなものも、ある人にとっては薬となり、別の人にとっては毒になるのが、薬草です。

「自分のからだは、何を求めているのか」。

薬草と向き合っていると、いつもは我慢強いからだの声を、ゆっくり聞くことができるのです。

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ひとつの植物に含まれる成分は1,000以上とも言われ、人間がまだ知らないはたらきも、秘めているのです。

おいしくて、愛らしい、身近な薬草たち。一つひとつ、ご紹介していけたらと思います。

次回もどうぞ、お楽しみに!

※こちらの記事は2014年のリサーチをリライトしています。

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新田 理恵 (Lyie Nitta)
TABEL株式会社の代表/薬草使。
管理栄養士であり、国際中医薬膳調理師。東洋と西洋、現代と伝統の両面から食を提案する。日本各地のローカルや海外の伝統ハーブの使い方をめぐり、伝統茶{tabel}(タベル)を立ち上げる。
薬草大学NORMや、オンラインコミュニティの薬草のある暮らしラボなども手掛ける。著書に「薬草のちから(晶文社)」がある。


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ちなみに、薬と毒のお話はTEDx FUKUOKAでもお話ししました◎
ぜひご覧くださいませ^U^

▶TEDx Fukuokaの動画「薬草文化の復興へ」はこちらから



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