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家族の問題と地域コミュニティ

日本のトランジション・タウンの一つ、トランジション・タウン藤野の13年の活動が記録された書籍が出版されました。

『僕らが変わればまちが変わり、まちが変われば世界が変わる
  ~トランジション・タウンという試み』

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写真がふんだんに使われ、
トランジション・タウンでの活動の様子が手に取るようにわかる書籍。
とても大事に作られた本なんだろうなぁということが感じられます。

この書籍の出版記念を日本全国で実施するということで、
トランジション・タウンの話を伺い、感想などを話す会を開催しました。

トランジション・タウンのこれまで

トランジション・タウンは、持続可能で再生可能な暮らしへと移行していく、実践的な草の根コミュニティ・プロジェクト。
2005年秋、イギリス南部の小さな町トットネスで、パーマカルチャーの講師、ロブ・ホプキンスを中心に始まりまった活動。

「トランジション」は、固定した概念でなく、常に人々の活動により変化していくもの。日本では全国60カ所(2020年11月現在)の活動、世界では40カ国以上、1000カ所を超える地域の市民活動となっている。

話す会の中では、
イギリスで学んだトランジション・タウンに出会った時の話。
日本でどのように拡がっていったか。
トランジション・タウン藤野での
藤野電力、地域通貨「萬」、森部といった各活動。

トランジション・タウン藤野の13年に渡ってきた
それぞれの活動についてのお話を伺いました。

そして、その後感想や、自分達のやりたいことを話す時間。

藤野電力とは、あの藤野電力のことか!?
なんて言葉もあり、トランジション・タウンを知らなくても、
実は身近だったということを感じてもらえる時間でもありました。

トランジション・タウンという形

トランジション・タウンというと、
パーマカルチャーの流れから生まれているので、
農業的な活動の色が強いもの。

自分もそう考えていた。
それに、横文字で仰々しくも感じる。

でも、トランジション・タウンは、
持続可能で再生可能な暮らしへと移行していく実践的な草の根活動。

東京の周辺や都市部の周辺に多いが、
東京の真ん中、文京区でも活動している。

その土地土地で問題とされていること、
それを持続可能で再生可能な考えから進めていくこと。

トランジション・タウンというものは、
トランジション・タウンという枠を作り、
そこの関わる人の考え方、気持ちで等、
人々の活動により変化していくもの。

と捉えている。

なので、トランジション・タウンとは名乗って無くても
同じような活動をしている人は多いと思う。

トランジション・タウンの役割

今回の話す会の中で話されたコトとして、
親から受け継いだモノをどうやって活用していくか悩んでいる。
という話がとても印象深かった。

人が入らなくなった山をどうにかしたい。
古民家をどうにかしたい。

人が入らなくなった山は、獣が我が物顔で歩き回り、
更に人が入らなくなるという循環がなされ、
手入れが出来ない状況になっている。

受け継いだ古民家も、
会社など、家以外で働いていると、
部屋がいくつもあっても、使うことない。
世代が変わると盆暮れ正月に集まることも無く、
使わない部屋は、掃除など手間がかかるだけ。

受け継いだモノをどうやって活用していくか、
家族として抱えている問題がそこにはある。

トランジション・タウンがあるのは、
そういう家族の中の問題として捉えられているものを、
どうやって解決していくか、
それを同じような悩みや興味を持っている人たちで
関われるようにする場でもあると思う。

「やりたい人が、やりたいことを、やりたい時に、やりたいだけやる」

これが、トランジション・タウンで大事にされている考え方。

藤野電力は、311後の電力危機から発生した活動で、
その後日本全国でワークショップを開催している活動。

地域通貨「萬」は、500世帯が加入していて、
手伝って欲しい、譲って欲しいというモノだけでは無く。
地域通貨を通して、人と人の繋がりを作り、
新たなリソースの発掘の活動ともなっている。

これをやりたいと言った人が手を上げて、
それいいね、関わりたいと思った人がサポートに拡げていく。

これって、同じ悩みを持った人が多い中で、
誰かが声を上げたことで、ぱっと拡がっていったんでしょうね。

同じ事を理解出来る同じ地域の人だからこそ、
地域コミュニティとして出来ること。

家族で抱えている問題を家族だけで抱えない。

そういう場があることも、
とても大事なことだと思います。

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