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夢中さ君に に夢中

おはようございます、はーぼです。

1973年、今から半世紀近く前のこと。
当時、アルバム2枚、シングル2枚を出して、評価は悪くなかったもののヒットには至らず、もう後がない状態に立たされた、財津和夫さん率いる九州出身の5人組バンド、『チューリップ』が放った起死回生の大ヒットシングル曲が『心の旅』。

初めてシングルのメインボーカルをつとめた姫野達也さんの甘い声が別離の悲しさを引き立てるあまりにも有名な名曲ですが、そのシングルレコードのB面(死語!)に入っている曲が『夢中さ君に』です。

A面の『心の旅』がアップテンポな曲調でありながら歌詞は別離のさみしさに溢れているのに対し、B面の『夢中さ君に』は、アイドル・グループの曲かとかと思うぐらいの、大好きな女の子への想いを綴った軽快な曲になっています。
ちなみにこちらはリーダー、財津和夫さんがボーカルをつとめています。(「心の旅」以上に姫野達也さんのボイスにあっている楽曲のような気がしますが、どちらも作詞作曲をした財津さんの複雑な心情的なものが当時はあったのかもしれません、邪推ですが)

A面とB面もあえてポップな感じでヒットを狙いに行ったように思えますが、その狙いはまさに的中。チューリップ最大の大ヒットシングルになりました。
A面曲の『心の旅』ばかりが取り上げられますが、B面の『夢中さ君に』もシングルの売り上げに寄与したのではないでしょうか。

半世紀も前、学生運動の熱を帯びた時代が終ろうとしており、まだニューミュージックという言葉がきっとまだ一般的ではなかったろう時代。
 
歌謡曲とはどこか違うポップでキュートでロックな楽曲。

チューリップは日本の若者音楽の転換期の橋渡しをしたグループなのかもしれませんね。温故知新、今聞くと70年代音楽は意外に新鮮です。


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