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私の持っている魔法のルージュ

マスクが必需品になって、リップ類の消費が(個人的には)減った。

ティントリップを使ってきちんと唇に色を乗せて過ごしている人も多いと思うけれど、ちょっと色付きのリップを使うとすぐに唇が荒れてしまう私は、ティントにもちょっと抵抗がある。私の唇には向かないんじゃないのかなって(勿論、荒れないのも探せばあるんだろうけれど)。

さて、私は経済的な事情もあってコスメはプチプラばっかり。それでもプチプラコスメも最近はすっかり優秀になってくれて、それらを使うことを恥ずかしく思う必要も無い世の中になったわけだけれど、やっぱり、所謂デパコスにはときめくものだ。

そんな私が唯一持っているデパコスーそれが、イヴ・サンローランルージュ ヴォリュプテ シャインだ。

前の職場に居た頃、仲良くしてくれた先輩の一人が退職することになった。そこで私は、よく一緒にお食事に行った三人組(退職する先輩・職場で一番のベテランの先輩・私)でお揃いのものを餞別がてらプレゼントしようと思い立ち、私の独断と偏見でルージュ ヴォリュプテ シャインを選び、カードで分割支払いし、口紅の側面に名前も刻印して貰い…(つまり、三本買った)…そうして先輩に、その可愛らしい口紅を贈ったのだ。

ちょっとした清水の舞台(二階建てくらい?)から飛び降りるくらいドキドキした。普段は色付きの薬用リップくらいしか、使ってこなかったからだ。

退職する先輩も、もう一人の先輩も、とても喜んでくれた。私も私で、飛び降りてまで買ったデパコスに胸がときめきまくりだった。そしてまたこのルージュ ヴォリュプテ シャイン、薬用リップをしっかり下地に使えば、これがまた唇が荒れないのだ。値段というのはこういうところに出るのかも知れない、と感心するばかりだった。

美容に詳しい方には使用期限のこととかで怒られちゃうかも知れないけれど、私のルージュ ヴォリュプテ シャインは、まだたっぷりと長さを残している。

マスクを着けてなかなか外で唇を露わにしない状況が続く中、私は何となく、どこにも出かける予定も無いのに、家の中でルージュ ヴォリュプテ シャインをつけてみた。コロナ禍に疲労が蓄積している心が、こんなちっぽけなことで、何となく晴れる気のする不思議。デパコスの良さは気分をアゲてくれること、と語っていた方をネットのどこかでお見かけしたことがあるけれど、死語かも知れないけれど「禿同!!!!!」と言ってぶんぶん肯きたくなる。

それ以来、私は居間の、手に取りやすいところにルージュ ヴォリュプテ シャインと下地の薬用リップを置き、気が向くたびに塗っている。女の子女の子した可愛いピンク色が唇に色をさす。

それだけで勝手に口角が上がる。微笑みたくなる。

こういう気持ちって、魔法のコンパクト的なものを買ってもらって喜んでいた子供の頃の自分と重なる。そういう昂る感覚を与えてくれるからこそ、コスメって、♡イイ♡んだよなあ…。



まいたけさんの #コスメ日記 の企画に胸がときめいたので、私も書いてみた記事でした。素敵な企画をありがとうございます。

ところで、久しぶりにイヴ・サンローランの公式を開いて「刻印って書いてあるし、たぶんこれだったよな…」と思ったのがルージュ ヴォリュプテ シャインだったのですが、私が買ったものは実はもう廃番になっていたとか、万が一そういうことが起きていて、間違っていたらごめんなさい。


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