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今カブに乗るのは、SDGsにも繋がる素敵なことなのかも知れない

はおそらく、これまでも何度となくあったであろう、ホンダのカブがものすごーく売れている時代の内の一時期に値することだろう。

私はあまり詳しくはないのでそ見分けや違いもつかないのだけれど、私の住んでいる田舎と呼べる地域ですらもしょっちゅう、ハンターカブクロスカブを見かける。

アニメがひとつの理由でブームを呼んだ、というのもあるとは思う。日本は1億総オタク社会を迎えようとしている(かもよ?)、なんて生命保険の会社が語っているくらいだし。

しかしながら実際、カブというのはすごくいいのだ。

私は昨年の秋に原付免許を取得した。自動車の免許は持っていない。高校生に混じって鴻巣の免許センターでの講習を受けた。

(試験、甘く見ていたらあとちょっとで落ちる寸前だった…原付の筆記試験、合格率すげー低いのでお気をつけて。)

免許が取れたら愛車が欲しくなるのが人間の心理として当然だろう。

そこで私は「会社で廃車にしようとしていたカブを譲り受ける」という機会に恵まれ、見事、無料でカブをゲットしたのだ。

命名・ビバップ号。カウボーイビバップが好きなので…。

うちのカブはいわゆる「お仕事カブ」ことプレスカブってやつだ。

新聞屋さん、郵便屋さん、お巡りさん辺りが乗っているバイクと言えば、だいたいの人が想像できることだろう。あれは一般人もちゃんと乗れるやつなのだ。なんでも、バイクの旅を好む層には人気らしい。

その「お仕事カブ」っぽさを軽減させる為、私はそのボディに薄紫色の塗料を塗りつけた。

↑ 塗装に関して参考にさせて頂いたのはこちらの記事。おかげでそう苦労することもなく、人からは「自分で塗ったにしては上手にできたね!」という反応を貰える程度には、不器用な私でもどうにかなった。

記事内の塗料とは違うメーカーの塗料(一応、記載されている用途は同じもの)を選んだ。この辺りに関しては自己責任でお願いしたい。ただ、今のところは雨に濡れてもまったく平気。ただし艶消しスプレーを吹いたら、そこだけ塗料が溶けたので注意していただきたい。

ちなみに必要なものは、埼玉県民ならば鶴ヶ島のどでかいカインズホームに行けば揃う。

ので、おおかたスーパービバホームとか他の巨大ホームセンターでも揃うだろう。ちなみに「巨大でないカインズ」にはこの塗料が無かったので、店舗の規模によって左右されそうだ。

さてそんなカブだけれど、クラッチは無いけれどギアはある。要するに、足を揃えて乗るスクーターとは違う。右手のアクセルだけに命運が委ねられているワケでは無いので、という説明で正しいか自信は無いが、左足でギアを操作する分、免許センターで乗ったスクーターよりも運転に安心感を持てる気がする。

慣れるまではよくわからん、という感覚だった。ギアってなんぞ、その意味はいったい…と、電動自転車生活に慣れきった私には、しばらくの間はカブがただの「おそろしいもの」にしか感じられなかった。

けれども今は、混雑のない道を選んで時速20キロくらいでゆっくり自分のペースでカブを走らせることが、私のストレス解消法のひとつにすらなっている。

カブの良さを他にあげるとしたら「自分である程度の修理ができる」、そして前述の塗装も含めて「カスタムを楽しめる」といった点があると思う。EV化も進んでいるみたいなので一概には言えないことだけれど、

カブは世界的(特にアジア圏)にも愛されているからもあってか、自分でメンテナンスのしやすいバイクになっている。

その証拠に、私のカブのスピードメーターがぴくりとも動かなくなった時も、丁度年末だったおかげですぐの修理を頼めそうなバイク屋さんが近隣に無く、それを理由に私は「もう自分で直す!!」と意気込んだのだけれど、このド素人でもちゃんと直せたのだ。

ちなみに作業としては、スピードメーターケーブルというのを交換する形だった。

Amazonでも買えるけれど、品番とか細かく検索するにはウェビックが断然おすすめ。

カブのメンテナンス系動画はYoutubeにいくらでも転がっている。私とまったく同じカブのスピードメーターを交換している動画は見つからなかったが、なにせ応用のきく動画の多いこと。なんというかちょっと、カブのメンテナンスというのはたとえば、ガンプラのカスタムとかそういった感覚に近い気もする。もちろん、素人にできることには限界があるので、危ないことはせずにプロに頼んだ方がいいのは確かだけれども。

買った状態のままを維持したバイクというのももちろんかっこいい。世の中にはスタイリッシュで素敵なバイクがうんとある。

しかしカブは、どれだけおんぼろな状態からでもとりあえずは蘇生を試みられる、そういうバイクだ。そしてそこから自分の色に染められる乗り物なのだ。

さてさて、昨日の昼に我が家に突然西濃運輸さんがやって来た。西濃さんが我が家に来ることはめったにない。佐川さんかヤマトさんか郵便屋さんが、この辺りの配送のほとんどを担っているからだ。

西濃さんはドアを開けた途端にこう告げた。「読者プレゼント、だそうです」。

スーパーカブの専門誌・カブonlyの懸賞に当選したのだ!!

当選品は、旭風防という会社のウインドシールド。2020年に創業60周年を迎えた、歴史ある企業だ。…なんだろう、例えるならばギターにおけるアーニーボール(弦のメーカー)みたいな存在になるのだろうか。選んでおけばまず間違いのない定番品を作ってくれている会社、ということは確かなはずだ。

これは嬉しい。なんと、一万円近くする商品なのだ。前かごがダイソー商品な我がカブにいきなし極上品が届けられたわけだから、ビバップ号もそれは驚いていることだろう。

(とはいえ前かご、ダイソーのものとはいえ案外かわいいのです。ちゃんとしてるし。)

そしてカブonlyの最新号の読者投稿コーナーにて、なんと私のビバップ号が掲載されていた。ビバップ号、全国誌デビュー!!!ひゃっほい!!!

…ということでカブについて大いに語ってみたわけだが、中古でもそこまで安くはないカブとはいえ、「自宅の車庫に眠っていた」だとか、そういう扱いからめでたく蘇生したカブの話もよく耳にする。使われていないカブというのは、意外と身近に転がっているかも知れない。

そういうカブを発掘してメンテナンスし、自分なりのカスタムを施し、ふたたび路上を走らせる—それだっていわゆるSDGsの考え方に繋がっているのではないだろうか。12番の「つくる責任 つかう責任」という項目かな。

カブという存在は、とても長い期間を共に過ごせる「相棒」だ。ある程度のメンテナンスが自分でできるという利点も、カスタムする楽しみも、いかんせん「使い捨て」感覚の蔓延ったこの世の中を、いい塩梅に逆行するものではないか。

さて、私のビバップ号はめでたく風防を装備し、ちょっといかつくなって誇らしげな顔をしていた。

悔しいけれど、私も自力じゃあなかなか手に入れられない金額である、旭風防のウインドシールド。生活必需品の物価がどんどこ上がる中、一万円を風防に出せる余裕が正直なところ無いのだ…という人も多いだろう。その証拠なのだろうか、中国製の安いウインドシールドを取り付けてみたよという作業動画も実際に多い。でも—本当は、こんな時代だからこそ、日本の誇る旭風防のウインドシールドを使いたい!という本音を隠し持つ人は、きっとたくさんいるに違いない。

この風防とも、もちろんこのビバップ号とも、ずっと長く付き合っていきたい。できれば、私が免許を返納するその日まで。


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