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ハッピーエンドで帰れないんだよ。嵐が起こったRIZIN.31感想レビュー

こんばんは。

本日開幕された『Yogibo presents RIZIN.31』が先程終了しました。

試合をすべて見終わっての感想として、
『今大会は神興行だった!』ということと、『格闘技は残酷だ。』ということでした。

その辺も踏まえて、まずは序盤から大会について振り返っていこうと思います。

■大会スタート

大会が始まる前に、ゲスト解説の紹介があったのだが、まずここでサプライズ。
高坂、川村、くるみというイツメンに加えて萩原京平がゲスト解説に!前回のLANDMARKで朝倉未来に敗れたが、11月のRIZIN TRIGGER神戸大会で出場がきまっている。さらに今回はフェザー級のカードが多いための起用だろう。まさかの登場に驚いた人は多かったと思う。

■OP

オープニングVは桑田佳祐の「Soulコブラツイスト~魂の悶絶」にのせて、『続けるぞ。』というワードが今回のテーマになっていた。

熱くなるというより、涙腺にくる感じで、いつものバチバチ感とは違い、明るくも哀愁のあるOP映像はめちゃくちゃよかったです!

そしていよいよ試合スタート

自分が予想した結果はこんな感じです

果たしてどうなったのか。

第1試合から順に見ていきましょう!

■第1試合 奥脇竜哉 vs 老沼隆斗

1試合目で会場のボルテージを上げることはできるのか?個人的にひっそりと注目していた蹴り対決のこのカード。
予想通り、1Rの序盤から蹴り合いの展開。老沼の方が常に中央を陣取り圧をかけていく。蹴られたら蹴り返す、まさにムエタイのような試合。老沼は左右での多彩な蹴りに対し、奥脇は威力ある右ミドルと左右のハイキックがかなり良く1Rは若干奥脇ペース。2Rから老沼は奥脇の左の前足にカーフを当て始め流れを変えようと図るが、奥脇のハイキックからのパンチが当たるように。3Rも老沼は前に前にプレッシャーを与えようとするが、逆に奥脇に手数と有効打で上回られる。両者最後まで攻めるがダウンまではつながらず試合終了。
結果は奥脇竜哉が2-0で判定勝利。 

完全決着には繋がらなかったが、いいオープニングマッチだったと思います!

■第2試合 伊藤盛一郎 vs 橋本薫汰

RIZINフライ級イケメン対決。
28歳の伊藤は地元の横浜で勝ててない。師匠の所英男の前で勝ち星を挙げHEROになれるか?対する橋本は小学生のころからMMAをやっていたという現役慶應ボーイの22歳。
向かい合った時にかなりの身長差がある両者。1R序盤は長身の橋本が出す脱力しながらのパンチに苦しむ伊藤。組み付いて何とか凌ぐが、橋本の膝蹴りをもらいダウン。パウンドを打たれほぼフィニッシュ寸前に。そこでもなんとか伊藤は諦めず動き続け、橋本が弱った伊藤を寝技で仕留めようとする。そこでは決めさせずに何とか伊藤が粘って1R終了。2Rも橋本のパンチが当たりグラつくが、そこを伊藤が強引につめ近距離でのフックを橋本に当てる。これを嫌った橋本がタックルに行き、伊藤がタックルを切ってバックに回る。そこからバックチョークで橋本がタップアウトし、伊藤盛一郎の2R一本勝ち

まさに所英男を思わせる逆境魂のバックチョーク!!1Rに止められてもおかしくなかったのに、よく諦めずに動いたなと!
あと今回は、惜しくも負けてしまった橋本だが若いのにかなり落ち着いた戦いは凄く観ていて面白かったのでまたRIZINで見たい。

■第3試合 中村優作 vs 伊藤裕樹

伊藤は9/23に藤田大和とのDEEPフライ級タイトルマッチをしてフルラウンドの激闘の末に惜しくも敗戦し、そこからわずか1ヶ月で今大会に参戦。一方中村は2020年8月に一度引退を決意してからの復帰戦。一発がある両者だが、お互いの試合感覚の差がどうなるかが楽しみ。
1R序盤、中村は日本拳法独特の間合いから伊藤の蹴りに合わせて右ストレートを当てる。伊藤はリカバリーして中村に組み付きテイクダウン。そこからパウンドと踏みつけで中村ダメージを与える。スタンド戻るが消耗した中村をパンチでダウンさせ、マウントでパンチラッシュ。そこで中村の動きが止まりレフェリーストップ。伊藤裕樹の1R TKO勝利。

中村は復帰戦を飾ることができず3連敗。序盤はかなりいい動きが出来ていただけに惜しい敗戦。勝った伊藤は大晦日出場をアピール。今回勝った者同士の試合もいいが、伊藤盛一郎のダメージ的には大晦日ギリギリだと思う。対戦相手は悩みどころですね。

■第4試合 吉成名高 vs 石川直樹

煽りVTRで「天心へのワンチャンあるか?」と言われる中、徐々に階級を上げて自身最重量での試合。
それをベテランの石川が迎え討つ。しかし試合開始で向き合った時に、石川の目がかなり泳いでおり、逆に吉成はそれをじっと見つめていたのがすごく印象的だった。
試合が始まり、吉成の肘をかなり警戒してなかなか攻撃を出せない石川。そんな中、石川は吉成に距離を詰められ組まれて肘を貰いダウン。立ち上がり、蹴りを放つも、今度はそれを掴まれてからの肘で2度目のダウン。ここもなんとか気合で立ち上がる。今度は打撃を嫌い組み付いても、それを投げ飛ばす吉成。最後は石川が右フックを貰い3ダウンで、吉成名高の1R KO勝利。

まさに無慈悲でしたね。吉成は勝ち負けよりも勝ち方を見られており、本人も結構プレッシャーだろうなと思ったが、全然ケロッとしているから本当に凄い人だなと思った。
試合後のマイクは「那須川天心」という名前は出さずに年末に出たいとアピール。果たして本当にワンチャンはあるのだろうか?

■第5試合 白川陸斗 vs 山本琢也

個人的にめちゃくちゃ楽しみな試合。RIZIN初参戦ながら独特のヤバい雰囲気を出す山本。白川はRIZINフェザー級で上位に食い込めるかという一戦。
試合開始早々に、白川が飛び膝で突っ込むが、クリンヒットせず組まれてしまう。なんとか引き剥がすが今度は山本の重いカーフキックを貰い始める。そして近い距離での打撃戦に。山本の左右フックを貰う白川だが、ここの打撃ラッシュを何とか凌ぎ、逆に動きが落ちた山本に対してボディからの右ストレートで白川がパンチ当て始める。そして山本がガス欠し組み付くも白川の腰の強さで突き返す。そして離れたあとに白川の右ストレートでダウンした所にトドメのサッカーボールキックを顎に入れてレフェリーストップ。白川陸斗の1R TKO勝利。

白川はこれで4連勝!勝利マイクでは大晦日の対戦相手にまさかのケラモフを指名!堀江あたりを指名すると思ったので驚きました!

■第6試合 中村大介 vs 新居すぐる

腕十字vsアームロックという腕対決。
加えて、ムートンの生ライブで入場する新居と、UWF臭プンプンで入場する中村大介という入場曲対決。
試合は1R、中村が最初に出したローからのパンチで新居がグラつく。立て直して新居も前に出ながらのパンチで中村は下がりながらも何発か被弾そのままグラウンドの攻防になるが中村が何とか立ち上がり再びスタンドの展開に。同様に前に出ながらパンチをする新居に対して、下がりながらの右フックをカウンターで合わせて、グラついた新居の腕をとる。凌ぐために新居が腕を持ち上げたところを、態勢を切り替えして新居の腕を取り、そのまま腕十字を決める。堪らず新居がタップアウトし、中村大介が1R一本勝ち。

試合後のマイクでは「中村大介41歳、こっからまだまだ全盛期です!!」とのことで、次は誰とやるのか気になります。

■第7試合 阿部大治 vs アキラ

五味隆典の新旧師弟対決。
向かい合った時、阿部が予想以上にゲッソリしているのが気になった。対するアキラはライト級でもかなりのフィジカル。本来では阿部が有利と思われたフィジカル差が活きないかもと思った。しかし身長差がかなりあるので、そこは阿部が有利か。
試合が始まると蹴りから入る阿部。アキラはそこから懐に入り右のフックを当てる。中盤でアキラがテイクダウンするも立たれてしまう。そこからは両者打ち合いの展開。リーチのある阿部のパンチをもらい始め、右のフックでダウンするアキラだが何とか立て直し1R終了。
2Rも阿部はリーチを生かしたワンツーで攻める。アキラはパンチに合わせてテイクダウンを決める。そのままジリジリとマウントまで登っていき、そこからサイドへ回る。そして最後は上四方固めのところまで持っていき、阿部がタップアウト。アキラの2R一本勝ち。

まさに石渡直伝の技で決めた!
試合後のコーナーでアキラと五味のやりとりもよかったです!そしてマイクでは年末にかつての師匠である五味へ対戦アピール!これはちょっと意表をつかれてビックリしました。 
試合組まれれば、確実にKO必死。ただ五味選手は膝の調子が悪いので、厳しいだろうなー。。

そして前半戦は終了し、榊原CEOの登壇へ。

■CEO挨拶

休憩時に榊原CEOから何点か発表がありました。

まずは、RIZIN32のメインイベンターであるRENA、山本美憂の挨拶。

そして、ボビー・オロゴンがRIZIN32にまさかの参戦決定!相手は決まってないとのこと。

最後は、RIZIN TRIGGER 1st 神戸大会のメインカードとして…

昇侍vs萩原京平が決定しました!

打撃戦必死の予感。
ベルトを狙う萩原に取っては絶対に負けられない戦い。これまた勝負論があるいいカードですね!

榊原CEOからの発表は以上。
ここからはいよいよ後半戦です!

■第8試合 金原正徳 vs 芦田崇宏

1年ぶりのRIZINでハラワタ煮えくり返った芦田vs最強と言われる金原の査定試合。グローブタッチの際に芦田にチョンと触った金原。ここでペースを自分のものにしようという意図が見えた。試合開始序盤、金原のノーモーションのジャブとストレートが芦田に当たる。反撃として距離を近付いて右ストレートを当てる芦田。これを嫌って組み付く金原があっさり芦田をテイクダウン。そこからマウント。ブリッチで返す芦田。金原が下になるも肘を打ち、そのままブレイクがかかる。再び近い距離での打撃を狙った芦田に金原が左膝をボディに当て崩れる芦田。そこから肩固めを仕掛けるもゴングに救われる。2Rもパンチ振ってくる芦田に膝を当てる。やはり膝が効いている。金原が完全にペースを掴んできたが芦田の左ローが金原のローブローに入り一時中断。せっかくの流れが切れてしまって大丈夫かと思ったがタイムストップが明けて、そこからは膝をフェイントにしての右ストレートを出したりと完全にペースを戻す。そのあとノーモーションの右ストレートが炸裂し完全に脳震盪となった芦田。そこから金原のパウンド連打でレフェリーが止めに入り、金原正徳の2R TKO勝利。

なんか試合後のマイクは涙腺に来た。。
そして勝利後に解説席の萩原京平に対して中指を立てて挑発したのが痺れましたね。
ぜひフェザー級をごちゃごちゃにして欲しいです。

■第9試合 スダリオ剛 vs SAINT

日米ヘビー級期待の新星対決。1R開始早々、前に出てくるSAINTに対しジャブ、右フックを当てるスダリオ。今度は蹴りを出してきたSAINTに右ストレートを合わせる。そのあとスダリオが右のジャブを効かせ相手を下がらせる。そこで強引に攻めずに右ボディからの左フックでスダリオ剛の1R KO勝利。

ポテンシャルしか感じない試合でした。こんなにスダリオが打撃が上手いなんて驚きました。実は今回の大会でオファーを断られた選手がいるらしく、その選手との大晦日マッチがみたいですね!

■第10試合 浅倉カンナ vs 大島沙緒里


浅倉カンナvsAACC第2弾という一戦。
1R開始後、浅倉は身長差で打撃の優位に立てるかと思いきや、大島に組み付かれてテイクダウンされ袈裟固めからの一方的なパンチ。ブリッジや足をかけて逃れる浅倉だがそのまま大島がスクランブルで上を取る。大島はアームロックで腕を取るが浅倉は何とか凌ぎ1R終了。2Rは組みの展開から大島が下になり、下から足関節を仕掛ける。浅倉は凌いで上からのパウンドでポイントとる作戦が続き2R終了。3Rは大島が打撃を仕掛け被弾する浅倉。そこから大島が首を掴んで相手をぶん投げるが、スクランブルで浅倉が上に。そこからコツコツパンチを当てる。大島も反撃として蹴り上げを使い、2R同様に下から仕掛ける大島とパウンドを打つ浅倉で試合終了。結果は2-1スプリットで大島が判定勝利

殆どの人が浅倉勝利予想としてた中で、大島の勝利はジョシカクの新章に突入した感じがありました。

■第11試合 斎藤裕 vs 牛久絢太郎

メインイベントのRIZINフェザー級タイトルマッチ。
ここまでかなり盛り上がりを見せている大会をチャンピオンとして締めるのとが出来るのか?

試合が始まると斎藤がジリジリと詰め寄り、左右フックあてる。牛久は様子を見ながらローキックを当てる。中盤から斉藤はボディを攻め始める。牛久が組み付くが展開なくブレイク。離れたところに牛久のパンチが辺り滑った斎藤に牛久がつめたが、逆にかえされ、斎藤が上のままラバーガード1R終了。 2R開始早々、牛久のローキックが斎藤のローブローに入ってしまい一時中断。再開後は斎藤がボディを連続で当てジリジリと攻めていく。牛久は近くなったタイミングで左の飛び膝を出し、この膝蹴りで斎藤は右眉をカットしてしまう。出血がひどくドクターチェックが入る。
そして、ここでまさかのドクターストップ。
牛久絢太郎が2RTKO勝利でRIZINフェザー級新王者に

斎藤も「まだ出来るよ!!!」と抗議するもドクターの判断は変わらず試合ストップ。こんなにもあっけなく終わってしまい、見ていた自分としても、『こんな終わり方ってありかよ…』と思いました。

先日記事にした単独ポスターのジンクスを打ち破ることはできず、斎藤の持つRIZINフェザー級のベルトは牛久に奪われ、今大会が終わることとなった。

■試合予想結果

今回の試合予想の結果をまとめてみます。
勝敗が当たったカードは、11試合中5試合。
その5試合の中で、決着方法が当たったのは2試合。
うーん…勝敗予想だけでも半分以上6試合が外れてしまいました。
今回はメインイベント含め、下馬評を覆す試合が多かった印象でした。
斎藤vs牛久もそうなんですが、個人的には白川vs山本、浅倉vs大島の一戦がかなり驚きでしたね。
そのアップセットのおかげで大会全体が盛り上がったのかと思います。

自分は、もっと分析をしっかりして出直してきます。

■総括

大会全体としては、1試合目と10試合目以外が完全決着という、最高の盛り上がりでまさに神興行だったのではないでしょうか。

そしてなんと言っても衝撃だったのがメインイベント。
だれもが盤石の斎藤チャンプの防衛で大会を締めくくると予想していたはず。しかし結果は無念のカットによるTKO負けによる王座陥落。

ここで、かつて青木真也が言っていた言葉を思い出しました。

『MMAってスポーツは裏切られるんだから。ハッピーエンドで帰れないんだよ。泣いて帰るんだから、ファンが。』

分かってはいましたけど…
大会を一人で背負い、試合も優勢に進めていたように思えたが、たった一発の膝蹴りで全てをぶっ壊されてしまう。
やっぱり格闘技は残酷だと改めて思いました。

ただ、ここで思い出したいのが今大会のOPでも言われていた
『続けるぞ。』
ということです。

ここからまた這い上がる斎藤裕を僕は全力で応援したいなと思いました!

そして牛久絢太郎が新王者となったことで、フェザー級がかなり混沌としてきましたね。

「RIZIN.32」「RIZIN TRIGGER 1st」「大晦日」とこれからの大会も目が離せなくなること間違いなし。フェザー級の動向をチェックしていきましょう。

それでは今回はこの辺で!

とりあえずルタオのチーズケーキをさみしく食べて寝るとします。

お疲れ様でしたー

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