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【英文法の小径】will〈助動詞〉その三

That’ll be the postman.

例えば、玄関のベルが鳴って誰かしらという場面。屋内からは、玄関ドアの外に立っているのがだれなのかわからないので、これは推測を述べたもの。しかも、will が使われているけれど、現在の事柄に関する推量であって、いわゆる未来の予測ではないことは明らかだ。

a. That must be the postman.
b. That might/may/could be the postman.

話し手が、自分の言っていることが事実であることに自信があれば must を用いた a の文を、自信がなければ might などを用いた b の文 を選択することは前にも述べたとおり。それでは、will を用いた冒頭の文は、a と b のどちらに近いのだろう?

未来のことにせよ、現在のことにせよ、推量を表す will に当てられる日本語訳「だろう/でしょう」は、「かもしれない」や「ちがいない/はずだ」とはちがって、広く推量を表すことば。なので、「だろう/でしょう」をもとに will を使う話し手の確信の程度を考えてもわからない。

未来を表す表現形式の一つとして will を取り上げた記事でも触れましたが、推量を述べるときに用いる will が表すのは確信です。なので、冒頭の文の will は must に近いと言えます。あくまでも「だろう」という日本語にこだわるのであれば、「きっと」などを付け加えたほうがいいのかもしれません。

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