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考えをクリアにするために書/描きます...兼好法師の気持ちがわかる今日この頃.

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最近の記事

大和の砲塔のクミタテ方(その2)

前回は勢いあまってイラストだけ出してしまっていて、どうしてそういう妄想となったかのソースを示していなかった.今回は写真から読み取った結果について書いてみたい. 参考にするのは、あの有名な昭和16年9月20日の、呉で艤装中の大和の写真である. 下記の写真は第三砲塔の袖筒周囲に拡大である.第一砲塔から順番に組み立てていったらしく(戦艦武蔵ではきちんと記録されている)、第三砲塔はまだ組み立て中だ.袖筒も同様で、上面には滑車とウインチが用意されており甲板上のハッチを経由して下部にオ

    • 大和の砲塔のクミタテ方(その1)

      ちょうど1年ほど前になるのだけれど、宇宙戦艦ヤマトと本家の模型を並べてみたことがあった. 前者は後者ほど無骨ではなく、滑らかな面をしていて流麗であるのは知っている…この50年近い年月、いったい何隻分の絵を書いたことか(はあはあ…がしかし直接比較したのはマズかった. どーみても本家の砲塔の方がカッコいいんである.面の構成、微妙な面取り、曲面もあってなんか昂ってしまう(私だけ?!. しかしなぜこのような複雑な形状としたのか? 一体誰がデザインしたのか? 図面はどう描かれたのか

      • [補筆] 秋水/エンジンの裏側に見えたわざ(3)

        In-N-out 大学でもその後就職した場所でもだが、研究を行い報告する際にはconsistentかどうか(理工学系ではあったりまえなのだが)がかならず問われる.因果関係、ロジックはきちんと整理され、繋がっていなければならない.技術の世界でもそうだ.inputや要求があって、outputとしての形が現れる.もちろんouputにはそれまでのつながりが絡むから、要求が同じだからといっても必ずしも同じもの、形状になることはない. 前回までいくつか疑問点と仮説を出してきたが、これらを

        • [補筆] 秋水/エンジンの裏側に見えたもの(2)

          エンジンの背後にはなにかがあるいまから10年以上前のことだけれど、ロシアのロケットエンジンについて薄い本を書いたことがある.1990年代後半から公開された学会論文などを中心にできるだけ精度の高いロシア発の二次情報を漁り、どのような過程でどんなロケットエンジンを構築していったか、なぜそうしたのかを記述をつき合わせ補完して再構築してみたものだ(とかっこよく言うほどのものではないのだけれど).ロシアのエンジンはとにかく(ふんふん!!)すごいのだけれど、なぜ技術者たちはこんなエンジン

        大和の砲塔のクミタテ方(その2)

          [補筆] 秋水/エンジンの裏側に見えたこと(1)

          日本初で最後の有人ロケット? 雅な名前が多い旧海軍の航空機の中でも極北が、ここでこれから述べるJ8M秋水じゃないかと思っている.誰が名付けたかよくわからないようだが、刀の太刀筋のようなロケットの航跡をイメージさせるいい名前ではないだろうか. この機体の開発、実験については松岡さんの貴重な著作[1]でまとめられており、いまさら多少の検討で付け加えることなどほとんどない.狂気に近い図面化から試験までの時間の短さは、SpaceXでも真っ青なレベルなのだが、その姿をきっちりと描いてい

          [補筆] 秋水/エンジンの裏側に見えたこと(1)