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【英文法の小径】can〈助動詞〉その一

I’m not sure. He may/might/could be in his office.

例えばジョンの居場所を聞かれて答えている場面。’I’m not sure’ とあるように、話し手には確信がなく、可能性を推測している。こういう場合には may/might/could を用いること、そして can を用いないことは前に確認した(may/might/could・その一)。それでは、可能性について述べるときに can を用いるのはどんな場合なのだろう?

It can’t be John. He’s in New York.

自分たちから遠く離れたところにいる人を指して「あれ、ジョンじゃない?」と言う相手に向かっての発言。話し手はかなりの自信を持って、ジョンである可能性を否定している=あれはジョンではないという結論を出している(「推断」と言ったらいいのだろうか)。もちろん、後続の ’He’s in New York.’ というのが、その判断の根拠だ。

Can that be John? I thought he was in New York.

これは、向こうに見えるのがジョンである可能性について、単に質問しているのではない。彼はニューヨークにいるものとばかり思っていた話し手が半信半疑で発したのが 'Can that be John?'(「あれ、ジョンなの?(そんなわけない)」)。だから、この疑問文は話し手の疑い/驚きを表していると言ってもいい。

Well, how can you be on a diet if you buy so much chocolate?

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/can 

疑いや驚き、ときには怒りなどを表現するときに用いる can は how で始まる疑問文に現れることが多い。この例文も、相手がダイエットをしている可能性を尋ねているのではない。その真意について、引用元のサイトでは次のようにパラフレーズしている。

I don’t think it’s possible that you are on a diet because you still buy lots of chocolate.

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/can 

なので、先の例文の前半を説明的に直訳すると、「どうしてあなたがダイエット中だなんていうことがありうるの?」といった具合になるだろうか。

このように、可能性を否定したり可能性を疑ったりするときに can を用いることがあるのです。ちなみに、may/might が表すのは現実的な可能性、それに対して can が表すのは論理的な可能性というように説明することもあります。

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